屋上菜園・2019年のレビュー

はじめに

  2019年は自然災害が目立った年になりました。特に、農業に係ることとしては、梅雨明け早々から記録的な猛暑が続いたこと、9月に入ると強烈な風台風(15号)が襲来し、千葉方面はビニールハウスが壊滅的な被害を受け、普通の民家も屋根瓦が吹っ飛び、長期間の停電が話題になりました。10月には強烈な雨台風(19号)が襲来し、関東甲信越、東北地方に甚大な農業被害が発生しました
 我が家のちっぽけな屋上菜園でも、そこそこの被害が発生し、「くそっ!台風め」と地団駄を踏みましたが、プロの農家の方には農業を諦めるか、莫大な借金をして農業を続けるかの判断を迫られた方も居たようです。私共家族のルーツである長野県では千曲川が広範囲で氾濫し、豊野市に住む親戚のリンゴ農家はすぐ傍まで水が押し寄せたそうです(幸いにも被害は免れたそうです)

台風15号・19号

 以下に、屋上菜園での台風被害状況や、収穫状況、新しい試みなど2019年のトピックスをご紹介したいと思います

台風の被害

 台風15号の被害については、拙宅付近でも夜中にゴーゴーという風の音がひどく暫し寝られないほどでした。案の定、翌朝になって恐る恐る屋上に出てみると、葉の大きい夏野菜はほぼ壊滅的な状況になっていました。詳しくは9月13日の私のブログ(酷暑の夏と強力台風の襲来!)をご覧ください。
 トマトとキュウリは諦めたものの、ナス(3種)については、往生際が悪く、整枝をした上で肥料をたっぷり与えて「秋ナス」に期待をかけましたが、残念ながら全く収穫できませんでした

秋ナスを期待しましたが!
秋ナスを期待しましたが、、、

 温暖化の影響か、9月以降強力な台風が襲来する確率が高まるとすれば、露地栽培のトマト、ナス、キュウリは8月中には収穫を終えることを前提に、苗を早めに育てて収穫開始時期を早める工夫が必要と痛感しました

 尚、台風15号の強烈な風にも全く影響を受けなかった野菜があります。それは熱帯性である「空心菜」です。下の写真は台風襲来直後のものです

台風通過直後の「空心菜」

 台風19号の影響は、強烈な雨が長時間にわたって降り続いたことです。9月中旬に種蒔きを行った秋冬野菜が元気に芽を出して、間引きも終わって成長を始めた時期に台風19号が襲いました。殆どの幼い苗は強烈な雨に叩かれて「消滅!してしまいました。残った葉物野菜の苗はホウレン草、水菜、春菊などのごく一部でした。台風一過、種を蒔き直しましたが、成長期に気温が相当下がる時期になってしまい収穫はおぼつかない状況です
 ただ、一昨年の台風被害(酷暑の夏と強力台風の襲来!)の反省から、白菜とキャベツは、室内で苗を育てた結果、被害の影響は殆ど受けずに済みました

白菜の成長の記録(写真上でクリックすると拡大されます)

 また、一昨年の成功に味をしめて、ちょっと規模を大きくした「野沢菜」は、葉が大きいので被害はある程度ありましたが、12月に入ってそこそこの収穫があり

野沢菜の収穫

既に漬物を楽しんでいます

漬物類

野沢菜のカブの利用法は上の写真以外に粕漬もやっていますが、食べ頃は恐らく数か月先になると思います

定番の作物

1.タマネギ
 タマネギは通常2種類作っていますが、種蒔き方法をちょっと変えたものをトライしました。長期保存用のタマネギは、今まで通り普通のコンテナで種蒔きを行い、サラダ用の紫色のタマネギは、ホームセンターで売っている様な鉢植えの苗床にしてみました(⇔ この方式であれば室内で育苗できるので台風や日照りの影響を受けにくい)

タマネギの苗(2種)

これらの苗は11月下旬に植え付け、順調に育っています

2.大根
 いつもは青首大根を底の深いコンテナ3ヶ(都合9本収穫可能)に植え付けていますが。上記の「秋ナス」期待で底の深いコンテナが1ヶしか都合がつかなかった為、底の浅いコンテナに3種の小さな大根を植え付けてみました

青首大根とその他大根3種

それぞれの小さな大根は中々いい味がします。特に上の写真右側の「ねずみ辛大根」は信州でおろし蕎麦を食べる時の定番ですが、正月の揚げ餅をこの大根おろしで食べると絶品!です

3.ニンジン
 毎年トライをしながら、いまいち成功していなかったニンジンの栽培にとうとう成功!しました。また、大きく育つ前に栽培間隔を広げるために少しづつ間引きをした小さなニンジンは、葉も含めて生野菜サラダとして大変美味しい素材であることが分かりました

ニンジンの栽培

4.ネギ類
 今年もネギは3種類作りました

ネギ3種

上の写真の一番左は鍋用の「下仁田ネギ」ですが、台風の影響であまり多くは収穫できませんでした。その右は用途が広く沢山消費する長ネギですが、白い部分を長くするには土を注ぎ足していく手間が必要ですが、今回はサボってやっていません(従って白い部分が短い!)。家族の人が青い部分も美味しいと言ってくれるので、これからもこの手抜き栽培でいきたいと思っています。上の写真の一番右側は細ネギです。細かく刻んで主に薬味に使っています

5.唐辛子
 今年は2種類栽培し、沢山収穫できました(下の写真はごく一部)

トウガラシ2種と生トウガラシの醤油漬け

 上の写真の一番左は初めて栽培した「辛長キング」です。これは”F1”と書いてありますので、2種類の唐辛子を掛け合わせた雑種一代目で、キムチ用に開発された品種です(最近、種苗メーカーは苦労して作り上げた品種をコピーされないようにこの雑種一代目を販売しています)。生で薄くスライスしたものを生野菜サラダに入れたり、炒め物に混ぜても美味しいことが分かりました。とにかく沢山収穫可能です。真ん中の小さな唐辛子は定番の「鷹の爪」です。我が家では一年中この唐辛子は切らすことはできません
 一番右は、生の「鷹の爪」を細かく輪切りにして醤油に漬けたものです。これは台湾駐在時代に病みつきになった調味料で、大衆的な中華料理屋には常備されており、湯麵や炒麺、炒め物などに、好みに合わせて一寸かけて食べるのが常道です。冷蔵庫に入れて置けばかなり長持ちします

新たな試み

1.サツマイモの栽培
 初めてサツマイモ(金時)の栽培を試してみました(袋栽培)。水遣りを忘れないようにするだけで超簡単に栽培できました

サツマイモの栽培

 右の収穫したサツマイモの内、大きい方は生でなくダッチオーブンで、アルミ箔を敷いたうえで1時間ほど水無しで調理したもの(石焼き芋に近い!)です。これから元旦のおせち料理の一品ができました

おせち料理

2.種を採る!
 前年から始めた「種」を採る範囲をかなり広げました。一年間で採った種は以下の写真の通りです

” 各種

 ご覧になれば分かるように、ハーブ系の種が多いのですが、これは野生に近い品種なので蒔けば必ず育つので採種向き(失敗が少ない!)といえます。特に紫蘇やバジルなどは殻に複数の種が入った状態で採種することができます(買った種は、殻の中の小さな種だけが入っています)ので、そのまま殻ごと蒔けばあまりケアをしないでも発芽させることができます(殻の中で湿気が閉じこめられ直射光線を遮ってくれる為であると考えています)。一番下の種は鞘に入ったままの「水菜」です。既に昨年一年間はこの種を使って栽培しています(この種は蒔くときに鞘から出します)
 上段真ん中の種は、上で述べた「辛長キング」です。”F1”なので先祖帰りをするはずなので、今年蒔いてみてどんな唐辛子ができるか結果が楽しみです

3.冬季におけるハーブ栽培
 これまでずっと多種類のハーブ栽培を行ってきましたが、冬季については皆枯れるか、葉が落ちてしまうのでフレッシュなハーブが食べられません。従って、冬季のみ室内での栽培を始めてみました

冬季のハーブ栽培

 上の写真の左側は現在の状況です。イタリアンパセリ、日本のパセリ、バジル、ディルは既に食に供しておりますが、セージ、ペパーミントは未だ育成中です
 右の水槽は熱帯魚用のヒーターが入れてあり、ハーブ類の発芽に必要な25度前後の水温を保っています。ここでは水に浮かせた発芽用のセルで、現在タイムとキャラウェイの発芽を待っているところです。尚、別のやや大きな水槽でグッピーを飼っているのですが、雑婚?を繰り返した為か鮮やかな色を失いつつあるので、色の良さそうな一組のつがいをこの水槽で飼って増やす算段をしています

2019年の費用明細

 2006年度からの屋上菜園関連費用の推移と、2019年度費用の詳細は以下の通りです

2006年度からの費用の推移と、2019年費用の明細

 概ね例年通りですが、栽培する野菜が増えた割に費用が低く抑えられた要因は袋栽培を取り入れたことと、信州山峡採種場のサイトを発見し、単価100円で種が買えるようになったことが大きいと思われます

以上