自動潅水システムについて

コンテナによる野菜の栽培で最も大切なことは、言うまでもない事ですが「潅水」(水やり)です。特に夏場は、朝夕2回の水やりを忘れると、たちまち枯れるか、再生不能なまでに弱ってしまいます。一方で、夏場は旅行などで泊りがけで家を空ける日が多くなることは避けられません。従って、我が家の屋上菜園では家を空けた時に備えて以下の様な“自動潅水システム”を構築しています

まず水やりに必要な水の確保ですが、20年程前の新築の際、将来菜園を作る前提で水道を屋上まで配管してもらいました。排水設備はいらないので、追加工事費は僅かなものだったと記憶しています

次に必要なものは、セットした潅水時刻、時間に合わせて自動的に水道バルブを開閉してくれる装置です;

パナソニック製・自動潅水ユニット
パナソニック製・自動潅水ユニット

上記はパナソニック製で1万円以上するやや高価な製品ですが、水道バルブ駆動用の電池を2~3年に一度交換するだけで、恐らく10年以上故障しないで使用できます(やはり日本の製品は素晴らしい!)。我が家では、この装置を3台設置し2台をスプリンクラーに、1台をコンテナごとの個別給水に使っています。1台のユニットで同時に潅水すればという考え方もありますが、我が家の場合、水道の水圧に限界があり、菜園全体に同時に潅水すると水圧が下がり過ぎて均等に撒けなくなるからです。3台を稼働させるときは、時間差をつけて1台づつ稼働させています

スプリンクラー方式
スプリンクラー方式

スプリンクラー方式は、自動潅水ユニット、スプリンクラー、とホースさえあれば設置できるので、非常に簡単ですが、欠点は水を撒ける範囲が円形になることと、当然のことながらコンテナ以外の所にも水を撒いてしまうので水が無駄になることです。従って我が家では、スプリンクラーは原則として旅行に行く時に稼働させています

個別給水の仕掛け_1
個別給水の仕掛け_1
個別給水の仕掛け_2
個別給水の仕掛け_2

上記写真にある“個別給水の仕掛け_1”は、市販のカーテンレール(プラスティック製)をコンテナの長さにカットし、これにドリルで適当な間隔で穴をあけ、片側から給水してやると、長手方向に均等に水が撒かれる仕掛けです。これは長方形の大型コンテナの給水に使っています。一方、円形で深さのある大型コンテナには、“個別給水の仕掛け_2”を使って給水を行っています。この仕掛けは市販のものです。
これらの仕掛けに、自動潅水ユニットからの水を引くには、以下の部品を使います;

給水パイプ・ホース・ニップル
給水パイプ・ホース・ニップル

右から2番目のパイプは塩化ビニール製の安いパイプ(“塩ビパイプ”)です。塩ビパイプには2種類あって、水道の配管に使われるやや高価な高圧用と、低価格の低圧用があって、ここでは低圧用を使用しています。塩ビパイプの配管は、専用の接着剤で簡単に繋ぐことが可能で、パイプ以外にも色々な部品を売っていますので、“L”字型の配管、端末処理など、どんな形状の配管も簡単に作ることができます
左側にあるフレキシブルな細いホースは、塩ビパイプと“個別給水の仕掛け”をつなぐホースです。適当な長さにハサミでカットして使います。このホースと塩ビパイプの間に置いてある小さな部品(“ニップル”と名付けました;上の写真の右側にある5個入りの袋の単位で販売しています)は、金属製で片側にネジを切ってあり、予め塩ビパイプにドリルでちょっと小さめ穴を開けておけば、このニップルを塩ビパイプにねじ込むことが可能です。塩ビパイプにねじ込まれたニップルの反対側に“個別給水の仕掛け”に繋いだ細いホースを差し込めばいいことになります。接続状態は以下の写真をご覧ください

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塩ビパイプと細いホースの接続状態

“フレキシブルな細いホース”や“ニップル”は、ホームセンターの園芸コーナーで簡単に手に入れることが可能です。尚、やや特殊な“ニップル”は“(株)カクダイ”の製品です。
この会社のサイト(http://kakudai.jp/green/index.html)を覗くと、同じような機能をもった多くのセットが売られておりますが、かなり高価なものが多いようです。お金持ちの方はどうぞこの会社の出来合いの製品をご利用ください!

以上