核融合炉についてちょっと勉強してみました

はじめに

地球温暖化の影響は近年益々深刻化し、昨年は世界的な規模で干ばつ・大規模森林火災、海水温の異常などが発生し、特に発展途上国の人々の生活に深刻な影響を与えているとの報道が相次ぎました
一方、昨年(2023年)末ドバイで開催されたCOP28では,はかばかしい進展はありませんでし。特に日本の取組状況に関しては、欧米先進国に比べて火力発電所の廃止ペースが劣後しているため、岸田首相演説に対し前回に続いて環境団体から「化石賞」を贈られる始末でした

日本を含む先進諸国は、再生エネルギーだけでは早いペースの脱炭素化は実現できないことから、再び原子力発電によるエネルギー供給を増やそうとしています。日本は、2011年の東日本大震災による原子力事故以降、当面は現存の原子力発電所の再稼働がメインの課題となりますが、欧米先進国は、新しいより安全な原子炉の開発に舵を切りつつあります;「ニュースケール・パワー」、「三菱重工・革新型軽水路の構造
また、新しいエネルギー源としてのクリーンな水素の製造手段としての「 高温ガス炉・実証炉の建設」についても日本のメーカーを含め開発が始まっています
<参考>
*2024年4月4日:「次世代原子炉で水素製造へ 安全試験成功、28年にも実証
*2022年7月20日:「高温水蒸気電解とは

しかし、これらはいずれも核分裂反応の原子炉であり、大量の核廃棄物の再生産を伴ってしまうことを考えると、2050年を視野に入れた脱炭素の歩みにとっては所詮リリーフの役割を期待されているに過ぎないとも言えます
やはり、脱炭素の本命は太陽のエネルギーの源である核融合反応を地上に於いて実現する「核融合炉」であることは論を待たないと思われます。日本は核融合炉の研究では世界の第一線で活躍しています。見出しの写真は、現在日本の核融合炉の研究で使われている巨大な実験設備です

残念ながら私は、大学時代航空学(ニュートン力学から発展した流体力学、熱力学までの知識で足りる!)が専門であったことから、核融合反応を理解する為に必須な量子力学一般相対性理論をきちんと学んではいません。こうした理論の結果だけを学ぶ手段として左の写真にある書籍「人類の未来を変える核融合エネルギー」を可能な限り丹念に読み込むと同時に、この本が2017年に初版を発行したのみになっていることもあり、その後の開発の進展、最新の技術情報や画像などはネット生成AIから入手することとし本ブログを纏めることとしました
尚、この本は8つの Chapter、83のSection の構成になっており、これらを左の写真にある7人の一流原子物理学者が分担して担当している為、相応の重複があります。一方、このブログの目的が「素人でも分かる核融合炉の理論、開発状況」であることに鑑み、勝手に構成を変えておりますので、核融合炉についてもっと深く知りたい方はこの本を購入してお読みになることをお勧めします

基礎知識

1.数字の読み方(理系の方は読み飛ばしてください!)
まず核融合反応についての説明を読むと、数字の桁数が異常に大きいか、異常に小さいことが多く、通常我々が扱う数字の範囲を超えており、これにたじろぐ人が多いのではないかと感じました。しかし私の経験から、これについては慣れが必要ではありますが、以下の3点を抑えておけば慣れるのはそれ程困難ではないと思われます;
数字の読み方については、日本語の場合「一、十、百、千、万、10万、百万、千万、、、」と大きな数字の読み方は「万」の単位以降は4桁単位で変わっていくのに対し、英語では「One,Ten,Hundred,Thousand,Million,Ten million,,,」と「Thousand」の単位以降3桁ずつ読み方が変わっています。また、アラビア数字で表記する場合、3桁ずつにコンマが入り、英語の場合はコンマの数で簡単に数字の読みが判断できます。桁数が増加した時に日本人には数字を読むのに苦労しますが、これは英語の読み方を覚え、慣れることで解決することがお勧めです(外国人と英語で数値のやり取りをする際にも役立ちます)
桁数は非常に重要です。通常、10n(分数の場合nはマイナス)と表記しますが、このnの数字は桁数を表します。例えば3桁といえば 103 =1,000(  10-3  1/1,000)になります。また、大きな桁数同士の掛け算(割り算)桁数は二つの桁同士の足し算(引き算)になるという便利な表記の仕方です
*例えば、103x105 =108 ;103÷105 =10-2
③ 科学で扱う数字については、桁数が異常に大きかったり、異常に小さかったりした場合、もう一つ大切なものは「有効数字」という概念です。通常、科学で数字を扱う場合、大きい意味を持つのは上3桁程度あれば十分です(例えば円周率の3.14159,,,,,のうち、普通に使われるのは上3桁の3.14)。この表記を使えば、どんな大きな数字でも、小さな数字でも「有効数字」x10nで表現できます

2.エネルギー・力の正体(高校物理が嫌い?な方は読み飛ばしてください!)
*以下の式の定数などは有効数字3ケタで表示しています
物体の熱エネルギーは、構成している原子や分子の運動によるエネルギー(=運動エネルギー)です。エネルギーの単位には、ジュール、カロリー などがありますエネルギーと温度のと関係は以下の式で定義されています;

ボルツマン(1844年~1906年/オーストリア)

E = k x T
E: 物質の熱エネルギー
k: ボルツマン定数:1.38 × 10-23
T:絶対温度 (単位:ケルビン)で表示された温度。摂氏で表示されるとの関係は、摂氏温度が「t℃」とすると;
T = t + 273.15

プランク(1858年~1947年/ドイツ)

ガンマ線、X線、紫外線、可視光線、電波、などは電磁波と総称されますが、以下に示す様にエネルギーを持っており、電磁波のエネルギーと周波数との関係は以下の式で定義されます;
E = h x 入
E:電磁波のエネルギー
プランクの定:6.63 ×10-34
入:周波数(古代ギリシャ語で「ニュー」と発音されます)
<参考>後段の核融合炉の具体的説明の中で、プラズマの加熱を「強力な高周波」で行っていることが出てきます

湯川秀樹(1907年~1981年)

③ 核力
陽子
中性子などの核種同士を繋ぎ留める力で,力が及ぶ距離は、1fm1×10-15メートル)程度の極く近接した距離のみで働く力ですが、クーロン力(下記)に比べ非常に強い力です。日本で初めてノーベル賞を受賞した湯川秀樹
博士により、この力は中間子によって媒介されていることが証明されています
fm(フェムトメートル)は、原子核の大きさや素粒子の波長を測る際に用いられる非常に小さな単位です。例えば、陽子の半径は約1fm、電子の波長は約0.003fmです

④ 電気力(クーロン力)・ 磁気力

クーロン(1736年~1806年/フランス)

クーロン力とは、真空中の2つの電荷間の電場の中で発生する引力または斥力(反発する力)です。電荷の符号が異なれば引力、同じであれば斥力が働きます。クーロン力は以下の式で表されます;
F = k x q1x q2 ÷
F:クーロン力
k:真空の誘電率
q1、 q2:電荷の大きさ
r:2つの電荷間の距離

エルステッド(1777年~1851年/デンマーク)

磁気力とは、磁石が互いに引き合ったり反発し合ったりする力です。磁石の周りに存在する磁場によって引き起こされます。磁気の符号(S極/N極)が異なれば引力、同じであれば斥力が働きます。磁気力は以下の式で表されます;
F = μ₀ x (m₁ x m₂) ÷ (4π x r²)
F :磁気力
μ₀ :真空の透磁率
m₁ , m₂:磁荷の大きさ
r :磁荷間の距離

後段に出てくるプラズマの挙動で重要な意味を持つローレンツ力は、こうした電場、磁場に関する理論が基になっています
尚、上記のクーロン力磁気力の二つの式で重要なことは、いずれもその力が距離(r)の2乗に反比例していることです。例えば、核融合反応では水素の原子核(陽子/プラスの電荷)同士が結合しようとすると、近づけば近づくほど強い反発力が生まれ、結合しにくい訳ですが、ある距離まで近づけることができれば核力が働いで結合することができることになります

3.核反応を扱う場合に必要な元素の周期表の知識
分子、原子、電子、放射線、元素原子量原子番号、を理解するには元素の周期表などの知識が必須です。これらについては高校時代の物理で学んだことがある人が多いと思いますが、分からない場合は過去の私のブログ「原子力の安全_放射能の恐怖?(マウスでクリックすると現在の画面とは独立して参照することができます)をご覧になってください
以下の説明で、核反応の説明を行うときに屡々参照することが必要となると思われる元素の周期表については、度々私の過去のブログをご覧になるのも大変だと思いますので、以下に表示しておきます;

核融合反応とは

1.核分裂反応と核融合反応
核分裂反応は原子爆弾や現在の原子炉でそのエネルギーを生み出す源泉になっている反応です。元素の周期表にある原子量の大きい「ウラニウム235(原子番号92)」や「プルトニウム239(原子番号94)」が右の図の様に分裂することによって膨大なエネルギーが発生します。発生するエネルギーの量は、元の元素の質量をAとし、分裂後の原子の質量の総和をBとし、その差をΔm(=A-B;質量欠損といいます)とすれば、アインシュタインの「特殊相対性理論」から一回の分裂で発生するエネルギー(E)は以下の様になります;

E = ΔmxC2
Cは光の速度;30万km/秒 ⇒ 3.0 x  108m/秒
⇒ ⇒⇒ E = Δmx9.0 x  1016

これに対して、核融合反応は、周期表にある水素など原子量の小さい元素が集まってヘリウムなどの原子量のより大きな元素に変わることによって核分裂反応と同様に質量欠損が発生し膨大なエネルギーが発生します

質量欠損により発生するエネルギーの大きさは、核分裂の場合と同じ式で定義されます

2.核融合炉が核分裂炉に比べて優れているポイント
① 核融合反応はエネルギーの発生量が桁違いに大きい;
googleの最新の生成AI(GEMINI)の回答
核融合炉: 1グラムの燃料から約600万kWhのエネルギーを発生させることができます⇒これは、石炭約6,000トン、石油約4,200バレルに相当するエネルギー量です。
核分裂炉: 1グラムの燃料から約20万kWhのエネルギーを発生させることができます⇒これは、石炭約200トン、石油約140バレルに相当するエネルギー量です

② 核融合炉は、放射性廃棄物の種類、量、半減期、放射能レベル、処理方法、不測な事故、などにおいて圧倒的に有利です;
googleの最新の生成AI(GEMINI)の回答
核融合炉:
廃棄物の種類>中性子と放射線が主な放射性廃棄物です。これらの放射性廃棄物は、時間の経過とともに比較的短時間で減衰します
参考:中性子による放射化に関し詳しく知りたい方は以下の資料(ネット情報)をご覧ください:「中性子による放射化について
<放射性廃棄物の量>発生する放射性廃棄物の量が大幅に少ない
<放射性廃棄物の半減期>数分から数年程度の比較的短い半減期
を持つ放射性廃棄物が主です
<放射能レベル>核分裂反応に比べて、放射能レベルはかなり低くなります
<処理方法>
比較的短かい半減期の放射性廃棄物が多いので、貯蔵と自然減衰による処理が可能です
<事故などによる不測の事態に発展する可能性>
核融合は常温では起こらず、1億度以上という高温が必要であり、不測の事故(例えば電源の喪失など)が発生しても温度が下がれば自然に反応が停止するので安全性が高いと考えられます。また炉内の物質で放射性の物質は3重水素(トリチウム)のみで、他の物質(ヘリウム、重水素)は放射性物質ではありません

核分裂炉:
廃棄物の種類核分裂生成物とアクチノイド元素が主な放射性廃棄物です。これらの放射性廃棄物は、非常に長い半減期を持ち、何万年もの間危険な放射能を放出し続けます
考:アクチニド元素とは(元素の周期表参照)
元素の周期表の原子番号89のアクチニウムから原子番号103のローレンシウムまでの15元素群のことをアクチノイドといい、全て放射性元素です。原子番号90のトリウム、91のプロトアクチニウム、92のウランは、天然に存在するアクチノイドです。原子番号93のネプツニウム以降は人工元素であり、原子炉内などで生成されます

<放射性廃棄物の量>1gの燃料から、数万ベクレルから数億ベクレルの放射性廃棄物が発生します(ベクレルという単位の意味が分からない方は「原子力の安全_放射能の恐怖?」をご覧ください)
<放射性廃棄物の半減期>数千年から数十万年も続く非常に長い半減期を持つ放射性廃棄物が主です
<放射能レベル>非常に高い放射能レベルを持つ放射性廃棄物が発生
します
<処理方法>長半減期の放射性廃棄物が多いため、安全な処分方法の確立が重要な課題となっています
<事故などによる不測の事態に発展する可能性>
核分裂反応は常温でも起こります。核分裂反応では二つの破片と、平均して2.4個の中性子が発生し、その中性子が次の核分裂を誘発し連鎖反応が続きます。この連鎖がたった20回続いただけで、反応数は4千万倍(2.4の20乗)に上ります
原子力発電では分裂1回から出る中性子の内1個だけが次の核分裂を起こすようにうまく制御しています。しかし、不測の事故で内部構造が破壊されたような場合、爆発的ではないにしろ、勝手に核反応が進んで止められなくなる可能性があります福島事故はまさにこのケースです。核の分裂で出来る2つの破片として色々な物質が出来るので、ある一定の割合で非常に強い放射能をもつ物質が出来ることは避けられません

③ 燃料調達コスト・資源量
核融合炉:
現在計画されている核融合炉の燃料は「重水素」と「リチウム」です。重水素は海水中に約50兆トン存在します。3重水素は、核融合反応で出てくる中性子を使って、リチウムを原料にして核融合プラントの内部で生産します
海水から重水素を分離するには、硫化水素を使った技術(GS法)が使われます。この方法では、重水素と水素の重さの差で化学反応にわずかの差が自然に出ることを利用するので、重水の分離に必要なエネルギーも微小です。GS法による重水素製造は既に工業化されており、いずれ大量生産も可能になると思われます。こうして得られた重水を電気分解して重水素を作ります(因みに、この電気分解に必要なエネルギーは核融合で得られるエネルギーの100万分の1以下です!)
リチウムの回収技術についても既に幾つかの技術が開発済みです。例えば工業技術院・四国工業研究所が開発した「イオンふるい法」があります。これはリチウムだけを吸着する高分子を海水に漬けておくだけです。ただ現在、コスト的にはリチウム鉱山や塩湖から回収したリチウムの方が安価です

核分裂炉:
ウランは地球上で比較的豊富な元素であり、その資源量は約450万トンと推定されていますが、経済的に採掘可能なウラン資源量は約300万トンと見積もられています
核分裂炉の燃料コストは、ウラン資源量だけでなく、採掘コスト精製コスト、ウラン235への濃縮コスト原子炉燃料への加工コスト、及び使用済み燃料の処理コストなどが含まれます。勿論、これらのコストは、ウランの価格、採掘方法、精製技術、濃縮技術、燃料サイクルの種類などによって大きく異なります
現在、ウランの価格は比較的低水準で推移しており、核分裂炉の燃料コストは発電コスト全体の中で大きな割合を占めていません。しかし、将来的にウラン資源の枯渇や採掘コストの増加、環境規制の強化などが進むと、燃料コストが上昇する可能性があります

プラズマと核融合

核融合反応は太陽エネルギーの源であることは多くの人がご存じのことと思います。確かに太陽のエネルギーの源は太陽の中心付近で実際の起こっている水素原子が4つ融合してヘリウムに変わる時のエネルギーですが、この反応は現在の技術では地上で再現できません
太陽で核融合が可能なのは、その中心部で巨大であるが故に内部の密度は非常に高く、中心付近では固体水素の約1,800倍(因みに地球上の固体水素の密度は約0.086 g/㎤)になっていて、この極めて高い密度と1,600万度以上の高温により、水素の原子核(陽子)4ヶが融合(p-p Chain/連鎖)してヘリウムとなる反応が可能になっています(右図参照)
一方、地上では水素をこんな高密度にすることは不可能である為、重水素と三重水素を1億度以上の高温のプラズマにして電磁的に閉じ込めることにより核融合を実現することができるとされています(⇒実際に核融合反応が起こることが実験的にも確かめられています)
1.プラズマとは
地上にある物質は、通常温度が上がるにつれて「固体」⇒「液体」⇒「気体」と変化します(上図は水の相変化)。気体を更に温度を上げて(超高温!)いくと原子が活発!に動き回り(⇔温度が非常に高い事と同義)互いに衝突を繰り返す事になり、左図の様に「電子」が「原子」の束縛から離れ、自由に動き回れる現象(電離現象)が起きます。この状態を「プラズマ」といいます。プラズマはプラスの電荷をもつイオン粒子とマイナスの電荷をもつ電子の集合で全体としては中性です。しかしプラズマの部分を見ると性質が正反対の正の粒子(イオン)と負の粒子(電子)の集まりです。プラズマの電離度は温度が高い程、密度は低い程高くなります。プラズマは以下の様に自然現象でも発生し、我々が自身の目で見ることもできます;

① 蛍光灯の内部でもプラズマが発生しています
蛍光灯の内部では、電極からの放電によって中にある水銀ガスから紫外線が発生して管内壁に塗布された蛍光物質で発光しますが管内では放電により1万度の熱で約10億個の弱電離プラズマが発生しています。電離度は約1%、密度は大気(2.7x1019/1㎤)の1億分の1程度(約1011/1㎤)でかなり希薄です

② 雷でも強力なプラズマの姿を見ることができます
雷現象は雷雲と地上を電極とする地球規模で起こる放電現象です。雷雲と地上との間には数億ボルトの電圧がかかり、流れる電流は数万アンペアに達し、雷路と呼ばれる電気の通り道に高温のプラズマが生成されますこれによる大きな電場(注)で大気中に存在する電子が急激に加速され、空気の分子に衝突して雪崩的にプラズマが発生するとともに、そこに流れる電流によってプラズマは瞬時に加熱されて数万度の高温になり、それが膨張するときにまわりの空気を圧縮して衝撃波を発生させます。これがけたたましい雷鳴の原因です。尚、密度は空気の10倍以上になります
(注)通常理学系の分野では「電場(でんば/electric field)」と呼びますが、工学系の分野では「電界」と呼んでいます

③ オーロラは太陽からのプラズマで作られます
地球は南極をN極、北極をS極とする磁力線で囲まれた構造をしています。この地球磁場(注)はやはり磁場を伴ったプラズマである太陽風に吹き付けられる結果、左の写真の様に地球の昼側である前面ではプラズマの圧力で押し付けられ、夜側である後面では長く引き伸ばされます。プラズマは磁力線を横切って運動しにくい性質(後述します)があることから、地球磁場と太陽風の磁場の繋ぎ変え現象がはるか上空で起き、プラズマの一部は磁力線が地球内部に入り込んでいく北極と南極の上空に流れていきます。オーロラは、この地球磁場に導かれた太陽風が南極や北極の上空の空気と衝突した時に起こるプラズマの発光現象の一つです。上下方向にはカーテンの様に波打った構造で下方にはくっきりとした「縁」が見られます
(注)理学系では「磁場(じば/Magnetic field)」と呼びますが、工学系の分野では「磁界」と呼んでいます

④ 太陽を観察すると、様々なプラズマの現象が見られます
太陽の中心付近で発生した核融合エネルギーは10万年以上かけて太陽表面に到達し宇宙空間に放たれますが、そのエネルギーによって太陽の表面から上空にかけて様々なプラズマ現象が起きます
良く知られているのは数時間から数か月にかけて現れては消える黒点活動です。見た目に黒く見えるのは黒点の温度が約4,500℃で、回りの太陽表面の温度6,000℃より低いからです。黒点はX線で見ると左の写真の様に活動の激しい領域であることが分かります

黒点が集合している場所などで、内部に閉じ込められていたエネルギーが一挙に放出される「太陽フレア」と呼ばれる突発的な爆発現象がしばしば起こり、円弧を描くアーチ状のものや先の尖ったもの(カスプ状)など、様々な形をした高温プラズマが高度1万km~10万kmのコロナ領域に放出されます

2.電場と磁場におけるプラズマの挙動
プラズマを構成する電子とイオン(荷電粒子)は電荷をもっていることから、外部から加えられた電場や磁場などによる電磁気的な力に従って運動します
上図の右側の磁場の中に置かれた荷電粒子には「ローレンツ力」という電磁気力が作用するため磁力線のまわりを回転するようになり、磁力線に沿った方向には運動

ローレンツ (1853年~1928年/オランダ)

できるものの、それを横切る方向には運動がしにくくなる(磁場に捕捉される)性質があります。ローレンツ力と言っても馴染みのない方もいると思いますが、高校時代に物理を選択した方であれば、電動機の理論を学んだ時に覚えたはずの「フレミングの左手の法則」を思い出していただければ分かり易いと思います

磁場はプラズマの自由な運動を回転運動に変えることで動きを制限します。つまり、ここの乱雑な動きをする粒子に「方向」や「回転」という新たな秩序を与えることができることになります。この性質をうまく利用することによりプラズマ全体に秩序を与えることができます。プラズマを閉じ込める装置(後述)はこのプラズマの性質を考えて考案されたものです

また、プラズマには常に状態を中性に保とうとする「復元力」が発生します。プラズマの中にイオンや電子の密度に差(揺らぎ)ができると、イオンが多いところは「正/プラス」に、電子の多いところは「負/マイナス」に帯電する為、「正」の領域から「負」の領域に向かって電場が発生します。この電場は、イオンの多いところには電子を、電子の多いところにはイオンを引き寄せることから、もともと発生した電荷の揺らぎを無くすようにプラズマに運動を引き起こします
この復元力は、プラズマに様々な現象をもたらします。「重りのついたバネが伸びて、また戻るときに反対方向に縮み、その伸縮が振動を引き起こす」ように、電場がバネの様な役割をしてプラズマ中に発生した粗密が振動し、それが波として伝わることによるものです

プラズマがこの様に自身で運動を引き起こすという事は、プラズマが必ずしも人間の思い通りに振る舞ってくれない(外部から与えた磁場や電場に従ってくれない)可能性があることを意味しています

ラザフォー(1871年~1937年/ニュージーランド)

3.地上で核融合反応を起こすレーザー
核融合反応そのものは、1930年代のアーネスト・ラザフォードにより重水素をターゲットに粒子加速器を使って重水素を入射し実証していますが、発生した核融合エネルギーは、この為に要したエネルギーよりかなり少なく、入射を止めてしまうと核融合反応も止まってしまいます。核融合炉としてエネルギーを取り出すには「熱核融合(高温核融合)」であることが必要です。温度が十分に高く、かつ閉じ込められたプラズマによる核融合反応を目指す必要があります

① 地上の核融合は「DT反応」を利用する
太陽で起きている核融合反応は水素原子だけの(p-p Chain)であると書きましたが、このタイプの核融合反応は現在の技術では地上で実現できません。地上で実現可能と考えられている反応は、重水素(Deuterium)と三重水素(Tritium/トリチウム)による核融合反応(以降「DT反応」と表記します)です
その次に起こりやすい核融合反応は重水素同士による反応(以降「DD反応」と表記します)です。この反応は放射性物質である三重水素(Tritium)を燃料として使わないこと、及び発生する中性子のエネルギーが小さいことなどのメリットがありますが「DT反応」よりも厳しい条件を満たさないと成立しません

② 地上での核融合炉の成立条件
<以下はGoogleの最新の生成AIであるGEMINIの回答を使用しています>
核融合反応を起こすためには、以下の3つの条件を満たす必要があります;
十分な温度: 核融合反応を起こすためには、原子核同士が衝突する際に、クーロン斥力(基礎知識_2の④参照)を克服するだけのエネルギーが必要です。そのため、燃料となるプラズマは1億度以上の高温に熱する必要があります
十分な密度: 燃料となるプラズマ中の原子核が十分な頻度で衝突するためには、プラズマ密度が十分に高い必要があります。具体的には、10141015/cm3程度の密度が必要とされています。
十分な閉じ込め時間: 燃料となるプラズマが閉じ込められて、核融合反応が起きるまでの十分な時間が必要です。具体的には、数秒程度の閉じ込め時間が必要とされています。
これらの条件を満たすためには、強力な磁場によってプラズマを閉じ込める必要(後述)があります。また、プラズマを加熱するための方法も必要(後述)です

これらの条件を満たした状態を点火条件
といいます。点火条件を達成すれば、核融合反応が起こり、大きなエネルギーを発生させることができます。

自己点火条件;
さらに、外部からの加熱なしで核融合反応が自己持続的に起こる条件を自己点火条件といいます。自己点火条件を達成するためには、上記の3つの条件に加えて、プラズマのエネルギー損失を抑制する必要があります

4.プラズマ閉じ込めの二方式
磁場の中でのプラズマの挙動については、前項(プラズマと核融合)の「2.電場と磁場におけるプラズマの挙動」を参照してください
プラズマを閉じ込めるには、右図の様な「磁力線で編んだ籠(かご)」を作る必要があります
<以下はGoogleの最新の生成AIであるGEMINI、及びMicrosoftのCopilot(GTP-4)の回答を使用しています>
① トカマク方式
トカマクとは、ロシア語の「電流・容器・磁場」の頭文字に由来します
トカマク方式の磁場は、主に以下の3種類の磁場から成っています;
トロイダル磁場
ドーナツ状に配置された「トロイダル磁場コイル」によって生成されます。この磁場は、プラズマをドーナツ状に閉じ込める役割を果たします。
ポロイダル磁場
中心軸に沿って配置された「センターソレノイドコイル」によって生成されます。この磁場は、プラズマの回転を促進し、プラズマ内の熱を閉じ込める役割を果たします。
垂直磁場
プラズマの形状を制御し、安定させるために、トロイダル磁場とポロイダル磁場の方向に垂直な方向に生成されます。一般的には、外部に配置された「垂直磁場コイル」によって生成されます

これらの磁場の組み合わせによって、プラズマはドーナツ状の空間内に閉じ込められ、高温状態を維持することができます

② ヘリカル方式
ヘリカル(Herical/らせん状)方式の磁場は、主に以下の2種類の磁場で構成されています;
ヘリカル磁場
らせん状に配置された「ヘリカルコイル」によって生成されます(この磁場によってプラズマを閉じ込める)
垂直磁場
外部に配置された「垂直磁場コイル(注)」によって、ヘリカル磁場の方向に垂直な方向に磁場を生成します

(注)上図にあるRMP(Resistive Magnetohydrodynamic Perturbation)コイルとは「垂直磁場コイル」のことです
また、上図にあるLHD(Large Helical Device)とは、日
本の自然科学研究機構核融合科学研究所のプロジェクトによって製作された大型のヘリカル型プラズマ装置54分の長時間のプラズマ持続や、核融合に必要な条件の10倍となる高密度プラズマを成功させました。プラズマの温度は、2017年3月から始まった重水素を用いた実験で、核融合に必要な条件である1億2,000万度を達成しています(本ブログの見出しの写真の右側の装置)

<参考>
日本におけるヘリカル型核融合研究の現況については詳しく知りたい方は以下をご覧ください;
2018年8月30日_科学技術・学術審議会 学術分科会・研究環境基盤部会 学術研究の大型プロジェクトに関する作業部会_「超高性能プラズマの定常運転の実証」

核融合炉開発の現況

<以下は、外務省、経済産業省、科学技術庁のサイトから抜粋したものです>
ITER(日本では「イーター」と呼んでいます)は,当初,国際熱核融合実験炉(International Thermonuclear Experimental Reactor)の英語の頭文字をとった略語でしたが,その後、ITER事業のためにフランス南部の「Saint-Paul-lez-Durance」に建設されている国際熱核融合実験炉を意味する固有名詞として扱われることとなりました
ITERは、国際協力によって核融合エネルギーの実現性を研究するための実験施設です。この核融合実験炉は、核融合炉を構成する機器を統合した装置であり、ブランケット(原料のリチウムから3重水素を作るやダイバータ(後述)など核融合炉にとって極めて重要な機器の総合試験装置でもあります。計画が順調に進めば、この先「原型炉」、「実証炉」、または「商業炉(下のイメージ図参照)」へと続くことが期待されています
1.ITERの歴史と今後の開発計画
1985年11月 、米ソ首脳会談(レーガン・ゴルバチョフ)の共同声明が発端
1988年~2001年7月 、概念設計活動及び工学設計活動を実施(米国は1999年に計画から脱退
2001年11月 、政府間協議開始
2001年7月、建設に必要な技術的準備が完了
2003年2月、 米・中国が政府間協議に参加
2003年6月、 韓国が政府間協議に参加
2003年12月 、カナダが交渉から脱退
2005年6月、 第2回6極閣僚級会合(@モスクワ)において,フランスにITERが建設されることに決定
2005年12月 、インドが政府間協議に参加
2006年11月、 ITER機構設立協定締結,イーター特権免除協定署名。第1回暫定イーター理事会開催(@パリ)
2007年7月、 第2回暫定イーター理事会開催(@東京
2007年10月24日、 イーター協定発効
2007年11月、 第1回イーター理事会開催(@仏)、池田要氏が機構長に就任
2010年7月 、臨時イーター理事会開催(@仏),スケジュール等について記したベースライン文書を承認本島修氏が機構長に就任
2015年3月、 臨時イーター理事会開催(@仏),ベルナール・ビゴ氏が機構長に就任
2016年11月 、第19回イーター理事会開催(@仏),スケジュール等について記したベースライン文書を暫定承認

量子科学技術研究開発機構は、ITER協定に基づく活動を行う我が国の国内機関に指定されており、我が国が分担するITER機器や設備の調達活動を進めるとともに、ITER機構への人材提供の窓口としての役割を果たします

2021年5月、日本が製作を担当する超伝導磁石コイルは、三菱重工によって予備1基を除く計4基が完成し、南フランスのITERサイトに向けて順次積み出し
2023年12月、ITERの心臓部であるトカマク建屋内の真空容器底部が設置完了

今後の見通し
*2024年中に、超伝導磁石コイルの組立が完了予定
欧州が製作を担当する真空容器は、2023年12月に底部が設置され、2024年中に上部が設置予定
米国が製作を担当する中性粒子ビーム入射装置は、2024年中にITER建設サイトに搬送予定
韓国が製作を担当する遠赤外線診断装置は、2024年中にITER建設サイトに搬送予定
中国が製作を担当する電子サイクロトロン加熱装置は、2025年中にITER建設サイトに搬送予定
インドが製作を担当する遠隔操作システムは、2025年中にITER建設サイトに搬送予定
*2025年のファーストプラズマ
*2028年:核融合実験開始
*2035年:本格運転開始
今後の課題
新型コロナウイルス感染症の影響により、建設作業に遅延が発生している
ウクライナ情勢の影響により、ロシアからの資材調達に支障が出ている

2.日本の役割
日本はEUとの協力のもとに、核融合エネルギーの早期実現を目指して、ITER計画の効率的・効果的な研究開発を支援・補完するとともに、将来の核融合原型炉実現のために必要な炉工学研究やプラズマ物理研究などの先進的核融合研究開発を行う活動(ITER BA活動/Broader Approach)を青森県や茨城県で行っています
青森県では、BA活動の推進を図り、将来の原型炉の県内誘致を目指して、六ヶ所村において核融合エネルギーの研究に従事する外国人研究者等の子弟やその家族を対象に、国際的に通用する教育サービスの提供や生活上の支援、地域住民との国際交流の推進に取り組んでいます

JT60SA計画について
この計画は、核融合エネルギーの早期実現のために、ITER計画と並行して日本と欧州が共同で実施するプロジェクトです。その目的は;
① ITERの技術目標達成のための支援研究
ITERと同じ形で高い性能を持つプラズマ運転を行い、その成果をITERへ反映させます
② 原型炉に向けたITERの補完研究
高出力の核融合炉を実現するため、高い圧力のプラズマを長時間(100秒程度)維持する運転方法の確立を目指します
③ 人材育成
ITER計画をはじめとする核融合研究開発を主導できる研究者・技術者の育成を行います

全体の機能は以下の図をご覧ください;

上図に関する補足説明;
日本が担当する機器(日の丸部分)はいずれも技術的に難しく、ITER開発の成否関わる最重要な機器になります。以下に日本が開発を担当している特に重要な機器についての補足説明;
ダイバータ(Diverter)>
融合炉を構成する機器のひとつで、粒子排気、熱除去、プラズマ閉じ込め改善の3つの機能を担います
環状型のプラズマ閉じ込め装置では、コアのプラズマから壁へ拡散しようとする熱流束や粒子束による、装置内壁の損傷が問題となります。この問題解決のために、コアプラズマからの熱流束・粒子束を磁場配位によりダイバータ領域(右図参照)へ集中させます。この磁場配位では、コアプラズマからの熱流束・粒子束はダイバータプレートへ向かいます。ダイバータ磁場配位の利点は、プラズマ粒子をダイバータ部に集中させることにより効率の良い排熱・排不純物粒子ができる点、ダイバータプレート以外の装置内壁の損傷を低減できる点、などがあげられます。ダイバータ磁場配位の問題点はダイバータプレートへの高熱負荷・粒子負荷です。このため、ダイバータ領域での放射冷却や非接触プラズマの形成が課題となっています
中性粒子ビーム入射加熱装置
ITERでは、約 1,000万度のプラズマに、約 1,000倍位の高いエネルギーの粒子を約5x108
を数百秒間注いで1億度のプラズマを作ろうとしています。素粒子の研究に使われている粒子加速器はもっと高いエネルギーを出せますが、核融合では大量の高エネルギーのイオンを長時間作ることが必要なので、それなりの難しさがあります。また、核融合炉では磁場の籠を通り抜けるためにイオンを中性の水素に変える必要があります。イオンを加速する為に必要であった電荷を「中性化セル」(上図参照)と呼ばれる箱の中で水素ガスから電子を1ヶ受け取って高エネルギーの中性水素原子ビームに変えてプラズマに投入されます
高周波加熱装置>
ITERでは高周波のエネルギーをプラズマまで効率よく伝送するために、真空にした直径10cm以下の細い真空の管の中を通しています。高周波を発生するジャイロトロンとこの管の間には、菅内の真空を保つ為にダイヤモンドの仕切り板(直径10㎝、厚さ1mm)が入っています。この仕切り版は強力な高周波による熱負荷がかかるため強力な冷却を行うため熱伝導性の高いことが必要であると同時に、高周波を効率良く通す必要もあるためダイヤモンド(人工)が使われています
詳しくは、量子科学技術開発機構のプラズマ研究開発のサイトをご覧ください

尚、JT60SAとITERやその他の国の実験炉との性能の違いについては下の図表をご覧ください。右図表中の IP=「数字」MA という表示は、核融合炉の性能に直結するプラズマ中を流れる電流」を意味します。単位MAはメガ・アンペア(⇔100万アンペア;とんでもない大電流ですね!)を意味します

<参考>
トカマク型、ヘリカル型核融合装置以外にも、近年開発が進んでいる強力なレーザーを使った核融合炉の研究も米国、欧州、日本において進められております;
米国:国立点火施設(NIF)で点火実験を実施し、2022年には核融合エネルギー1.35メガジュールを達成しました。
欧州:HiPERプロジェクトで、2030年代の実用化を目指した研究開発を進めています。
日本:大阪大学レーザー核融合研究センターで高速点火法の研究開発を進めており、2023年には世界最高となる燃料密度120g/㎤を実現しました。

Follow_Up:2024年3月7日「伊藤忠・ソフトバンク、核融合発電の米新興に出資_2030年にも商用化
Follow_Up:2024年3月15日「核融合発電「30年代に実証」 レーザー型の開発で先行_米ローレンス・リバモア国立研究所 ジョン・エドワーズ研究顧問

おわりに

私にとって専門外の分野であることから、理解するのに時間が掛ると同時に、どうしても理解できない部分も多々ありました(⇒理論的な結論のみを拝借!)
一方、核融合炉の開発は、300年に亙る天才物理学者による研究の積み重ねによって、遂に無限の太陽エネルギー源に迫るというロマン溢れる挑戦であることが理解できました

現存の核分裂反応による原子力発電は、第二次大戦の主な戦勝国が原子爆弾の技術を使って実現し、世界に普及させたことは良く知られています。しかしこのタイプの原子炉は、チェルノブイリの原子力事故福島原子力事故を起こし事故発生に対するリスクをゼロにはできない事が分かったことと共に、未だに廃棄物の処理に関する技術が十分に確立されたとは言えません。もはや現存の原子炉は決して「夢のエネルギー」とは言えないことが分かってしまいました
また、地球温暖化の危機は刻々と迫っているにも拘らず、長期的な目標に漸近する気配が見えません。最大の化石燃料の消費国が本気になってこの危機に挑むことは、彼らの現在の人口経済力発展途上にあること、などから望み得ないことは明らかであると思われます

しかし、今回勉強した結果、核融合炉は決して夢ではないという事が理解できたと同時に、2050年の脱炭素目標と連携させる事ができるのではないか、という希望が湧いてきました。更に、この核融合炉の開発では、何と日本が主役の一人であることも分かりました。これから希望をもって日本の開発組織、開発担当者を応援したいと思います
日本の経済界も、昨年から核融合炉の開発に本気になって取り組む気配を見せています「核融合発電、IHIなど約50社が新組織」、「核融合産業の企業体、三菱重工など19社が中心

Follow_UP:2024年3月15日_「米・レーザー型の開発で先行_核融合発電「2030年代に実証」」」
Follow_UP:2024年4月23日_「政府・核融合で複数方式を支援へ_5年で200億円

今後、新しいニュースが入ったらFollow_Upを続けたいと思います

以上