羽田空港 C滑走路上の衝突事故・原因と対策

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はじめに

2024年1月2日夕刻、羽田空港C滑走路で着陸機であるJAL516便(札幌⇒羽田)エアバスA350-941型機と、C滑走路上で離陸滑走を開始すべく停止していた海上保安庁のボンバルディアDHC-8-315機(能登半島大地震の救援物資を搭載していた)が滑走路上で衝突しました。衝突時、JAL機には機長のほか乗員11名及び乗客367名の計379名が搭乗していました。また、海上保安庁機には、機長以下6名が搭乗していましたこの事故で海上保安庁機では機長1名が奇跡的に助かりましたが、他の5名は亡くなりました。JAL機は衝突後滑走路を走り、最終的に滑走路を外れて擱座して見出しの写真の様にほぼ機体全体が炎上しましたが、奇跡的に乗員・乗客全員が脱出に成功し救助されました(1名重症/肋骨骨折、4名軽傷)

当初から注目されていた大きな事故なので、最終的な「航空事故報告書」が発行されてから当ブログを寄稿しようと思っていたのですが、事故原因自体はかなり早くから報道されていたものの、最終的な報告が出てこないので、現在分かっている情報を纏めてみることにしました。国土交通省のサイトを探すと、この事故関連の最新の報告書は2025年3月27日発行の「事故調査経過報告_修正版の訂正版」でした。この経過報告は158ページに亙る大部なものなので、このブログではその内容を出来る限り簡明で分かり易い説明を試みてみました、以下はその内容です。尚、このブログで使われている画像のは多くはこの経過報告書から借用しています

* Follow_UP(2025年8月26日)にスキップする

事故の経過と事故原因として考えられていること

A.海上保安庁機 及び 管制官側のコミュニケーション上の問題点
     <事故調査経過報告に書かれている事故の経過>
海上保安庁のボンバルディアDHC-8-315機(以下「海上保安庁機」)は、誘導路を北東に向け走行中にタワー西管制官(主にA滑走路、B滑走路など、西寄りの運用)からグラウンド東管制官(下図/管制塔参照)へ通信移管された
17時44分13秒、海上保安庁機は、グラウンド東管制官から、誘導路C(下図参照)を経由して滑走路停止位置(航空機又は車両が滑走路手前で停止及び待機する場所であって、当該滑走路に接続する誘導路上における位置)まで走行する経路を指示された。このとき海上保安庁機・機長は、誘導路C上には、海上保安庁機の右側に先行機が2~3機いて、左側には後続機も1機いることを認識していた。海上保安庁機は、誘導路H(下図参照)から誘導路Cに入るために右折した後、グラウンド東管制官(上図参照)からタワー西管制官へ移管された
下図の「A機」とは「海上保安庁機」、「B機」とはJAL機

海上保安庁機・機長は、この時点では、海上保安庁機の離陸は、前方にいる先行機の後だろうと考えていた。17時45分14秒、タワー東は、海上保安庁機に対し、誘導路C5の滑走路停止位置航空機又は車両が滑走路手前で停止及び待機する場所であって、当該滑走路に接続する誘導路上における位置への走行を指示するとともに、海上保安庁機離陸順位が1番目であることを通報する趣旨で「No.1, taxi to holding point C5」と伝達した。海上保安庁機は、タワー東からの指示を復唱し、誘導路C5に向けて走行を継続した

しかし、この赤色の滑走路停止表示の運用は停止されていた

海上保安庁機の機長は、このときのタワー東からの指示について、タワー東から
「Runway 34R, line up and wait, you are No.1(滑走路34Rに入って待機
してください。あなたの離陸順位は1番です)」と言われたと記憶していた

       <2024年2月2日発行の毎日新聞記事>
事故直前の両機を含む離着陸機が管制官と交わした交信記録を分析すると、どのようなことが見えてくるのだろう。JAL元機長(彼の発言は下記の◆参照)に読み解いてもらい、事故の要因や背景を探った。【聞き手・寺田剛、内橋寿明】

管制官海上保安庁機と交信する約2分前の午後5時43分26秒から米デルタ機とやり取りし、滑走路南端にある通常の停止位置への走行を指示しています。交信順からはデルタ機が先に離陸予定だったと考えるのが自然でしょう⇒実際には海上保安庁機が先の離陸順となりました。そして、進入許可が出ていないのに滑走路に進入しました

海上保安庁機は、能登半島地震の支援物資を積んでいました。管制官は任務の緊急性、重要性を考え、順番を入れ替えたのだと思います。45分11秒からの海上保安庁機とのやり取りでは、離陸順を強調するため「1番目」と伝えています。さらに少しでも早く離陸させる目的で、滑走路途中から離陸滑走を開始させるための滑走路進入位置「C5」に誘導しました
「C5(上図参照)」の誘導にはパイロットの同意を得る必要がありますが、管制官は同意なしに「C5」を指示しています。一方、「1番目」、進入位置「C5」と聞いた海上保安庁機は、出発が遅れており焦りがあったかもしれません。進入位置までお膳立てされているので滑走路進入許可を得たと誤解し、停止位置を越えて滑走路に入ってしまったのではないでしょうか
海上保安庁機側は停止位置に向かいます。1番目。ありがとうと指示を復唱しています

◆ この「ありがとう」に心情が表れているように感じます。通常なら離陸を1番目にすると伝えられても「ありがとう(サンキュー)」とは言わず、「了解(ラジャー)」と応じると思います。自分たちが優遇されたという感覚から、思わず「ありがとう」という言葉が出たのではないでしょうか指示を取り違えて滑走路に進入したとみられる背景には、優遇されたという思い込みがあったと思われます。海保機には、新潟行きという普段と異なるフライト、支援物資輸送という任務に気負いはなかったでしょうか

海保機はJAL機の着陸を知らなかったのでしょうか?
知らなかったと思います。管制官は44分56秒にJAL機に着陸許可を出し、JAL機側は45分1秒に指示を復唱して交信は終わりました。一方、海上保安庁機が管制官と交信を始めたのは45分11秒です。通常は、交信を始める直前に無線の周波数を合わせますから、10秒前に交信が終わっていた JAL機の交信内容は聞いていなかったと思われます
ただし聞いていなかったとしても、海保機が滑走路に進入する際には、着陸機がいないかを目視で確認したはずです。走行中で確認位置からは見つけられなかったのか、優遇されているという思いがあり、しっかり確認しなかったのか、遠くの影響を受けない位置にいると思ったのか、あるいはまた、隣の滑走路への進入機と見誤ったのか、目視でも気づけなかったのでしょう。

海保機はなぜ、離陸許可を得ていたと思ったのでしょうか。なぜ、滑走路に進入後40秒も待機していたのでしょうか?
海上保安庁機管制官との交信を終えたあと、同じ周波数の無線から聞こえてくる交信内容を聞いていたはずです。具体的に言うと、JAL機の次に着陸予定だった後続の民間機と管制官との交信です。この民間機に対し、管制官「(JAL機と民間機との間に)出発機あり」と伝えて減速を指示しています。「出発機」は海保機のことですしかし、着陸予定のJAL機の存在を知らない海上保安庁機は、後続機への更なる「最低進入速度への減速」指示を聞いたことで、自分たちは離陸の許可を待って滑走路上で待機していたが、管制官から何も言ってこなかったのは「既に離陸許可も得ていたのだ」「自分たちが早く離陸しないとあとが詰まってしまう」と思い、後続機の着陸前に急いで離陸しようとしたのではないかと思われます

事故の要因を整理すると、どういうことが考えられますか?
◆ 主因は、海上保安庁機側の思い込みです。交信記録を見る限り、滑走路への進入許可は出ていないのに、滑走路に進入してしまいました海上保安庁機の操縦室内で管制指示をどのように相互に復唱確認したのか、指示内容を再確認できる手段は何だったのか、管制官やJAL機パイロットが、滑走路上に停止していた海保機に気づけなかったのか、その点も運輸安全委員会の調査のポイントです。日没で辺りは暗く、目視での確認が容易ではなかったことも影響したことでしょう

以上から、私(荒井)の判断としては、以下の要因が重なった為に海上保安庁機が滑走路に入って待機してしまったと思います;
海上保安庁機・機長が、管制官の指示「No.1, taxi to holding point C5」「滑走路上で離陸許可を出すまで待て」と判断してしまった
②「 出発順位が1番、、、」という管制官の指示
③ 滑走路停止位置表示の運用が停止されていた
④ 同滑走路を使用する着陸機(JAL機)の存在を知らなかった(←滑走路に侵入する前に着陸機を視認できなかった←「空は徐々に暗くなりつつある状態」だった為、及び「無線によるJAL機と管制官の交信を傍受していなかった」為
⑤ 管制塔の中にある「滑走路占有表示
」の注意喚起のサインを管制官が見逃していた可能性

B.JAL機側が滑走路上の海上保安庁機を事前に発見できなかったか?
      <事故調査経過報告に書かれている調査の結果>
1.海上保安庁機の外部灯火の視認性の検証
最終進入中のJAL機の操縦席からの海上保安庁機の見え方の参考とするため、2024年1月29日に以下の条件で検証を実
・使用航空機:海上保安庁機と同型機
・検証場所:羽田基地駐機場
・検証項目及び点灯した外部灯火は下表のとおり;

観察者の位置:最終進入中の着陸機の操縦席の位置を模した場所(水平距離は後方400.8m、約2.8°上方)

検証時の周囲の状況:夜間(日没1時間後)、月なし
<検証結果>
海上保安庁機の水平尾翼中央部にある衝突防止ランプ灯(赤ストロボ)
及び上部尾灯位置灯(白)、胴体尾部にある衝突防止灯(白ストロボ)及び下部尾灯位置灯(白)が上後方から視認ができた

2.JAL機のシミュレーターによる検証
2024年4月17日、及び同年8月31日、A350型機シミュレーターを使用し、
事故があった滑走路への最終進入中におけるHUD(Head Up Diaplay/操縦室全面のガラス上に操縦に必要な基本データ下の画面の緑色の画像を投影する仕組み)の表示、滑走路飛行場灯火及び事故当時滑走路上にある海上保安庁機と推定される場所の位置関係の確認及び飛行中の操縦士の視線の動き等のデータ収集を目的とする検証を行った(尚、検証に使用したシミュレーターは、操縦士の手順を訓練することを目的として作られた装置であるため、飛行データ及びシミュレーション映像は、実際の飛行状況及び風景を完全に再現したものではない)
<検証結果>
海上保安庁機が停止していた位置は、JAL機の最終進入における滑走路上の降下目標から約150m着陸方向であった。
JAL機の最終進入中のHUDの Flight Path Vector (飛行経路ベクトル)の表示は、フレア操作(着地前に機首を上げる操作)開始まで最終進入の降下目標点付近にあった
*Flight Path Vectorとは:現在の航空機の実際の運動方向(進行方向)を示すシンボルです。
*通常、「飛行機の機首方向鼻の向き」とは異なる
風や対気速度の影響で、機首が向いている方向と、実際に機体が進んでいる方向にはズレが生じる
*Flight Path Vectorは「実際の航空機の移動方向」を視覚的にパイロットに示すためのものです
*表示例
:✈ ⇒これが機首方向(飛行機マーク);〇 ⇒これがFPV(移動方向)

海上保安庁機が停止していた位置は、滑走路中心線灯及び接地帯灯が滑走路面に埋設されている場所で、後方から視認可能である海上保安庁機上部尾灯位置灯(白)、下部尾灯位置灯(白)及び尾部に取り付けられている衝突防止灯(白ストロ
ボ)は、滑走路中心線灯の列とほぼ同じ線になっていた

④ 最終進入中の操縦士は、飛行状況を確認するため、HUD内の表示だけではなく、PFD(Primary Flight Director)等の従来の計器を含めた確認を行っていた*Primary Flight Directorとは:航空機の操縦において非常に重要な計器で、パイロットが所望の飛行経路に沿って飛行するための視覚的な操縦指示を提供します
*主な機能と役割:
姿勢指示:機体がどのようなピッチ角(上下の傾き)やバンク角(左右の傾き)を取るべきかを計算し、表示します
操縦支援:パイロットはPFDのバー(通常は逆V字型)に機体を合わせることで、正しい飛行姿勢を維持できます
自動操縦との連携:FD(Flight Director/機体の姿勢(ピッチ角とバンク角)を視覚的に示してくれるシステム)はオートパイロットと連動して動作することが多く、オートパイロットが何をしているかを視覚的に示します
手動操縦時の補助:自動操縦を使わない場合でも、FDはパイロットにとって非常に有用なガイドになります。
以上から、「事故調査経過報告_修正版の訂正版」では、発見可能であったとも、発見不可能であったとも判断していませんが、私(荒井)の判断としては
① 海上保安庁機の上部尾灯位置灯(白)、下部尾灯位置灯(白)及び尾部に取り付けられている衝突防止灯(白ストロボ)は、滑走路中心線灯の列とほぼ同じ線になっていたこと
(⇔非常に見難い)
② JAL機が着陸速度 250〜270km/h (秒速70メートル前後)
でアプローチしていること
③ 着陸前にフレアの操作をして機首上げの状態にあること(←下方の視界が制限される)
④ 着陸許可を得ている滑走路に進入していること等を勘案すると、事前に発見して衝突を避けることは非常に難しかったと思います
*筆者(荒井)の友人である機長経験者の意見によれば、HUDを見ながら操縦していたとすれば、
パイロットの眼の焦点は滑走路ではなく、HUDが写される前面のガラス(Windshield)に合せているので、滑走路上の海上保安庁機の上部尾灯位置灯(白)、下部尾灯位置灯(白)及び尾部に取り付けられている衝突防止灯(白ストロボ)を視認するのは極めて難しいはずとのことです

事故の要因となった問題点とその対処策

この報告が出されるまでに、離発着回数の多い羽田空港(1日当り平均千回以上)をはじめとするする混雑空港での同種事故を抑止するために、以下の様な対処策を行っています;
2024年1月9日、離陸順序を示す「ナンバーワン」を取りやめることを始めました
詳しくは日経新聞記事 “羽田事故で国が緊急対策 「ナンバーワン」使用取りやめ”をご覧ください

2024年12月、国土交通省から“中間取りまとめで提言された対策(進捗状況)”
が出ています。以下は、本事故に直接かかわる対策の抜粋ですが、詳しくは“241200_中間取りまとめで提言された対策の進捗状況”をご覧ください;

     <離陸順序に関する情報提供の再開、他

* 「ナンバーワン」使用取りやめについては、事故発生後、当面の措置として停止した航空機の離陸順序に関する情報提供(No.1、No.2等)について、パイロット
側から「離陸準備等において有益」との再開を望む声が多かったことなどから、管制官とパイロットの双方に対して留意事項を周知徹底した上で、令和6年8月8日より情報提供を再開した
*  管制官側の留意事項
@ 離陸順序の情報提供に関して、必要性や有効性のほか、パイロットに与える心理的影響についても留意した上で判断する
@ 離着陸時や急な悪天時のように、パイロットが機体操作に特に集中する必要がある場面や状況では、簡潔明瞭な交信を心がける
@類似便名の航空機について聞き間違いが発生しないよう、便名の異なる部分を特に強調する
パイロット側の留意事項
@ 離陸順序の情報提供があった場合も、滑走路進入には既定の許可又は指示(“Cleared for take-off”等)が必要
@ 管制指示等を受けた場合は確実に復唱
@ 管制指示等の的確な把握に努め、内容に疑義がある場合は管制官に確認
@ 滑走路進入時及び着陸進入時は、特に注意して外部監視

  <管制官とパイロットとの間のコミュニケーションミスの防止>
この事故の原因の一つがコミュニケーションミスであることから、2025年6月に(公益社団法人)日本航空機操縦士協会一般財団法人)航空交通管制協会共同で「ATCコミュニケーションハンドブック」の改訂版が発行されました。大変具体的に記述されていますので、ご興味のある方はご覧になってください

       <滑走路占有監視支援機能の強化>
@主要空港(成田、羽田、中部、大阪、関西、福岡、那覇空港)において、滑走路占有監視支援機能(滑走路誤進入に係る管制官に対する注意喚起システム)を強化中(下図参照)

    <滑走路状態表示灯(RWSL)の導入拡大(羽田空港C滑走路)>


     <管制官の人的体制の強化・拡充(緊急増員等)>
@ 航空機の離着陸に係る監視体制の強化を図るため、2024年7月31日付で管制官を14名緊急増員
@ 今後の航空需要の増大に対応しつつ、滑走路上の安全確保に必要な体制の維持・充実を図るため、2024年6年12月期より、航空保安大学校の管制官採用枠を12名(年間36名)拡大
@ 管制官の欠員解消に向けて、中途採用等を積極的に実施

    <管制官の人的体制の強化・拡充(離着陸調整担当の新設)>
@ 航空機の離着陸に係る監視体制の更なる強化を図るため、2025年度より主要空港(成田、羽田、中部、大阪、関西、福岡、那覇空港)に離着陸調整担当の管制官を配置予定。なお、新千歳空港では、防衛省において独自の監視体制を導入済み
離着陸調整担当が地上管制担当やレーダー担当との調整を行うことで、飛行場管制担当はパイロットとの交信及び航空機の監視に専念

          <管制官の就業環境の改善>
@ 管制官について、2020年度より国際基準に準拠した疲労管理(管制業務を行う最大連続時間の規制等)を導入済み
@ 担当席の業務の困難性・複雑性に応じた負荷の違いを勤務計画にきめ細かく反映するため、2026年度より新たな疲労管理システムを導入予定。
@ 羽田空港(東京空港事務所)では、事故発生後、現場業務に従事する全ての職員に対して、ストレスカウンセリングを実施済み
@ 今後、羽田空港以外においても、管制官にストレス管理の基礎知識等を付与するためのセミナーを順次開催する予定

      <滑走路誤進入検知システムの高度化に向けた調査・研究>
@ 空港面監視システムの検知精度の向上のため、海外動向調査等を実施中
@ 音声認識技術等の活用による管制交信のテキストデータ化及び認識齟齬等の検知・警告機能の導入に向けた調査を実施中
@ 航空機側の滑走路誤進入検知システムに係る海外メーカーの動向を把握しながら、導入に向けた課題の抽出等を実施中

多くの称賛が寄せられたJAL機の運航乗務員・客室乗務員の行動

          <寄せられた称賛の例>
2024年1月4日付 日本経済新聞 朝刊の記事
海外主要メディアは羽田空港で2日に日本航空機と海上保安庁機が衝突し炎上した事故を大きく取り上げた。米メディアは炎上する日航機から乗客・乗員379人全員が脱出したことを「奇跡だ」などと伝えた
米紙ニューヨーク・タイムズは航空専門家の意見として「全員が退避できたのはまさに奇跡だ」と報じた。脱出は乗務員と乗客の協力が成功した証だと指摘した。
米CNNは滑走路で激しく炎上する機体や煙に包まれる機内の映像を繰り返し放送した。乗客が荷物を持たずに脱出シューターから退避したことなどを「お手本のような対応」だとする専門家の見方を紹介した
米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは米国の元事故調査官の話として、事故機からの脱出が円滑に進んだ理由を「航空会社の能力」と「航空機の設計」によるものだと説明した
衝突した日航機は機体に先端素材を採用した欧州エアバスの大型機「A350」。英BBCはエアバスが事故調査の専門チームを派遣することに触れ「A350が初めて巻き込まれた大事故」だと指摘した

     <報告書に書かれている運航乗務員・客室乗務員の行動>
機体が停止した後、機長は、すぐに非常脱出することを決定し、非常脱出のための手順を開始した。当該手順を実施している途中、機長は、操縦室に来た客室乗務員から火災発生の報告を受けたが、脱出指示装置及び機内放送システムが使用できなかったため、当該客室乗務員に大声で脱出を指示した。機長及び訓練乗員が、チェックリストに従い左右のエンジンを停止する手順及び両エンジンに消火剤を放出する操作を行った。この操作により左エンジンは停止したが、右エンジンは停止しなかった。このエンジンの作動状況について、操縦室内の計器上に何も変化が起こらず、運航乗務員は、両エンジンの状況が分からなかった

3名の運航乗務員は、非常脱出の手順において、機長は、脱出指示装置及び機内放送システムを利用して非常脱出の指示を客室にいる乗組員及び乗客へ伝達することを試みたが、いずれも機能しておらず、非常脱出の指示を一斉に伝達することができなかった
非常脱出の手順を完了した3名の運航乗務員は、操縦室を離れ、乗客の脱出援助を行った
客室では、前から3番目の出口の前方付近で側壁と床の隙間から白い煙が立ち始
め、刺激臭と共に徐々に濃くなっていった
各客室乗務員は、機体の完全停止を確認した後、乗客を落ち着かせるためパニック・コントロールを実施するとともに、機外の状況を確認し、その状況を機長に緊急連絡しようと試みた。しかし、インターホンによる通話ができず、また、他の乗務員ともインターホンでの通話はできなかった。左側前から2番目の出口(以下「L2」という。)、右側前から2番目の出口(以下「R2」という。)、左側前から3番目の出口(以下「L3」という。)、右側前から3番目の出口(以下「R3」という。)及び右側最後方の出口(以下「R4」という)を担当するそれぞれの客室乗務員は、担当出口の外で火災を確認したため、当該出口は非常脱出に使用できないと判断した。特に、R4においては、火災のほか、火花が後方に飛んでいる様子をR4を担当する客室乗務員が視認したことも、R4を非常脱出に使用しないことにした理由であった
操縦室の扉が外れていることに気付いた先任客室乗務員と左側最前方の出口(以
下「L1」という)担当の客室乗務員は、操縦室に向かい、運航乗務員に状況を伝
えた。先任客室乗務員及びL1担当の客室乗務員は、機長Bから非常脱出の指示を
受けると、同指示を右側最前方の出口(以下「R1」という)担当の客室乗務員に
大声で伝達した。この伝達を受けたR1担当の客室乗務員と先任客室乗務員は、機
外の状況を確認した後、17時51分30秒ごろ、L1及びR1のドアを開放して
脱出用スライドを展開し、乗客の非常脱出を開始した

L1及びR1からの非常脱出が開始された後、機長及び先任客室乗務員は、L1及びR1に向かう乗客の脱出の動きを阻害しないようにしながら、客室の後方に向かい、前方から非常脱出するよう、乗客に指示した
L2及びR2の担当客室乗務員は、客室前方が明るくなり、乗客が前方へ移動し
始めたことに気付き、非常脱出が開始されたと判断し、付近の乗客に対して、前方
に移動して脱出するよう指示をした
前方から3番目の出口より後方の担当客室乗務員は、機長Bからの脱出の指示を
受け取ることができず、煙が次第に濃くなる状況で、乗客への対応を続けたこの
間、インターホンが作動せず客室乗務員間の連絡も取れなかった火災のため出口
を使用しないこととした客室乗務員は、それぞれが担当する出口のドアを乗客が
誤って開けないようにするため、ドアから離れなかった。そのため、3番目及び4
番目の出口では、担当客室乗務員同士が直接、大声で使用可能な脱出口の有無を確
かめた。
L3担当の客室乗務員は、担当の位置から前方を確認したが、煙が濃くなり視界
が悪く、2番目の出口付近の状況を確認できなかった。かすかに懐中電灯の光が見
えたが、それが脱出を促しているのかは判別できなかった。前方にいた機長及び
先任客室乗務員は、乗客の脱出が前方から進み、通路を通って後方への移動が可能
となったため、発煙の中、客室を後方に進み、L3担当の客室乗務員に乗客を前方
へ移動させるよう指示し、当該客室乗務員は周囲の乗客に前方から脱出するよう指
示した
以下の写真はL3より後方の席から前方を撮影した煙の充満状況である。通常照明が消え非常灯のみが点灯する中、次第に煙が濃くなっている

R3担当の客室乗務員は、周囲の乗客が前方に移動する姿が見え、「脱出」(発声
者は不明)という声が聞こえたので、周囲の乗客に前方から脱出するよう指示した。
機体最後部左側出口(以下「L4」という。)担当の客室乗務員は、乗客への対応
を行いながら状況確認を続け、客席内に煙が充満し、周囲の状況が切迫してきたこ
とから、機長から非常脱出の指示を受けられない状況で、乗客を助けるためには担
当ドアを開けなければならないと判断し、同社の規程に従い、L4の外を見て、火
元がないこと、燃料漏れがないこと、スライドを展開するスペースがあることを確
認した後、17時55分ごろ、L4ドアを開放し、周囲の乗客に脱出するよう指示
した。
このような状況において、多くの乗客は冷静に行動し、乗組員の指示に従ってい
。また、一部の乗客は、日本語及び英語で行われた乗組員からの非常脱出の指示が、直接届いていなかった。これらの乗客の中には、周囲の乗客の動きに気付き、その動きに追随して脱出した者もいたが、自席付近で姿勢を低くして留まるようにとの客室乗務員からの指示を守り、客室乗務員からの次の指示を待ち続ける者もいた自席付近に留まっていた乗客は、逃げ遅れた乗客がいないか機内を捜索していた機長に発見され、脱出した機長は、客室内に乗客及び他の乗組員が取り残されていないことを確認し、17時58分、L4から脱出した。脱出後、各乗組員は、乗客の誘導及び確認を行うとともに、機長は、携帯電話で会社に対してJAL機の搭乗者全員が脱出したことを報告した
各出口から脱出した人数は、L1及びR1を使用した乗客が340~350名程
度、L4から脱出した乗客が20~30名程度であった

停止した後の機内照明は、各ドア及び客室通路天井部に設置されている非常灯が
点灯していた。このため、機内は、周囲が視認できる程度の明るさを維持していた
ただし、時間の経過とともに煙が機内に充満したため、特に客室後方では、視界が
悪化していった
JAL機には拡声器が4台搭載されており、非常脱出の開始後、一部の乗組員がこれ
を使用した。拡声器を使用していた乗組員の中には、騒然とする客室や外部からの
エンジン音などと紛れてしまい、音声が届きにくいことなどを感じて、拡声器の使
用をやめ、肉声での指示に切り替える者がいた。搭載されていた拡声器4台のうち、2台が事故後に回収された
なお、一部の乗客から、乗組員からの非常脱出指示の伝達状況に関する聞き取りを行い、脱出を開始した契機について確認した。その結果は下図の通り;

緊急に改善が必要なこと

今回、最新技術のエアバス機であるが故に大きな問題になりそうな点(私見)が報告書に書かれています。エアバスA350-941型機の機体で使われている材料は以下の様になっています;
機体外装のかなりの部分が CFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastics)で作られており、これは炭素繊維を樹脂(主にエポキシ樹脂)で固めた複合材料です。 軽くて強く・硬い材料としてスポーツ用途から産業用途、航空機、自動車に至るまで幅広い用途で使用されています。他の航空機にも徐々に使われていることは承知していましたが、不勉強のせいかこれ程までとは知りませんでした。勿論、飛行機に使われた場合の強度及び耐火性については欧州の規制当局及びエアバス社がしっかり管理しているとは承知していますが、事故当時の火災の状況を動画で見ているとちょっと心配になりました
今までの航空機は、外板の大半がジュラルミン(アルミ合金)で出来ており、この様に完全に燃え尽きることは無かったような気がします、、、
ただ、CFRPが燃えることによる有毒ガス、その他の有害な物質についてはこの報告書でも以下の様に言及しています;
素材として使用されている炭素繊維は、径が細く、何らかの理由で短くなった単繊維は粉塵となり大気中に飛散しやすい。また、飛散した炭素繊維は、皮膚や粘膜に突き刺さりやすく、痛み・かゆみを引き起こすほか、目や喉に障害を与えることがある。炭素繊維の粉塵が飛散することが予想される現場では、皮膚を露出しないとともに、防塵の吸い込み等を塞ぐために以下の様なマスク及びゴーグルの着用が必要とされています

ただ、今回の事故の際は、最初に出動した羽田空港の消防隊員の方々は、この様な防護体制は採っていなかったと報告されています
一方、救助された乗員・乗客の方々は、火災を起こしている事故現場から早々に安全な場所に誘導されていました

いずれにしても、これまでの航空機は、全損事故であっても搭載していた燃料は激しく燃えるものの、外板自体がこの様に有毒ガス、有毒物質を飛散させながら激しく燃えることは無かったと思われますので、事故後火災が発生した時の救助活動、消火活動については改善の余地があると感じました(私見)

Follow_UP(2025年8月26日)

ブログ発行後、本件について追加調査した結果を以下に記します
まず、衝突後 C 滑走路脇に擱座したあと、火災が鎮火するまでの状況を 2025年3月27日発行の事故調査経過報告_修正版の訂正版(以下「報告書」)から拾うと以下の様になります;
①17時46分26秒 JAL機の主脚が滑走路に接地
②17時48分14秒 機体が停止
③17時51分30秒頃 L1、L2から脱出開始
室内に煙が出て、徐々に濃くなる
④17時55分頃 L4を開放し脱出開始
17時58分 客室内に乗員乗客が取り残されていないことを確認し、最後に機長がL4から脱出脱出
*L4からの脱出者は20~30名

機体停止後脱出を開始した時間:17時51分30秒 ― 17時48分14秒 = 3分16秒
脱出に要した時間:17時58分 ー17時51分30秒 = 6分30秒
<参考>
航空機の設計基準には、「機内の全非常用脱出口の半分以下を使って、事故発生から90秒以内に規定された搭乗者全員が脱出できることを実証すること」とあり、客室乗務員は定期的にこの訓練を行っています。事故機は全部で8ヶの非常用脱出口があり、今回は火災の状況を判断して3ヶ所だけ(L1,R1,L4)を使って脱出を行いました

17時59分ごろ、火災は客室内に延焼(全員脱出完了してから1分後)
事故報告書より:主脚格納室付近で発災した火災は、乗客・乗組員の非常脱出が行われている間、脱出に使用していたスライド及びその周辺に延焼することはなく、全乗客・乗組員が脱出した直後(機体が停止してから約10分後)、客室内に延焼した
⑦事故報告書より:客室内に延焼した火災は、その後、客室内部の機首方向及び機尾方向に拡大し、胴体中央部の外板が燃え始め、胴体全体に延焼した
* 羽田空港での火災を外部から撮影した動画は当日各放送局から放映されています

⑧事故報告書より:JAL機で発生した火災は事故発生翌日2時15分に鎮火した
火災継続時間:26時15分 ― 17時48分 =8時間27分

<乗員・乗客の生存率向上の為の規制>
航空機の大きな事故による乗員・乗客の死亡原因を調査・研究した結果、椅子やシートベルト類の強度及び、客室内の装備品類の防火性能の強度について厳しい規制が定められています
1970〜80年代に発生した 不時着・衝突事故 の調査で、それまでの9G(重力の9倍)規格では「生存域のはずの乗客が座席崩壊により死亡」という事例が多数判明しました。その結果、米国国家運輸安全委員会(NTSB)が 米国連邦航空局(FAA) に勧告を行い、1988年以降に型式証明を受ける旅客機では 16G座席が必須となりました。また、1992年以降に製造される既存型機の新造機にも適用拡大されることになりました

②1970年代以前、内装品(シートクッション、壁・天井パネル)は燃えやすい素材(ビニール、ウレタン)を使用していました。その結果、以下の事故例の様に火災時に有毒ガスや煙が大量に発生し、避難より先に乗客が死亡する事故が相次ぎました
*1973年 イベリア航空351便事故:不時着後の火災で多数が煙により死亡
*1983年 エアカナダ797便火災事故:緊急着陸後に機内が炎上し、乗客23名が煙で死亡 ⇒ FAAが規制強化を決断
*1985年 英マンチェスター空港 B737火災事故:離陸中止後の火災で55名死亡。煙と有毒ガスが致命的要因
この結果、以下の様に内装品の耐火基準が強化されました;
*1984年、 FAAが 座席クッション油火燃焼試験(oil burner test) を義務化された結果、難燃性素材が使われるようになりました
*1986年、 14 CFR Part 25.853を 改正。内装パネル、床材、カーペットなどの燃焼性・発煙性試験を強化

尚、1990年代以降、 国際的に harmonization (安全基準の統一)が進み、EASA(European Aviation Safety Agency/欧州航空安全機)、ICAO(International Civil Aviation Organization/国際民間航空機関)基準も FAA に準拠しています
*因みに、エアバス機はEASAの基準に従って設計されています

参考:上記以外の航空機事故と採られた対策の歴史

<CFRPとは>
CFRP(注1)は、中間素材のCFRP Prepreg Sheet(注2)というシート状の炭素繊維を一方向に引きそろえ、熱可塑性樹脂・粒子等を分散した高靱化エポキシを含浸させたものを多方向に積層し、その後加圧、加熱硬化して製造されます
なお、各積層間には層間剝離防止のため、高靱化エポキシ層が配置されている。
機体構造に使用されるCFRPは、使用される部位によって厚さが異なります
注1:CFRP:Carbon Fiber Reinforced Plastics(炭素繊維で補強・強化されたプラスチック)と呼びます。炭素繊維には、高剛性、高強度といった特徴以外に「導電性・耐熱性・低熱膨張率・自己潤滑性・X線透過性といった特徴も兼ね備えており航空機分野を含め多くの用途で使われています
注2:Prepreg Sheet:炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維に、あらかじめ樹脂が含浸された状態で供給される材料です。この技術は、成形時に樹脂を別途準備する必要がないため、効率的な加工が可能で、均一な品質を保つことができます

<CFRPが燃焼した場合の危険性>
燃焼した複合材の粉塵に曝されると、分離した繊維体に曝される場合以上に大きな問題が引き起こされることがあるとされています。現時点では明らかなことは、危険物であると確認し、危険物質が及ぶ範囲がどのレベルのリスクであるかを特定するためには、今後も更なる研究が必要とされています
また、その他にも健康に短期的な影響を及ぼすものが、衝突して燃焼した複合物からの繊維体や組織片に曝されることによって発生します。既に知られていることとしては、細かい繊維片が目や鼻、喉、肺に対して極めて刺激性があるという事実があり、更に不完全燃焼の組織片は皮膚炎などを引き起こすという懸念も残っています。また繊維やその他の複合体と一緒に肺に取り込まれた物質は、人によってアレルギー反応を引き起こす場合もあり、これは重大な懸念事項と認識されています
炭素繊維協会によれば、素材として使用されている炭素繊維は、径が細く、何らかの理由で短くなった繊維は粉塵となり大気中に飛散し易く、飛散した炭素繊維は、皮膚や粘膜に突き刺さりやすく、痛み・かゆみを引き起こすほか、目や喉に障害を与えることがあるとされています

<A350に採用されることとなったCFRPの耐火性能、毒性の試験>
A350の胴体部分のCFRPの耐炎性試験および煙と有毒ガスの試験条件は以下の通り:
① 試験片は、胴体下半分の最小スキン厚さの平らな複合パネルを用いる
② 試験片は、約 4インチ x 4インチ x 4インチの金属製ボックス内の面に取り付ける。
③ 火源は規定通り調整された石油バーナーである。
④ 試験片はこの石油バーナーの炎に5分間さらし、この期間中にボックス内の環境条件を観察し評価する。
⑤ 煙の排出と毒性は、定められた基準に準拠している断熱材を備えた一般的なアルミニウム胴体と A350 CFRP 胴体および断熱材の比較テストで以下の基準で評価する。
5分以内に炎が浸透しないこと
* CFRP パネル テストの煙排出曲線は、アルミニウム構造テストの曲線よりも大幅に早く 10% の光透過率に到達してはならない。
* 毒性評価は、テストの 5 分間に「ボックス」内で測定された THC(燃え残りの炭化水素成分)、HCN(シアン化水素)、SO2(二酸化硫黄)CO(一酸化炭素)、Nox (窒素酸化物)の濃度の測定に基づいて行われる。濃度は、FAA技術センターが指定した許容限度と比較する

<筆者(荒井)の個人的な見解>
事故現場の写真・動画を見ると、今回の事故は旅客機に炭素繊維強化複合材料(CFRP)が大規模に使用された初めてのケースであり、衝突時に大規模な火災が発生した時の乗員・乗客の生存可能性について今後もう少し詳細な検討が必要だと思いました
エアバス社によれば、これまでの試験でCFRPの耐火性はアルミニウムと同等であることが示されたと言っていますが、火災が胴体全体に延焼した時の様子は、胴体のCFRPがメラメラと燃え上がり、消防隊による消火を行っている間も炎の勢いが勝っているように見えます。また、当該 JAL便が国内線であり、着陸時の代替空港が近くにあるので、残っている燃料はそれ程多くないにもかかわらず完全鎮火迄に8時間も掛かっていることを勘案すると、CFRP自体が高温で燃え尽きるまで燃えたと考えるのが自然ではないでしょうか、、、、、

尚、その後生成 AI(ChatGPT)を使って、CFRP製の胴体パネルの耐火性能試験、等について調査した結果は概要以下の通りでした(詳しくは「A350 XWBの胴体のCFRPの耐火性について_ChatGPT」をご覧ください);
CFRPは炭素繊維そのものは燃えにくいが、樹脂(エポキシ)は燃焼・分解するのが弱点。ただ、
航空機用では 難燃化エポキシ樹脂 を使い、酸素指数(LOI)が高い配合になっている。
*限界酸素指数 (げんかいさんそしすう、Limiting_oxygen_index、LOI)とは、重合体の燃焼に必要な酸素の最小濃度をパーセンテージで表したものである。
酸素と窒素の混合物を燃焼中の試料に通し、臨界レベルに達するまで酸素濃度を下げることにより測定される。様々なプラスチックのLOI値は、ISO 4589やASTM D2863などの標準化された試験により決定される。また、LOI値は、サンプルの周辺温度にも依存する。周囲の温度が上昇するにつれて燃焼に必要な酸素割合は減少する。プラスチックやケーブルの材料は、実際の火災状況下での酸素要求量を評価するために、周囲温度と高温の両方でLOI値を試験する。大気中の酸素濃度よりもLOIが大きい材料は、難燃材料と呼ばれる
CFRPが火に曝されると、まず樹脂が200〜300℃で熱分解 し可燃ガスが出る。400℃付近で樹脂はほぼ失われ、炭素繊維が露出。その後酸化雰囲気になっていれば炭素繊維
も徐々に焼失する

おわりに

今回の事故の原因が海上保安庁機と航空管制官とのコミュニケーションにあることは、ほぼ明らかであると考えられます。一方、事故の原因究明を担当する運輸安全委員会の中の「航空・鉄道事故調査委員会」は同じ国土交通省の管轄になります。その結果、上述の通り対策はかなり迅速に進められ実行に移されており、安心しました。ただ、最終報告が未だ出されていない原因は何かあるのでしょうか???ちょっと不安になります
事故の最終報告が発出された時点で、内容の変更点などがあればフォローアップする予定です

以上