高齢者スキー技術の実践_その3

今シーズンは、3回スキー・ツアーに出かけることができました。我々のスキー仲間の中では決して年寄りの部類には入りませんが、正直に言うと初滑りに出かける時は年々億劫になってきています。こうした感覚の背景には「体力が持つか?」、「怪我でもしたら見っとも無いな!」といった不安があるのは否めません。しかしゲレンデに立ってみるとそんな不安はどこへやら、歳を忘れてスキーフリークに変貌してしまいます
初滑りは正月明けに新潟県の「石打スキー場」で、2回目は長野県の「菅平スキー場」、滑り収めは北海道の「ルスツスキー場」となりました。幸い今シーズンは素晴らしい雪に恵まれ、7回目の干支を迎えても尚、スキーができる幸せを噛み締めることができました

ルスツ・スキー場
ルスツ・スキー場

冒頭のスキーヤーの写真は、我らスキー仲間の中で最高齢(84歳)となるTさんの滑りです。私よりも10歳以上年長なので、私も今後10年は滑れるのではと希望が湧いてきます。参考のために、彼の滑降中の動画をYouTubeにアップロードしてみました(84歳の大滑降!)のでご覧になってください。抑制された滑走スピードとズレをうまく使ったターンは超高齢スキーヤーにとって模範となる滑りだと思います
この動画の後半に登場する3人のスキーヤーの内、後ろを滑る2人はいずれも全日本スキー連盟の指導員で、それぞれ66歳のSさんと76歳のHさんです。Sさんは足首を捻挫したばかりであり、Hさんは両膝の靭帯が伸び切っていて、ロボコップの様なプロテクターを装着して滑っていますが、そんなことを全く感じさせない熟達した滑りを見せています

昨シーズンの宿題

昨年投稿した私のブログ(高齢者スキー技術の実践_その2)の最後のくだりに書いてありますが、昨シーズンの私の宿題は「ターン後半の滑りをどうまとめるか」でした
「ルスツスキー場」での合宿で、全日本スキー連盟の指導員である仲間のKさん(66歳)とOさん(74歳)に直接指導してもらう幸運があり、以下の様な幾つかのポイントを体感することができました;

ターン後半から次のターンに至る部分は、できるだけ直線的に滑る方が疲れない(Kさんの言葉を借りれば″美しく見える!”)こと。勿論、小回りのターンではこの直線で滑る部分は無く、短時間のニュートラル・ポジション(斜面に垂直に立ち、スキーの前後を揃える)で二つのターンを繋ぐことになります

② 斜面の傾斜が緩い時は、この直線部分をニュートラルポジションのままターンの大きさに合わせて直線的に滑り、次のターンに入ることになります。ただ、斜面の傾斜がきつくなった場合は、この滑り方ではスキーの方向が徐々に下向きとなり、加速してゆきます。何故なら、斜面に垂直に立てば(⇔ニュートラルポジション)、体は斜面の下方に傾いており、エッジを立てていない限り重力によりスキーは最大傾斜線方向にズレながら向きを変え加速していくことになります(所謂「先落とし」)。この結果、次のターンに入る時にオーバースピードなった場合、ターンの前半で減速の操作(ズラす角度を大きくする)が必要となり、高齢者にとっては雪面からの抵抗が大きくなり、疲れる滑りになります(勿論、筋力、バランス力があればスピード変化に対応して減速を行わずに美しく滑る!事は可能です)

 斜面の傾斜がきつい時は、この直線部分を「斜滑降」、乃至「斜め前横滑り」を行い、ターンの出口と同じ速度を維持し、ニュートラル・ポジションを経て次のターンに入ることでスピード変化の無い疲れないターンを行うことができます。斜面が更にきつくなった場合は、ターンを始動する時の軸足(⇔谷足、ターン終了後は「山足」になります)及びターン終了後の直線滑走時の「山足」にある程度荷重を加えることにより、スピードのコントロールを行うことができます(「斜滑降」では山側に上っていくことにより、また「斜め前横滑り」ではズラす幅をコントロールすることにより可能になります)

これらのポイントを意識した上での私の滑りを、恥ずかしながらYouTubeにアップロードしてみました(ターン開始からニュートラルまで)。来シーズンも、この滑りで安全で快適な高齢者の滑りを目指して頑張りたいと思っています。
私のお目汚し!の滑りをご覧になった後は、私が40年以上に亘って師事しているKさん、Oさんの華麗な滑り(模範滑降)をご覧になって不快感!を中和してください!

以上