夏野菜の失敗談、他

はじめに

見出しの写真は、私の住んでいる市の隣にある所沢市の夏場の温度変化のグラフです。それぞれのシンボルの意味は;
灰色の棒グラフ2024年度の毎日の気温の範囲
赤い帯:昨年迄の毎日の最高気温の分布
赤い線;同期間の最高気温の平均値
青い帯:昨年迄の毎日の最低気温の分布
青い線:同期間の最低気温の平均値
グラフから、今年の夏の気温が昨年までと比べ異常な高温であったことがわかります

実は、昨年も相当な高温であったため、キュウリについては栽培途中で「遮光スクリーン」を使った栽培を試しましたが結局失敗(酷暑の中の屋上野菜栽培:2023年8月7日作成)しました。今年は満を持して色々な工夫を施した対応を実施しました(初春から初夏にかけての農作業!:2024年5月27日)が、再び失敗してしまいました。
昨年はキュウリ以外は大きな失敗は無かったのですが、今年は昨年を遥かに超える酷暑が続いたと共に、長引く病魔との戦いで体力が衰えた私自身が細かいケアができなかったこともあり、トマト、縞ウリ、葉物野菜、など昨年ほどの収穫ができないままに夏野菜の終焉の時期を迎えてしまいました。以下に、その失敗に関わる考察と来年への対応を含め、夏野菜の栽培結果及び秋冬野菜の準備開始の状況を述べてみようかと思います;

夏野菜栽培実績の報告

1.酷暑に耐え、豊かな収穫ができた野菜
① ナス
この夏は、昨年と同じく中ナス、水ナス、小ナスの三種類を昨年の倍以上の苗を育てましたが、よく酷暑に耐え、漬物(ぬか漬け、シバ漬け、浅漬け)、干物、サラダの材料、煮物・焼き物の材料、など充分すぎる収がありました。また、7月下旬には採れ過ぎることもあって一部のナスの更新剪定を大胆に!行う事によって現在(10月)に至るも紫色の濃い秋ナスの収穫が続いています。因みに酷暑のピークであった8月14日のナスの収穫状況(縞ウリ、キュウリも入っています)は以下の写真の通りです;

② 3尺インゲン
この野菜は原産地が東アフリカということもあって、6月以降現在(10月)まで酷暑を物ともせずほぼ毎日収穫できています。しかも、収穫しきれなかったインゲンがコンテナの中に落ちて、再び芽を出してスクスク!育っております
このインゲンは、茹でてから野菜サラダに入れる、煮物に使う、など多用途に使えて大変重宝な野菜です

③ オクラ
大きなコンテナ一つに3本植えましたが、現在(10月)でも毎日1~3本収穫できています。最初の2ヶ月ほどは1本仕立てで育成しましたが、9月に入ってからは徒長した茎をカットし、脇芽での収穫が続いています

2.一旦酷暑に負け、「遮光スクリーン」で成長を遂げた野菜
*唐辛子類(沖縄唐辛子、鷹の爪、剣先なんば)
8月初めに枯死したり、弱ったりした苗を植え替え、「遮光スクリーン」を使って写真の様に再生させることができました(9月以降は「遮光スクリーン」を外してあります)

3.酷暑に負けた野菜類
以下の野菜類については朝・夕の2回、大量の水遣りを続けていましたが、連日30度を超す酷暑、及び強い紫外線に負けて枯死、又は枯死に近い状態(成長が止まり、実をつけなくなった状態)となりました
① キュウリ
6月中は順調に育っていましたが、7月に入るとすぐに30度越えの日が続き、「遮光スクリーン」を下ろす前に急激に萎れ、水遣りを続けましたが全ての苗が枯死してしまいました。その後「遮光スクリーン」を降ろして新しく購入した苗を植えましたが、「遮光スクリーン」の中では順調に育ったものの十分な収穫ができませんでした
<来夏の対策>
*酷暑の為とは思いますが、今後先達の意見を聞きながら来年の植付迄に対策を考えたいと思います
② その他のウリ類(植付た苗はそれぞれ2~3本)
縞ウリ八町胡瓜(長野県)、漬丸君(長野県の漬物用ウリ)については、いずれも7月中はある程度の収穫はあったものの、8月に入ると酷暑に負けて結実しなくなりました。ただ、ゴーヤについては、酷暑には強い様で、現在まで少ないながらも収穫を続けています

③ トマト
7月中旬まで3段目の実までは良く育っていましたが、4段目以上からはキュウリの様に枯死はしないものの花が咲いても実にはならなくなりました。原産地が南アメリカなので酷暑のせいばかりではないと思われます
<来夏の対策>
*実付きが悪いのは酷暑のせい以外に、植物ホルモンの可能性も考えられるので、来年はプロの農家も使っているという「トマトトーン」を一部の苗に使って試してみたいと思っています

3.酷暑の原因ではなく収穫が殆どできなかった野菜
*ズッキーニ
これまでの経験から、必要収穫量から計算し大きなコンテナに2本だけ育てましたが、例年と違って雄花が殆ど咲かず大きな実になりませんでした。育成期間中に3回ほど雄花が咲きましたので人工受粉を行った所、例年通り大きな実をつけました
<来夏の対策>
ネットで調べても雄花を増やす決定的な対策は載っていないので、取り敢えず来夏は育成本数を増やす(4本程度)ことで対応したいと思います

秋冬野菜の準備

夏野菜に多くの手間をかけたせいで秋冬野菜の準備が遅れがちになっています。特にキュウリ、ナス、トマトなど、大型コンテナを多く使っていたものは、できるだけ早く秋・冬野菜の主役であるキャベツ、白菜などを植え付ける準備をしなければなりません
しかし、夏野菜の栽培に気力・体力を使い果たしたことで、例年の様に土の再生に多くの時間と手間をかけられませんので、今年は春に購入した電動耕運機で手間を省くと共に、従来から使っている化成肥料(窒素:リン酸:カリ=8:8:8)と牛糞堆肥の他に、ちょっと高価ですがプロがよく使っている「もみ殻堆肥」も使うことにしました

秋冬葉物野菜の種蒔きと育成
下の写真は、居間の出窓で育成中の白菜、ケール、キャベツ、サニーレタス、レタスの現在(10月)の発芽状況です。全体が赤くなっているのは、曇天の時に赤色のLEDを点灯して成長促進を図っている為です;

この他、タマネギ2種と長ネギについては9月初めに種まきを終え、現在以下の写真の様に順調に育っています

今後、中小のコンテナの土の再生が終り次第その他の葉物野菜についても種蒔きと育成を行う予定です

今後栽培を予定している葉物野菜:野沢菜、高菜、ホウレンソウ、小松菜大根、カブ、など

おわりに(反省!)

今年の夏野菜の栽培は、とても成功とは言えない出来栄えであった上に、体力的にも非常に厳しい状況であったことは間違いありません。これらは全てが酷暑の故と片付ける訳にはいきません
自身の能力の限界を弁えず必要以上に栽培数を増やし、結果として連日の収穫と水遣りに追われてしまったことで、中・小コンテナの野菜類を雑草だらけにして収穫不能としてしまったこと、

また、ナスばかり大量に収穫することとなり、結果として連日ナス料理が続き、我が家の料理人達(妻と同居の息子)に「料理のヴァリエーションを増やせ!」というプレッシャーをかけ続けたことは大いに反省すべきと考えています

従って、来年の夏野菜栽培は;
① 欲張らずに栽培数を減らす
酷暑に強い品種を選ぶ
「給水システム」を復活させる( 屋上栽培を始めた頃に作った)
などを実施して、弱体化する体力に見合った作業量になるよう工夫したいと考えています

以上