「100年時代の人生戦略」を読んで

表紙

-はじめに-

本書を読むきっかけになったのは、2017年2月18日にNHK・BS1スペシャルで放映された「ダボス会議2017どう生きる?人生100年時代」を観たことです。このパネルディスカッションには、以下のメンバーが参加していました;
司会者:河野憲治、NHK社員(今年3月まで”ニュースウォッチ9”のメインキャスターをやっていた)
パネリスト
1.デイビッド・B・エイガス:南カルフォルニア大学・医学部教授(ガンの権威、最先端医療の知識が豊富)
2.リンダ・グラットン:ロンドン・ビジネススクール教授(下記)
3.佐藤康博:みずほフィナンシャル・グループ CEO
4.ウィリアム・フランシス・モルノー:カナダ財務大臣(年金システムに詳しい)

ディスカッションは、概ね今回紹介する本の内容に沿って行われましたが、上記エイガス教授から、今回紹介する本の中では触れられていない以下の興味深いトピックが提供されました;
* 人間は120歳まで生きることが可能 ←(最近細胞が老化することを防ぐタンパプ質の存在が発見された)
ビッグデータの活用で、今後多くの新薬の発見が期待できる ←(最近、ビッグデータの解析から安い血圧の薬が卵巣がんに効くことが判明した ⇒ 4.5年の延命効果が期待できる)
* 退職を1年遅らせると、アルツハイマー病のリスクが3%低下する →(頭脳を使い続けることがアルツハイマー型認知症の予防になる)

著者の経歴、その他
1.Linda Gratton:ロンドン・ビジネススクール教授、人材論、組織論の世界的権威、二年に一度発表される世界で最も権威ある経営思想家ランキング(50人)では2003年以降毎回ランキング入りを果たしている。また英タイムズ紙「世界のトップ15ビジネス思想家」に選出されている
2.Andrew Scott:ロンドン・ビジネススクール経済学教授、前副学長、オックスフォード大学のフェロー、欧州の主要な研究機関であるCEPRフェローを務めてい居る
本書の発行日は
原本“The 100-Year Life”初版発行:2016年6月2日
邦訳初版発行:2016年11月3日

以下は、この本の大まかな内容のご紹介です;

-この本のベースになっているデータ-

この本では、「人間の寿命が今後どう変わってゆくか」が最も重要なデータ(結論を左右する)になっていますが、これは以下のグラフで説明されています

ベストプラクティス平均寿命

“ベストプラクティス平均寿命”とは、平均寿命世界第一位となる国(先進国のみが対象)の平均寿命のことです。これを時系列で並べたものが上のグラフになります
上のグラフを見れば明らかな様に、過去100年近く、ほぼ一直線に平均寿命が伸びてきたことが分かります

次に重要になるのは、このグラフの傾向のままに寿命は本当に伸びていくのか?、また限界があるとすればそれは何歳か?、ということになります;
1.過去の平均寿命上昇の理由
* 1920年代の平均寿命の改善は子供の死亡率低下が大きい。結核、天然痘、ジフテリア、チフスなどの子供の命を奪った感染症の多くが抑え込まれた為
* 次に、中高年の疾患、特に心臓血管系の病気とがんの対策が大きい。また、病気の早期発見、治療と処置の改善、禁煙などの啓蒙活動の強化により、次第に健康水準が向上した
2.人間の寿命に上限はあるか?;
人間の寿命の上限については以下の三つの考え方がある;
悲観論者は、栄養状況の改善や乳幼児死亡率の低下はこれ以上見込めず、逆に歩かないライフスタイルや肥満によって平均寿命の上昇は足を引っ張られる
楽観論者は、啓蒙キャンペーンの効果は今後も大きく、それがテクノロジーのイノベーションと組み合わせることによって、平均寿命はまだ上昇し続ける
超楽観論者(レイ・カーツワイル/グーグルの人工頭脳チームのリーダー;テリー・グロスマン/医師)は、医学的アドバイスに従い、好ましい生活習慣を実践、バイオテクノロジーによる医療革命の恩恵に浴す、ナノテクノロジーのイノベーション(人工頭脳とロボットが老いた体を分子レベルで修復する)、の3ステップを経て数百年の寿命を手にすることができる
3.本書の著者は寿命の上限をどう考えているか?;
ベストプラクティス平均寿命の延びが鈍化していないことから、平均寿命は110~120歳まで上昇し続け、その後伸びが減速する、という楽観論者に近い考え方を持っています

次に上記の推論を前提にして、「現在生きている人は何歳まで生きられるか?という問いに応えなければなりません。その為には、平均寿命に関し以下の二つの理論を知っている必要があります;
ピリオド平均寿命:各年齢に現在までの実績に基づく平均余命を加えて平均寿命を算定したもの
コーホート平均寿命:各年齢に今後の平均余命が伸びるという前提で平均寿命を算定したもの
本書では、コーホート型の平均寿命を採用しています。平均余命は、あくまで現在までの実績をベースのしていますので、上で述べた平均寿命の延びが計算に入らないことになります
尚、年金制度の設計など、経済分野で平均寿命の推計を行なう時には、現在ピリオド平均寿命を使っており、結果として平均寿命を大幅に過小評価することになります。これが、年を追うごとに年金原資が足りなくなっていくという日本の現状をよく説明しています

こうした基本データを基に、本書でケーススタディー(ジャック、ジミー、ジェーン)を行っている3世代の平均余命を算出すると以下の様な驚くべき結果になります;
① ジャックの世代:1945年生まれ平均寿命が70歳前後
② ジミーの世代:1971年生まれ、平均寿命は85歳前後
③ ジェーンの世代:1998年生まれ、100年以上生きる可能性が高い

これを見て驚いたことは、ジャックは私と同じ年齢ジミーは私の子供達と同世代ジェーンは私の孫たちとほぼ同世代になります

―我々の世代はどんな人生なのか-

人生を考えるに当たって、本書では「ステージstage”」という言葉を使っています。ステージの意味を辞書で調べれば、あるプロセスの”段階、局面、時期”、となっています。例えば、地球の歴史でいえば「氷河期」の“期”に相当すると考えていいと思います

我々の世代の人生を、この“ステージ”で表現すると;
1.生まれてから就職する迄の時代(教育の期間):20年前後
2.職に就いている時代(労働の期間):40年前後
3.退職後死ぬまでの無職の時代(余暇の期間):?年間
の様な、3ステージの人生”と呼ぶことができます。我々は、この3ステージの人生をなんの疑いもなく送ってきた訳ですが、最近寿命が伸びたお陰で、退職後の時代が、職に就いている時代に匹敵するほど長くなってきた結果、年金システム(公的年金、企業年金)の破綻が叫ばれるようになりました

年金のシステムは、大まかに言って、確定給付年金確定拠出年金に分けられますが、以下の様にいずれも退職時期を固定し、退職後の期間が長くなれば破綻するのは当たり前の事です;
確定給付年金:給付額を固定し、給付のための原資は、受給者の退職前に積み立てたお金と現在働いている人が積み立てているお金(企業の補助金、税制優遇措置を含む)が充当されます。基本的に公的年金(国民年金、厚生年金、など)や一部大企業の企業年金がこれに相当します ⇒ 退職者が増加し、労働人口が減りつつある日本などは破綻することが明白です
因みに、老齢従属人口指数(労働人口に対する引退人口の割合)の実績及び今後の予想によれば、1960年、日本は10%(引退人口1人に対し10人の勤労人口が支える)だったのに対し、2050年ではこの数字が70%(引退人口1人に対し1.4人の労働人口が支える)に達すると予想されており、持続可能性が危ぶまれています
確定拠出年金:給付のための原資は、受給者が退職前に積み立てたお金(企業の補助金、税制優遇措置を含む)であり、退職後の期間が長くなれば受給額が目減りしてゆきます

こうした矛盾に対応するため、先進諸国では“定年延長”や年金原資に充当するための増税(日本では”消費税”の増税)などの対応を取っておりますが、上記を勘案すれば長寿化の流れに追いつくとは到底思えません

本書では、ジャック、ジミー、ジェニー、それぞれの世代が、3ステージの人生を送った場合、どのような結果になるかをケーススタディーしています;
シミュレーションの前提は以下の通りです;
1.老後の生活資金を、最終所得の50%とする
2.長期の投資利益率をインフレ率を除いて3%する(リスクの殆ど無い投資と、リスクの高い投資を組み合わせる。税・手数料引き前)
3.所得上昇のペースを年平均4%とする
4.ジャックは62歳で引退、ジミーとジェニーは65歳で引退する

ケーススタディーの結果は;
ジャックの世代:妻は専業主婦(一時パートで働いた時もあった)、主たる稼ぎ手は常にジャック、62歳で引退、70歳で死去。老後の生活資金は3種類(公的年金、企業年金、個人の貯え)、現役時代に老後のために所得の4%あまりを蓄えることは難しい事ではなかった

ジミーの世代:65歳まで働いて引退する積り。企業年金は受給できない。年金改革は進められるものの、公的年金は最終所得の10%程度にとどまる。退職後、最終所得の50%確保するためには、毎年所得の17%を貯蓄に回さねばならず非常に難しい

ジェニーの世代:65歳での引退を前提に3ステージの人生を送るという生き方は最早不可能。何故なら、最終所得の50%の老後生活資金を確保するには、労働期間に毎年所得の25%も貯蓄しなければならず、しかも、ここには住宅ローンの返済や子供の学費が入っていない。また、公的年金の10%も受給できる蓋然性は低い

このケーススタディーの結果から得られる結論は、ジャックの世代は3ステージの人生が適していたのに対し、長寿時代のジミーやジェニーの世代では、3ステージの人生は経済的に成立しないことになります
言い換えれば、何の対応もせずにこのまま推移すれば、私たちの子供や孫の老後には、惨めな貧困が待っていることになります。勿論、幸運にも億万長者になれた人や莫大な遺産が転がり込んだ人は別ですが、、、 こうした幸運に恵まれない一般の人は、働く期間を延長するしか対応しようがないということになります

なお、上記ケーススタディーでは、私と同い年のジャックは70歳で死去しています。現在の日本では、このケーススタディー以上に長寿化が進んでおり、不肖私も70歳を超えて生き続けて!おります。日本では、私の世代でも3ステージの人生は現実に合わなくなっているのかもしれません

-子や孫の世代はどんな人生になるのか-

前段で述べたように、子や孫の世代は、好むと好まざるとに関わらず多くの人が人生の長い期間働くことになります。しかし、我々の世代でも40年は長い労働人生でしたが、これが70年、80年間働くことになればどの様な問題が考えられるでしょうか?
本書では、以下の様な問題点を指摘しています;
1.人生の最初に選択した職業が自身の適性に合っていなければ、長い労働生活に耐えられないのではないか?
2.近年の人工頭脳(AI)やロボットの進化の速度を考えれば、業種によっては働き続けることが難しくなるのではないか?
3.同じ仕事を一生涯続けていくことの単調さに耐えられるかどうか?

この様な問題点を克服するために、本書では3ステージの人生をではなく、マルチステージの人生が必然になる時代が来ると予測しています

一方、長寿となった人生を実りあるもの(生きがいのある人生とするために、企業で働くというステージの他に、以下の様なステージの選択肢を用意する必要性を説いています;
1.エクスプローラー:エクスプローラーという言葉は、一般に”探検家”と訳しますが、本書では、「興奮、好奇心、冒険、探査、不安、一か所に腰を落ち着けるのではなく、身軽に、機敏に動き続ける」活動というイメージになります。敢えて言えば、戦中世代を代表する作家である小田実が、「何でも見てやろう」という本の基になった、若い時代の世界放浪の旅のイメージでしょうか
このステージは、発見の日々となります。旅をすることにより世界について新しい発見をし、併せて自分についても新しい発見ができるステージになります
また、このステージは、自分を日常の活動から切り離すことから始まります。ただ、観光客が旅先の町を見物する様な態度では、大きな成果は得られません。望ましいのはこのステージで多くの人との係わりを持つことです
私とって何が重要なのか?」、「私が大切にするものはなにか?」、「私はどういう人間なのか?」など、具体的な問いをもって探索に出る場合もあれば、「はしゃいで跳ね回ること」が目的であってもいい。こうした冒険(何を見て、誰と出会い、何を学ぶか)を通じて得られるストーリーが未来の人生の指針になります

2.インディペンダント・プロデューサー:普通に翻訳すれば”起業家”ということになりますが、ここでは今までの起業家とは性格の異なる新しいタイプの起業家になったり、企業と新しいタイプのパートナー関係を結んで経済活動に加わることも含めています
旧来のキャリアの道筋から外れて、自分のビジネスを始めた人たちがこのステージに入ります
また、インディペンダント・プロデューサーは、自分の職を生み出す人であり、人生のどの段階にある人でも実践できます

3.ポートフォリオ・ワーカー異なる仕事を同時並行的に行うステージです
ポートフォリオ・ワーカーを、様々な可能性を探索し、実験するために積極的に選択する人もいれば、やり甲斐のある仕事に就けないために、不本意ながらそれを選ぶ人もいます
企業幹部などに100年ライフを説明した後でアンケートをとると、以下の様な活動を組み合わせたポートフォリオ・ワーカー型の生き方を選ぶ人が多い様です;① 所得の獲得を主たる目的とする活動、地域コミュニティとの係わりを主たる目的とする活動、親戚の力になるための活動、趣味を極めるための活動、など
スキルと人的ネットワークの土台が確立できている人は、高い価値を生み出せるポートフォリオ・ワーカーになることができます
ポートフォリオ・ワーカーの核になるのは、有給の仕事です。企業のCEOであった人は、どこかの取締役に名を連ねることなどの選択肢を採ることができます
一方、過酷な労働人生を送ってきた人は、楽しく過ごしたり、社会に貢献したり、友人と過ごす時間を選択肢に加えることができます
ポートフォリオ・ワーカーは、以下の三つの側面のバランスを取ることになります;支出をまかない貯蓄を増やすこと、過去の経歴とのつながりがあり、評判とスキルと知的刺激を維持できるパートタイムの役割を担うこと、新しい事を学び、やり甲斐を感じられるような役割を新たに担うこと

上記のような仕事のステージを組み合わせて、自分に適したマルチステージの人生を設計するにあたって、本書では、貯蓄などの“有形の資産”だけでなく、下記の様な”無形の資産“の構築を自身のステージに適切に組み込んでいかなければ、長寿がもたらす恩恵を享受することはできないと言っています;
1.生産性資産:仕事で生産性を高めて成功し、所得を増やすのに役立つ要素で、スキル知識が主たる構成要素になります
2.活力資産:肉体的・精神的な健康幸福感(友人関係、パートナーやその他の家族との良好な関係、など)
3.変身資産:“自分についてよく知っていること”、“多様性に富んだ人的ネットワークを持っていること”“新しい経験に対して開かれた姿勢を持っていること”。このタイプの資産は、旧来の3ステージの人生ではあまり必要とされませんでしたが、マルチステージの人生では、あるステージから次のステージに移行する時に必要な資産になります

<ケーススタディー(マルチステージへのチャレンジ)>

ジミー(我々の子供たちの世代)のマルチステージの人生
途中まで3.0ステージの人生を送ってきた
が、50歳になって変化の速いテクノロジーの世界で、自身のスキルが時代遅れになり職場で脇役に追いやられてしまった。有形の資産をチェックすると65歳で引退するには貯えが足りないことに気づいた
1.3.5ステージの人生
ケース1:会社時代の古い友人が近所の社会人大学で学長をやっており、彼に誘われて、週一回夜間の講義を行う生活に入る。給料は減るものの、自分の能力は生かせるという実感が生まれると共に、仕事と家庭のバランスも生まれる。しかし、お金にゆとりはなく、多くの友人達ほどには夫婦での旅行は楽しめない。大学ではよき同僚と評価されてはいるが、1年たつごとに自分の知識と経験が古びていくことを痛感し、71歳で寂しい引退となる
ケース:夫婦の古い友人の紹介で、隣町の店の手伝いと他のスタッフの監督を行うことを頼まれる。給料は大したことは無いが、社交的な生活なので仕事そのものはそれなりにたのしい

3.5ステージのシナリオは、資金計画を成り立たせる助けにはなり、活力資産をはぐくむための時間がたっぷり確保できる。しかし、生産性資産を充実させたり、変身資産を活用したりすることはほとんど無い。追加の0.5ステージは3ステージの人生の付録程度の意味しか持たない

2.4.0ステージの人生
ケース1ポートフォリオ型の新ステージを選択)
45歳の時、立ち止まって自身の人生とまわりの世界を考えてみたところ、このままでは、資金計画が成立しないことと、自身のスキルがいずれ陳腐化することに気づく。しかし、新しいスキルを習得すれば、業界内の高成長分野に転身できる可能性が高まることが分かり、妻と相談してチャレンジすることを決心する
週末、休暇を使って研修プログラムに参加し、最終的に業界でよく知られた証明書を受け取り、この資格を有効に使って条件のいい会社に転職した。一方、妻もフルタイムで働ける職場で働きはじめた
新しい会社は、ジミーに有給の研修の受講を認めてくれたため、仕事の傍ら、3年間かけてマネージメント能力、アウトソーシング手法、ロボット工学などを学んだ
更に、上級レベルのプロジェクト・マネージメントと研修プログラムに参加し、プロジェクトマネージャーの世界規模の人的ネットワークを築いた
*65歳になったジミーは、二つめの企業も退職し、望み通りポートフォリオ型ライフを始めた。価値の高いスキルを持っているおかげで、刺激を味わえる仕事を得られ、70代後半になっても、まだ仕事の依頼がある

ケースインディペンデント・プロデューサー型の新ステージを選択)
45歳の時、会社の仕事は過酷で、家庭の負担も大きいことに耐えられなくなってきた。家計の維持と住宅ローンの返済で、現在のままでは70歳で老後資金が必要なだけたまらない事が分かった。そこで、余暇時間の一部をレクレーション(=娯楽)ではなく、リ・クリエーション(=創造)にするために使い、起業に向けた準備を始める
起業の為の準備として、仕事の傍らサイド・プロジェクトを行い、起業後の仕事の感触を探り始める。また、地元の企業家クラブに加わると共に、会計とマーケティングのオンライン講座も受講する
現在住んでいる町は規模が小さく、起業後の顧客があまり存在しないことが分かった為、会社の上司に掛け合って、大都市の拠点に異動を願い、叶えられる。大都市の拠点には、中小企業が多く集まりビジネスが盛んだ。新しい町に引っ越すと、早速これらの人との人脈づくりを始めた
*48歳の時、企業設立の準備が整うと同時に、夫婦で支出を細かく見直し、出費の少ないライフスタイルに変更し、質素な生活を心掛けるようになった。これにより、いざという時の貯えを少し増やすことができ、倹約生活にも慣れることができた
*49歳になって、友人と一緒に会社を設立。二人の地元のコネを通じて最初に二つの顧客を獲得し、人的ネットワークを利用して海外の提携企業と緊密に協力することにより、低コストで高いサービスの提供を始めた

二つのシナリオのまとめ
ポートフォリオ型にしろ、起業家型にせよ、4.0シナリオを実践するためには、現在の状況にしっかり目を開き、待ち受けている未来をじっくり検討しなくてはならない
いずれのシナリオでも、ジミーは勇気をもって大きな変身を遂げ、自分を「再創造」させたが、簡単な道ではない。また、目指す人すべてが成功するわけではない
成功を収める人たちにとっても、変化はストレスを伴う試練と感じられるだろう。こうした局面で重要になるのは変身資産である
二つのシナリオは、いずれも有形の資産と無形の資産を構築・増強でき、更に老後の生活資金を増やし、生産性資産と活力資産も増やすことができる
二つのシナリオの重要な違いは、起業家型の新ステージは、お金の面でも無形の資産の面でもよりリスクが大きく、ストレスも大きい。一方、ポートフォリオ型の新ステージは、夫婦が一緒に過ごせる時間を多く確保できる。どちらを選ぶかは、本人の嗜好と状況次第だ

ジェーン(我々の孫たちの世代)のマルチステージの人生
ジェーンの人生は非常に長いので、有形の資産と無形の資産の両方で問題が持ち上がり、3.0シナリオや3.5シナリオは実践不可能になる。従って、ジェーンは、4.0シナリオ、か5.0シナリオを生きるしかないことになる。長い年数働き続けるためには、無形の資産への大々的な再投資を行い、自らを再創造して変身を遂げなくてはならない

5.0ステージの人生
*21歳の時、自分が100年以上生きる可能性が高いことを前提に人生の選択を行う。そこで人生の進路について大きな決定を下すことを避け、さまざまな選択肢を模索することが必要と考えた。現代史を専攻して大学を卒業した後、旅に出る。その間、各種資産を築かないままに、不安定な雇用形態で働くことも厭わない。つまり、エクスプローラーとしての日々を送ることになる
アルゼンチンとチリへの旅行の途中、ブエノスアイレスに3ヶ月滞在し、スペイン語の集中講座を学び、技能検定試験にも合格する
料理好きなジェーンは、ラテンアメリカの期間限定の屋台に強い興味を抱く。自身もフィエスタ(お祭り)の日だけの屋台を始められないかと考え、流ちょうになったスペイン語を駆使して、他の都市のフィエスタ主催者と連絡を取り、実際の屋台ビジネスの経験を積む。収入は僅かだが、滞在費用をまかなうには十分である
この時期、ジェーンは楽しみながら、組織づくりのスキル予算策定の基礎、ラテンアメリカ各地のフィエスタ主催者とのコネも築く。帰国した後も、知り合った人たちとの人的ネットワークを維持する
*28歳になって、数人の友人とフィエスタ・ビジネスの会社を立ち上げ、インディペンデント・プロデューサーとして、組織に属さずに働く。初期の仕事は、幾つかのストリート・フィエスタの企画と運営であった。事業を立ち上げる人の多くと同様に、ジェーンは資金繰りに苦労するが、経験豊かなサムという人物と知り合い、イベントを手掛ける多くの起業家を紹介してもらったほか、資金調達に関して視野を広げるよう促された。オンライン上で不特定多数の人から資金を調達するクラウド・ファンディングで出資を募る
オンライン上での評判を確立する必要性に気づき、サムから“元気で面白い人物”というイメージ作りのコツを教わった。毎週ブログを更新し、フィエスタ主催者たちの間に熱心なファンを獲得してゆく。ジェーンは、自分についての知識を深め、人生の選択を間違えない様に有形の資産よりもむしろ、無形の資産(人的ネットワークの充実、評判の確立)の形成に多くの投資を行う

*35歳になった時、今後10年ほどで金銭的資産を築かなければならないと自覚した。オンライン上の存在感が高まったいたジェーンは、大企業の幹部たちの目にとまり、数社から入社を誘われる。食とエンターテインメントの分野での経験、質の高い人脈、新しい取り組みと顧客ニーズを取り込んできた実績が買われた。そこで、世界中の食関係のイベントを紹介したいと思っていた食品会社選んで入社、それなりの給料と地位を得た
*30代半ばで大企業に加わったジェーンは、意思決定が遅く、アプローチが官僚的である企業文化にすぐにはなじめなかった。しかし、いくつかの国際的な役割を歴任し、その都度給料が大幅に上昇すると共に、職業上のアイデンティティーは「ベンチャーの人」から「大企業の世界で活躍できる人」へと変貌した
ラテンアメリカで過ごした経験により、持続可能なサプライチェーンの構築という難題について、深い理解が得られたことに気づき、このテーマに関する知識を更に増やすために、専門のセミナーに参加。それを通じて、他の企業関係者やNGO関係者など接点がなかった人たちと人的ネットワークを築く
*37歳を迎えた時、人的ネットワークを土台に、アマゾン地方やルワンダのクループから、食品フレーバーの原料を購入するプロジェクトを立ち上げた。ジェーンはこのプロジェクトを通じて、ビジネスの実態を知り忙しい毎日を過ごす。持続可能なサプライチェーンに関する記事などで、頻繁にブログを更新したり、講演を行なったりして、職業上の評判を確立することにも腐心する

平均寿命が伸びても、出産に適した年齢は伸びないので、出産時期という大きな問題に直面するし、ブラジル旅行中に地元のNGOで働く男性と知り合い結婚する。ジェーンは37歳で長女を39歳で長男を出産する。ベビーシッターの力を借りつつ、夫婦で家事を分担して生活する
*43歳の時、新しい経営陣に代わり、今後の昇進は難しいと気づき、新しい選択肢の模索を始める
厳しい決断だったが、45歳の時に退職する。一家の所得は夫からのみとなり大きく落ち込むが、厳しいながらも破綻せずに済む
時間に余裕ができたジェーンは、学校に通う子供の世話、高齢の両親との時間を過ごしたりできるようになったが、数年先には仕事を再開すべきだと思うようになる。夫はジェーンが仕事を再開したら仕事を辞めて、自分の進む道を検討しようと計画している
ジェーンは、自身のアイデンティティーを見つめなおし、様々な選択肢について友人や知人の話を聞き、進むべき道を検討する。これは変身資産を強化するプロセスといえる
ジェーンは、所得を最大限増やすために人材採用の仕事を目指すことに決めた。必要となる生産性資産は、人間の心理に関する知識であることが分かり、2年間かけてオンライン講座で学び、大学で職業心理学の学位も取得する。
その後、ホテル、旅行、食品分野を専門とする人材会社に入社し、人材採用コンサルタントの道を歩み始める

*48歳の時、有形の資産の形成に力を入れる日々を送るが、この後15年間、同じ業界内で数回の転職を重ねたうえで、60歳の時にヘッド・ハンティングされて、業界屈指の大手企業の取締役に就く。これを機に、生産性資産を構成する要素が変わり始めた。社内の他のメンバーのメンタリングやコーチングの機会は増えると共に、その人たちの人的ネットワークの一員としての役割が大きくなる。一方、仕事は過酷で、出張も多く、家族のために避ける時間が無く、活力資産が底をつきつつある
*70歳の時、金の面ではうまくいくものの、友人達とは疎遠になり、夫との関係も緊張し、健康も悪化し始めた。そこで、活力資産を最優先にした生活に転換することを決める。子供たちにはもう手がかからず、夫婦で一緒に旅に出る
*72歳の時、リフレッシュしたジェーンは、キャリアの次の段階に移行することを望む。ただ、過酷な仕事や大幅に時間を制約される仕事にはつきたくない。それまで築いてきた変身資産でプロジェクトを計画する。様々な要素で構成されるポートフォリオ型の生き方を実践する;1年に30週は、週に1日ラテンアメリカのストリートチルドレンを支援する国際組織で働く、週に1日、ローカルな中規模の小売企業で非常勤取締役の仕事をする、2週間に1日は、地元の治安判事も務める
*85歳のとき、ジェーンは本当に引退する。これ以降は、孫やひ孫と過ごす時間を大切にし、毎年1回は、彼らを連れてアマゾン地方に出かけ、自分の人生で大切な意味を持った土地を訪ねる

-長寿化によって人間関係が変わる?-

本書が予測するところによれば、長寿社会が到来すれば、人生のあらゆる側面が変わると考えられます。ジェーンの5ステージのケースをご覧になれば分かる様に、夫婦やパートナー同士の関係はより長期のものになり、その間多くの変化を経験することになります。
また、子供の数は減るものの、孫やひ孫の家族が増え、高齢者と若者との関係が今より緊密になる機会が増えると思われます。仕事の世界も変わってゆきます。家族の多くのメンバーが職を持ち、70歳代や80歳代で働き続ける人も増えることになります。
また、職に就く女性が増えれば、伝統的な家族の在り方が崩れ、家族のメンバーが担う役割も大きく様変わりすると考えられます

<家庭>
長寿化の進行とマルチステージの生き方が一般化した結果、選択肢を残しておくために結婚の時期を遅らせること子育て期間の割合が縮小することが起こります。因みに、1880年には全世帯の75%に子供がいましたが、2005年にはその割合が41%%まで下がっています
子育てせずに人生のかなりの期間を過ごすことは、ジャックの世代(我々の世代)の夫婦の役割分担は説得力が大幅に低下します。性別役割分担が変わってきた要因には、家電用品・調理済み食品の普及により家事の負担が軽くなったこと、男女の賃金格差が縮小してきたことなども考えられます。パートナー同士で生産の補完性(夫婦の固定的な役割分担)が重要でなくなると、二人の間に純粋な関係が生まれと思われます。それは、不変の関係でもなければ、惰性で継続されるような関係でもなく、二人の間で調整を重ねていく関係となるはずで、相手と深く関わろうという意思が重要になります

経済的な面では、生産の補完性から「消費の補完性」の重要性が高まります。つまり二人の人間が、別々に大きな家を買ったり、休暇を楽しんだり、生活に必要なものを調達したりするより、二人で一緒の方が安く済むことは当然の事です
リスク分散の効果も見逃せません。何らかの理由で所得が途絶えた時、経済的に互いを支えることができます。これは近年、同類婚(自分と教育・所得レベルが近い人を結婚相手に選ぶ)の傾向がみられる一因かもしれません
本書では、多くの人が結婚を選択することを前提に話を進めてきましたが、事実婚やシングルファーザー、シングルマザーなど、様々な結婚の在り方が出現する可能性を否定する訳ではありません。しかし法律上の婚姻関係が、長期的であり、権利が法的に強く保護されており、離婚時の財産分与の仕組みなどが確立されていることなどを勘案すると、夫婦間で多くの調整が必要とされるマルチステージの人生では、むしろ結婚の重要性は大きくなると著者たちは考えています

<仕事と家庭>
仕事の世界で経済的な役割やキャリアの選択が変われば、家庭でのパートナーとの関係も変わってきます。OECDの調査では、1980年、25~54歳の女性で職に就いているか、職を探している人の割合はOECD加盟国平均で54%でしたが、2010年にはこの割合が71%まで上昇しています
*働く女性の割合は、未だに国による違いは大きい。男女の労働参加率の格差は、日本、イタリア、韓国などでは20%前後に達するのに対し、格差の少ないノルウェー、スウェーデンなどの国は5%未満となっています。この格差が大きい国は、女性が100年ライフの設計する際の選択肢が乏しいことになります
*現状では家事と育児をほとんどを女性が担っている国が多いものの、将来男女が家庭に等しく関わる様になれば、伝統的な性別役割分担の在り方が変革を迫られることは確実になります。マルチステージの人生では、家事と育児を主に担う役割をステージごとに交替してもいいと著者たちは考えています
*問題は、労働参加率の格差こそ縮小しつつありますが、賃金の格差が残っていることにあります。その原因の一つは、高い地位についている女性の数が少ないことにあります。多くの大企業で中級管理職の約30%を女性が占めていますが、全体としてみれば15%程度に過ぎません。ILOの報告書によれば、男女の賃金格差がなくなるまで、少なくとも70年かかると言っています

現状で柔軟な働き方を実践しているのは、もっぱら女性です。幼い子供の世話や、高齢の親や親族の介護をしたりする必要上そのような選択をすることが多いと考えられます
*自由裁量で仕事を進めやすい職(「融通性」の高い職)は、テクノロジーとサイエンスの分野であり、この種の職では男女の賃金格差が小さい
*今後こうした状況は、柔軟な働き方に対する人々の考え方、バーチャルテクノロジーが進歩するペース、業務が標準化される程度、高い地位にある男性が子供と多くの時間を過ごすロールモデルになる、などの度合いにより影響を受けると思われますます

ジェーンの5.0シナリオでは、夫婦が両方ともフルタイムで働く時期だけでなく、片方がフルタイムの仕事を離れて、育児や、知識の習得、ステージの移行への準備を行っていました
*マルチステージの人生の下、男性たちが柔軟な働き方を選択し始めた時、何が起こるか?;【悲観論】柔軟な働き方をする人が、男女とも低所得に甘んじ、結果として男女の賃金格差が縮小する、【楽観論】柔軟な働き方が企業や個人に課すコストを減らすために、仕事の在り方自体が根本から変わる。つまり、企業が仕事と年齢とジェンダーについて大きく発想を転換し、キャリア全体としては男女の生涯所得の格差が縮小に向かう
*いずれにしても、夫婦が役割を交替しながら、複雑に入り組んだマルチステージの人生を送るためには、夫婦の間で徹底的なする合わせを行うことと、強い信頼関係と協力関係を築いていることが不可欠であると著者たちは考えています

*現在、65歳以上の人の内結婚している人の割合は歴史上最も高くなっています。その割合は16~65歳の層と肩を並べるまでになっています。この背景には、寿命が伸びていること、夫婦の年齢差が縮小していること、再婚する人が増えているという要因があります(再婚に対する社会的偏見も薄らいでいるという事情もある)
*現在は、結婚年齢が上がり、離婚の割合が減り、再婚の割合も減っています。これは、結婚生活の土台が「生産の補完性」から「消費の補完性」に変わったため、結婚相手を選ぶ基準が変わって結婚が長続きするようになったこと、及び、結婚年齢が上昇し、人々が自分についての知識を多くもって結婚するようになったためと著者は考えています

<多世代が一緒に暮らす時代へ>
これまでの3ステージの人生では、同世代の人たちが一斉行進をする様に人生のステージを進むため、年齢層ごとに人々が隔離されて生きる欧米型の社会が出現しました。しかし、マルチステージの人生では、エイジ(年齢)とステージが一致しなくなり、大人が若々しく生きるようになる結果、世代間の関係に大きな変化が生まれます
*インドの様なアジアの国を訪れると、欧米ではめっきり見なくなった家族の在り方に目を見張らされます。子供と祖父母が一緒に暮らしている家庭が多く、子供たちは祖父母と多くの時間を過ごし、勤労世帯は親の支えを頼もしく感じられ、高齢者は自らが役割をもって貢献できると実感できている
高齢での孤独は寿命を縮めます。高齢者が家族の中で生きることには、確かなメリットがありますが、一方、多世代の同居は、プライバシーを確保できないことや、世代間で衝突が起きるなどの弊害もあります。
*40~50年前は欧米でもアジアの様に多世代同居型の家族が当たり前でしたが、現在では小規模な家族が一般的になっています。例えばデンマークでは、家族の構成員の数は平均してわずか2.1人過ぎません
*家族が多世代で構成されるようになれば、異なる世代が理解を深め合う素晴らしい機会が生まれます。また世代を超えた人間関係が築かれれば、年齢に関する固定観念や偏見も弱まるはずです。恐らく重要なのは、互いに親しみを抱き、世代間の触れ合いを長期的、安定的に続けることが重要になります

人類の長い歴史を通じて、人生の最大のイベントは出産と子育てでした。この時代、長生きすることの進化上のメリットは無かったと考えられます。寿命が延びれば、人生の中で子育てに費やされない時間が長くなる。その結果、友達付き合いが生活の中心になる時代が新たに出現するかもしれません
*最近の学生は、主たる人間関係として友達を重んずる傾向が強く、昔であれば家族に求めた様な温かみのある関係を友達に求めたいと思っています。このように、年齢的に均質な人的ネットワークの中でメンバー同士が付き合えば、その集団のアイデンティティが強化されます。その結果、生き方についてみんなが同じ考え方をしてしますことになります。
*問題は、年齢による分断が高齢者差別につながることです。異なる年齢層の人と交わらなければ、「我々対彼ら」という発想にはまり込み、固定観念と偏見を抱きがちになることになります ← (萩本欽一が70代で駒沢大学に入学し、そこでの経験を”週刊文春”に寄稿していますが、若い学生たちとの交流で、見事に年齢の壁を越えているのに驚きます)
*マルチステージの人生が一般的になれば、異なる年齢層の人たちが同じ経験をする機会が生まれます。心理学者のゴードン・オルポートの古典的な研究が明らかにしたことは、「固定観念と偏見を打破する手立ての一つは、集団間の接触を増やすこと」である
*年齢層の異なる人たちが触れ合う機会が増えれば、人的ネットワークの均質性が崩れはじめます。こうして高齢者が「別世界」の住人という状況は変わり始めるに違いありません

-本書を読んだ感想、その他-

本書は、引用文献のページだけで15ページに達することでご理解して頂けると思いますが、ビジネス分野における論文に近いものと思われます。論文であるが故に、出所の確かな文献を引用しながら、論理的な完璧性を目指していることは確かで、ぐうの音が出ないほどに筋が通っています
しかし、人生の選択は極めて個人的な問題であり、本書が勧めているマルチステージの人生が、すべての人に当てはまることはあり得ません。本書の著者も強調している通り、マルチステージの人生を送るためには、本人自身の覚悟と厳しい決断、不断の努力が必要となります。
従って、働かずとも十分に豊かで、余生を快適に!過ごしている人や、豊かではないものの、思索にふける孤高の人生を求めている人達には、本書が提供する”人生100年時代の人生戦略”は、全く役に立たない理論だと思います

いつの時代にあっても、大きな変革期には、私共の様な”普通の人々”が荒波に揉まれ、取り戻せない過去を悔やむことになります。
戦後70年を経て、人工頭脳(AI)、ロボット、クラウドサービスなどの先端科学が急速な進歩を遂げつつあり、産業構造が大きく変わろうとしています(本書ではこれを「スキルの価値が瞬く間に変わる時代」と表現しています)。また、生命科学・医療の進歩に伴い、着実に寿命が延びてきています。時代の大きな変革期にあって、我々の世代の人生設計の継続では、少なくとも子供や孫たちには、輝かしい未来は待っていないということは確かであると思います

振り返ってわが身を見れば、私自身が、突然の企業年金の大幅減額に慌てふためいて!いる現実がある一方、我が子3人の内2人は既に、苦しみながらではありますが、本書の定義による、エクスプローラーのステージ、インディペンダント・プロデューサーのステージ、ポートフォリオ・ワーカーのステージを経験しつつあり、更に、本人たちが意識しているかどうかは別にして、同類婚結婚の時期を遅らせることを実践している様であります

ところで、本ブログでは、終章で扱っている「自己意識」、「教育機関の課題」、「起業の課題」、「政府の課題」などは、敢えて本ブログでは触れていません。何故なら、ここでの提言はほとんどすべてが、それ以前の章で述べられているからです。ご興味のある方は下記の方法で添付のレジュメをご覧ください。尚、最近、安倍政権で取り組んでいる”働き方改革(働き方改革・実行計画要旨)”が、この流れにある事は間違いないようです

本書は、目次を見た時から内容が豊富で、ざっと読んだだけでは頭の中で内容が整理できないと思い、講義を受ける時の様にレジュメを並行して作りながら読み進みました。最初は、大学での半年の講義分の10ページ程度を予想していましたが、最終的には70ページになってしまいました。読み終わってから、レジュメの内容をチェックしてみると各章、各テーマで既述内容の重複が多いことに気が付きます。これは恐らく、著者たちが行ったロンドン・ビジネススクールでの講義をベースにして執筆された為ではないかと想像しています。逆にいえば、必要な章のみ(あるいは興味のあるテーマのみ)を読んでも、ある程度内容が理解できるようになっています。従って、このブログの内容をもっと深く知りたいという方のために、私の拙いレジュメ(Life Shift_読書メモ)も添付しました。ワードで作成してありますので、ダウンロードした後、最初の目次から、ご覧になりたいトピックにマウスを移動させ、”コントロール・ボタン”(キーボードの通常最下段の両端にあります)を押しながらマウスの左ボタンを押せば、そのページにジャンプすることができます

以上