ロシアによるウクライナ侵攻とヨーロッパ諸国の軍拡の状況

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はじめに

筆者の妻が長年日本・エストニア友好協会の事務局をやっている関係で、バルト3国(エストニア、ラトビア、リトアニア)、その他の北欧諸国(フィンランド、スウェーデン、ノルウェイ他)の情報がよく手に入ります。昨今、これらの国々からの物騒な情報が増えてきました。これらの国々は、徴兵制復活ロシアとの国境警備の強化スウェーデンはバルト海にあってロシア領と対峙するゴットランド島の防衛強化などを行うようになりました
これらの国々とロシアとは、以下の地図をご覧になるとお分かりになると思いますが、極めて長い国境線を共有しています;

歴史的に、これらの国々は度々ロシアからの侵略(後述)を受けてきました。今回のウクライナ侵攻は、まさしく他人事ではない事態であると国民の大多数は受け止めていると思われます

大国による小国の侵略に関しては、アジアにおいても急速に軍事大国となった中国が台湾海峡の緊張を生み出すと共に、南シナ海や東シナ海においても理不尽な領土要求を行って緊張を高めています
こうした国際情勢の中で、日本がどのような安全保障上の準備をしなければならないか勉強する為に、大国であるロシアが過去どのような侵略戦争を行ったか、それに対してロシアの侵略に欧州の小国がどのような苦難を味わってきたかを調べてみました

ロシアによる侵略と領土拡大の歴史(Quick Review)

現在のロシアのウクライナ侵攻とヨーロッパ各国の対応の根源には、ピョートル1世(下記北方戦争勝利によりピョートル大帝と呼ばれています)から始まる以下の侵略戦争の歴史を辿る必要があります。以下は、生成AIや他のネット情報に基づき作成してみたものです
以下は18世紀初期の北ヨーロッパの状況を表す歴史地図です(ネットには適当な歴史地図が載っていなかったので、筆者の高校時代の世界史の授業で使った懐かしい!歴史地図をコピーしました)

<ロシア帝国(1721年~1917年)時代>
ロシア帝国は、ピョートル1世(大帝)によって1721年に成立し、20世紀初頭までに広大な領土を支配する様になりました

【ピョートル1世(在位:1682年~1725年)】の時代
① 北方戦争(1700年~1721年)
バルト海への進出を目的にスウェーデンと長期に亙って戦って勝利し、エストニアラトビアリトアニアの一部とカレリア(ロシア・フィンランド北部国境地帯)などを獲得しました

女帝エカテリーナ2世(在位:1762年~96年)】の時代
② ポーランド分割
ロシアは西方への領土拡大を企図し、プロイセン、オーストリアと共に弱体化したポーランド・リトアニア共和国を3度に亘り(1772年、1793年、1795年)攻撃した結果、ロシアは現在のベラルーシウクライナ西部リトアニアの一部を獲得しました。3ヶ国の分割支配の状況は下図参照;

【アレクサンドル1世(在位:1801年~25年)】の時代
<ナポレオンのロシア遠征(1812年)> 

ナポレオン軍の死者数: 約 40万~45万人(戦死・病死・凍死・餓死の合計)
ロシア軍の死者数:約 15万~40万人(戦死・病死・凍死を含む)
尚、ロシア国内での戦闘や焦土作戦により、数十万人の民間人も犠牲になったと推定されています
参考:この戦争については、ロシアの文豪トルストイが長編小説にしています。文学に関心のある方は読んでおられると思います。そのあらすじと映画の予告編をご覧になりたい方は以下をクリックしてください:戦争と平和あらすじ

【アレクサンドル1世(在位:1801年~25年)⇒ ニコライ1世(在位:1825年~55年)⇒アレクサンドル2世(在位:1855年~81年)】の時代
③ コーカサス戦争(1817年~1864年)

コーカサス地方の制圧を企図してチェチェン、ダゲスタン、ジョージアなどと戦争を行った結果、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンを併合しました

④ シベリア進出(16世紀~19世紀)

東方への領土拡張を企図し、 先住民族(ヤクート、ブリヤートなど)、及び清と戦い、 1689年のネルチンスク条約、1858年のアイグン条約、1860年の北京条約によりアムール川流域と沿海州を獲得した

【アレクサンドル2世(在位:1855年~81年)】の時代
⑤ クリミア戦争(1853年~1856年)
クリミア半島とバルカン半島への影響力拡大を企図し、オスマン帝国イギリスフランストルコ帝国などの連合軍と戦った結果、ロシアは敗北し
南下政策は挫折しました

この戦争の戦死者:ロシア帝国:約13万人、連合軍側:約7万人

【ニコライ2世(在位:1894年~1917年)】の時代
⑥ 日露戦争(1904年~1905年)

朝鮮半島と満州の支配を企図して日本と戦った結果、日本に敗北し南樺太の日本への割譲と満州の利権(南満州鉄道に関わる利権)を日本に譲渡しました
この戦争の戦死者:日本:約9万人、ロシア帝国:約8万人

<第一次世界大戦、1914年~1918年>
ロシア帝国は1914年に戦争に参戦し、東部戦線でドイツ帝国やオーストリア=ハンガリー帝国と戦いました。戦争中に発生したロシア革命(1917年)により戦争の継続が困難となり、1918年戦争終結前にブレスト=リトフスク条約を締結して戦争から離脱しました

ロシア軍人の死者数:約170万人~200万人民間人の死者数:約160万人~190万人(戦争による飢餓や病気を含む)

<ソビエト連邦(1922年~1991年)の時代>
【 スターリン(統治期間:1924年~1953年)】の時代
ソビエト連邦は、共産主義の拡大と安全保障を目的に領土拡張を行いました
1939年8月、ソ連(スターリン)はドイツ(ヒトラー)との間で通称・独ソ不可侵条約(正式には「モロトフ=リッベントロップ協定」)を結びました。公表された条文は相互不可侵および中立義務のみでしたが、同時に結ばれた秘密議定書では東ヨーロッパとバルト三国、フィンランドをドイツとソビエトの勢力範囲に分け、相互の権益を尊重しつつ、相手国の進出を承認するという性格を持っていました。以下はその条約に沿ってソ連による侵攻が行われました

<ノモンハン事件 1939年>
日本側(関東軍)の死者・行方不明者:約 18,000人
ソ連軍・モンゴル軍の死者数: 約 9,000人~10,000人

⑦ ソ連のポーランド侵攻(1939年)
 ポーランド東部(現在のウクライナ、ベラルーシの一部)を占領しました
⑧ バルト三国併合(1940年)
西側勢力の影響を排除し防衛線を強化する為に、1918年に独立したばかりのエストニア、ラトビア、リトアニアを再び占領し、1991年ソ連崩壊まで続いた
⑨ フィンランド侵攻(冬戦争・1939年~1940年)
防衛線を強化する為にフィンランドに侵攻、フィンランドの領土の一部(カレリア地方)を獲得するも、フィンランドの独立は維持されました
⑩ ルーマニア領侵攻(1940年)
 ルーマニアに侵攻し、 ベッサラビアと北ブコビナを併合、ソ連領(現在のモルドバ)としました

<第二次世界大戦 1939年~1945年>
ソ連(ソビエト連邦)の死者数は、約 2,400万人~2,700万人 と推定されています。これは戦争に参加した国の中で最も多い犠牲者数です
参考:太平洋戦争における日本人の戦死者、戦病死者、民間人の死者の合計は約320万人と言われています。ロシア人の死者が如何に膨大であったかが分かると思います

⑪ 第二次世界大戦後の東欧支配
第二次大戦後、侵攻した国々(ポーランド、ハンガリー、チェコスロバキア、ルーマニア、ブルガリア、東ドイツ)に親ソ政権を樹立し、冷戦時代の東側陣営を形成し、実質的にソ連の影響下に置きました

【 ブレジネフ(統治期間:1977年~1982年)】の時代
⑪ アフガニスタン侵攻(1979年~1989年)

共産主義政権の支援と親ソ政権の維持するためにアフガニスタン侵攻したものの、ゲリラとの長期戦の末に撤退しソ連の崩壊を加速する結果となりました

<ロシア連邦(1991年~現在)の時代>
ソビエト連邦の崩壊後、ロシア連邦も軍事侵攻を行い、影響力を拡大しようとしました。

【 エリツィン(統治期間:1991年~1999年)】の時代
⑫ 第一次チェチェン戦争(1994年~1996年)
ソ連邦内のチェチェン共和国の独立を阻止する為に侵攻しました

【 プーチン(統治期間:1999年~現在)】の時代
* 第二次チェチェン戦争(1999年~2009年)
チェチェンを制圧し、ロシアの支配下に置きました
⑬ グルジア(ジョージア)侵攻(2008年)

南オセチアとアブハジアの親ロ派勢力支援し、事実上のロシア支配下に置きました
⑭ クリミア併合(2014年)
ウクライナ領のクリミヤに電撃的に侵攻し、住民投票を経てロシアが一方的に併合しました。しかし国際的には違法とされています
⑮ ウクライナ侵攻(2022年~現在)
ウクライナがNATO加盟を目指すなどの親欧米路線を阻止する為に電撃的に侵攻を始め現在に至っています

ピョートル1世以降、現在に至るまでのロシアの他国に対する侵略は、ウクライナを含め上記の通り15回に及び、これに伴うロシア側の死者数も膨大な数に上っています。この様な膨大な犠牲を払っても領土の拡張に執念を燃やすロシアの様な国に対しては、単なる平和国家を標榜しているだけでは国を守ることはできないと思われます
現在のプーチン大統領がピョートル1世(大帝)とエカテリーナ2世を尊敬していることは良く知られています。この二人の皇帝がロシアの近代史の中で最も領土を広げた統治者であったことはプーチンの行動を考えると頷けるような気がします

顧みればわが国もロシアのみならず、覇権国家である中国、北朝鮮と国境を接しており、中国が台湾に侵攻を開始したり、北朝鮮・韓国の戦争が勃発すれば日米安保条約に従って我が国が核兵器を含む攻撃を受ける蓋然性は高いと言わざるを得ません。こうしたことを考えると、今回のウクライナ危機に対して NATO諸国、就中バルト三国のロシアによる侵略の危機に対して、どういう準備をしているかを勉強することは意味があるのではないでしょうか。筆者が勉強した結果を以下に紹介します

周辺諸国の対応

1.NATOへの加盟
これまで、ロシアに対しての中立を保っていたフィンランドは2022年4月に加盟しました。また、クルド問題で加盟が遅れたスウェーデンも2024年3月にNATOに加盟しました

NATOは、ロシアのウクライナ侵攻以降、米国と共にウクライナに武器援助を行っています。特にNATOの中でポーランドは旧ソ連軍による大量虐殺事件(カチンの森事件)の被害国という歴史的背景から、真っ先にウクライナへ戦闘機供与を行いました。一方、プーチンの核攻撃の脅しに対して最近核保有国のフランスは、核抑止力を他のNATO諸国に提供する可能性を示唆しています。
元々NATOは第二次大戦後、ソビエト連邦を中心とする東欧共産圏の国々に軍事的に対峙する為に作られた軍事同盟であり、NATO加盟を希望して果たせないでいるウクライナがロシアに屈すれば、次は自国に危機が及ぶと考えるのは自然なことと思われます

現在の覇権国(ロシア、中国)と民主主義国(米国、G7)の対立は、第二次大戦の枢軸国(ドイツ、日本、他)と連合国(米国、英国、他)の対立の構図とよく似ています。第一次大戦の反省から生まれた国際連盟が、大規模な国際紛争の平和的解決に役立たなかったことから生まれた国際連合は、大戦の戦勝国が常任メンバーなった安全保障理事会で平和的に国際紛争を解決するはずであったものの、常任理事国が当事者となる国際紛争では、拒否権の行使によってその役目を果たせなくなっています
ロシアのウクライナ侵攻に関しても、明確に国際連合憲章第2条に違反していることが明らかであるにも関わらず安全保障理事会は平和の為の機能を発揮することが出来ず現在に至っています

2.徴兵制の導入、強化
ロシアと国境線を有する国々はいずれも徴兵制を導入しており、現在の状況は下表の通りです;

国名 徴兵制 対象
スウェーデン あり(2018年再導入 18~47歳の男女(選抜制)
ノルウェー あり(男女平等徴兵) 19~44歳の男女(選抜制)
フィンランド あり(厳格徴兵) 18~60歳の男性(女性は志願)
エストニア あり 18~27歳の男性(女性は志願)
ラトビア あり(2024年より段階導入 18~27歳の男性
リトアニア あり(2015年再導入 18~26歳の男性(女性は志願)

3.その他の対ロシア防衛体制の強化
① フィンランド
* 地雷禁止条約(オタワ条約)脱退
フィンランド軍、幹線道路で離着陸訓練
② バルト三国エストニア、ラトビア、リトアニア);
三国共同で「バルト防衛線」を計画し、ロシアおよびベラルーシとの国境沿いに防衛施設を構築しています。この計画には、各国境に600以上のバンカー(掩体壕:左の写真参照)や対戦車壕の建設が含まれています

ポーランド
ポーランドは2024年末までにロシアおよびベラルーシとの国境沿いに防衛線を構築する計画を進めています
④ ドイツ・リトアニア;
ドイツは第二次世界大戦以降初めて、約 5,000人規模の装甲旅団をリトアニアに恒久的に駐留させることを決定しました。​これはロシアのウクライナ侵攻を受けた対応で、NATOの東側防衛を強化する目的があります
⑤ スウェーデン
スウェーデン・ゴットランド島の防衛強化状況
ゴットランド島はバルト海中央にあり、バルティック艦隊の基地のあるロシアの飛び地・カリーニングラードに対置しています

⑤ EU(​欧州連合)
EUは、ロシアおよびベラルーシとの国境監視を強化するため、電子監視機器の更新や通信ネットワークの改善、移動式探知機器の配備、ドローン侵入対策などに1億7千万ユーロの資金を提供しています

4.NATO諸国の防衛費増額
NATOの主な加盟国のGDPに占める国防費の割合については以下の表をご覧ください。2021年から2024年にかけてロシア周辺諸国を中心に急激に防衛費が増額されていることが分かります

5.国民を戦災から守る施策
最近、スウェーデンが国民及び国内に在住する外国人全員に配布した以下の「自身の命を守るための対処法」を入手しました:

英語が得意な方!はこのパンフレットの英語版をご覧ください;スウェーデン_In case of crisis or war

パンフレットの内容を以下に日本語訳してみました;
[危機または戦争が起きた場合]

このパンフレットはスウェーデンの全世帯に配布されています
スウェーデン政府を代表して。内容については、スウェーデン民間緊急事態庁 (MSB) が責任を負っています
このパンフレットは、スウェーデン語、Easy Swedish、英語で注文でき、他の多くの言語でデジタルダウンロードできます。スウェーデン手話、音声形式、点字でも利用できます。詳細については、msb.se をご覧ください
このパンフレットは安全な場所に保管してください

スウェーデン緊急事態庁(MSB) 651 81 カールスタード msb.se
イラスト:パトリック・ベルク
出版番号:MSB2400 – 2024年11月
ISBN:978-91-7927-529-73

スウェーデン在住者の皆様へ
私たちは不確実な時代に生きています。現在、世界の片隅で武力紛争が起こっています。テロ、サイバー攻撃、偽情報キャンペーンが、私たちを弱体化させ、影響を与えるために使用されています。これらの脅威に抵抗するには、団結する必要があります
スウェーデンが攻撃された場合、誰もがスウェーデンの独立と民主主義を守るために自分の役割を果たさなければなりません
私たちは愛する人、同僚、友人、隣人とともに、毎日回復力を高めています
このパンフレットでは、危機や戦争に備えてどのように準備し、行動するかを学びます。あなたはスウェーデンの総合的な緊急事態対策の一部です

目次
1.不確実な時代だからこそ、備えが大切
2.スウェーデンを強くするために力を合わせよう
3.スウェーデンの防衛
4.警戒態勢の強化
5.全面防衛義務
6.警報システム
7.空襲時に避難する
8.家庭での備え
9.避難
10.民間防衛シェルター
11.心理的防衛
12.デジタルセキュリティ
13.テロ攻撃
14.出血を止める方法
15.異常気象
16.病原体
17.特別な支援が必要な場合
18.ペットを飼っている場合
19.心配な場合
20.危機や戦争について子供に話す
21.重要な電話番号

1.不確実な時代だからこそ、備えが大切
不確実な時代においては、備えることが重要です。軍事的脅威のレベルは高まっています。最悪のシナリオ、つまりスウェーデンへの武力攻撃に備える必要があります。戦争は自由に対する究極の脅威です。軍事的暴力が権力を握るために使われると、自由で独立した生活を送る権利が脅かされます。しかし、武力紛争以外にも、サイバー攻撃偽情報キャンペーンテロ破壊活動など、社会に影響を与え、弱体化させる方法はあります。こうした種類の攻撃はいつでも発生する可能性があります。現在も発生しています。自由を当然のことと考えることは決してできません。たとえ犠牲を払う必要があるとしても、私たちの開かれた社会を守る勇気と意志は不可欠です。スウェーデンが攻撃されても、私たちは決して降伏しません。それに反する主張は誤りです。その他の深刻な脅威

また、次のようなその他の深刻なリスクや脅威に対する耐性を強化する必要があります
*異常気象
*危険な病原体
*重要な IT システムの停止
*組織犯罪

2.スウェーデンを強くするために力を合わせよう
危機や戦争の際には、私たち全員がスウェーデンの回復力に貢献する必要があります。政府機関、地方自治体、自治体は、私たちの安全が脅かされたときに大きな責任を負います。たとえば自治体は、病人や高齢者の世話をし、育児や救助サービスが可能な限り中断されないようにします。民間部門も私たちの備えに貢献しています
深刻な事件が発生した場合、援助は主に最も必要としている人々に重点を置く必要があります。つまり、私たちのほとんどが少なくとも1週間は自力で対処できなければなりません

私たちの集団的備えに参加できる方法の例をいくつか挙げます;
*スウェーデンの総合防衛システムの枠組みの中で特定の任務を担う自発的な防衛組織に参加します。他にも重要な役割を果たす非営利団体や宗教団体があります
*緊急CPR(心肺蘇生法)のコースを修了します。 • 可能であれば献血をしてください
*地域社会の他の人々と、集団的な備えを強化する方法について話し合います。たとえば、同じアパートや住宅街の隣人と話し合ってください

3.スウェーデンの防衛
スウェーデンの総合防衛システムは、軍事防衛と民間防衛で構成されています。スウェーデンは NATO の集団防衛にも参加しています。
軍事防衛
スウェーデンの軍事防衛は、スウェーデンとその NATO 同盟国を武力攻撃から守り、国境を守り、紛争解決を支援します。軍事防衛は、スウェーデン軍と、スウェーデンの軍事防衛を支援することを主な任務とする政府機関で構成されています
民間防衛
民間防衛には、政府機関地方自治体自治体民間部門非営利団体とともに、スウェーデンに住むすべての人が関与しています。民間防衛の最も重要な任務の 1 つは、軍事防衛を支援することです。もう 1 つの主な任務は、国民を保護し、戦時中であっても、可能な限り重要な公共サービスが中断されないようにすることです。重要な公共サービスには、エネルギー医療輸送が含まれます。 NATO におけるスウェーデン
スウェーデンは軍事同盟 NATO に加盟しています;
同盟の目的は、加盟国が団結して強力になり、他国による攻撃を抑止することです。それでも NATO 加盟国が攻撃された場合、同盟の他の国がその国の防衛を支援します。つまり、全員が 1 人のために、1 人が全員のためになるのです


4.警戒態勢の強化
戦争または戦争の脅威が発生した場合、スウェーデン政府は国の防衛能力を向上させるために警戒態勢の強化を発表する場合があります
警戒態勢の強化には、侵略者に対して団結し、重要なサービスと機能が中断されないようにする必要があります。そのような事態が発生した場合、さまざまな役割を担うよう求められることもあります

警戒態勢の強化に関する発表は、ラジオ、テレビ、テレテキストなど、さまざまなチャンネルを通じて放送されます。緊急警報は、最高警戒態勢を知らせるために使用される場合もあります
緊急警報は、スウェーデンが戦争状態にあるか、武力紛争の差し迫った脅威にさらされていることを知らせます。全防衛部隊を直ちに動員し、全員が戦争に備えなければなりません。

5.全面防衛義務
完全防衛義務
16 歳になった年から 70 歳になる年の終わりまで、あなたはスウェーデンの完全防衛の一員となり、戦争または戦争の脅威が発生した場合に奉仕することが義務付けられます
完全防衛義務は、スウェーデン国内または海外に住むすべてのスウェーデン国民に適用されます。完全防衛義務は、スウェーデンに居住する外国人にも適用されます。完全防衛義務は、次のもので構成されます;
*軍事または民間防衛サービス。警戒態勢が強化されている間は、戦時配置で指定された場所に直ちに移動する必要があります
*一般的な国家奉仕。スウェーデン政府が一般的な国家奉仕を発動した場合、あなたは職場に留まるか、スウェーデンの完全防衛システムを支援する他のタスクを実行する必要があります
警戒態勢が強化されている間は、特定の戦時配置が割り当てられていない限り、通常どおり仕事に行きます

6.警報システム
重大な事故、危機、戦争の脅威、または戦争が発生した場合、さまざまな方法で警報が発せられることがあります
さまざまなサイレンの意味を学びましょう;
屋外警報;
大音量のサイレンを使用する屋外警報システムは、スウェーデンのほとんどの自治体と原子力発電所の周辺で運用されています
このシステムは、3 月、6 月、9 月、12 月の最初の祝日でない月曜日の午後 3 時 (15:00) にテストされます

公共広告 (PSA)
このサイレンは 7 秒間鳴り、その後 14 秒間沈黙します。このパターンは 2 分間繰り返されます;
屋内に入り、すべての窓とドアを閉め、可能であれば換気をオフにします。詳細については、スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio のチャンネル P4 を聞いてください。
緊急警報および情報システムである PSA (公共広告) は、緊急事態で使用されます。たとえば、有害な大気汚染や、有毒ガスを放出したり爆発を引き起こしたりする可能性のある火災が発生した場合などです。公共広告は、主に以下を通じて放送されます
*Sveriges Radio、SVT (スウェーデンの公共放送)、SVT テレテキスト、および民間のラジオとテレビ チャンネル
krisinformation.se、SOS Alarm 緊急サービス、Sveriges Radio、SVT などのアプリ
*影響を受けた地域の携帯電話に送信されるテキスト メッセージ

緊急警報;
サイレンが 30 秒間鳴り、その後 15 秒間沈黙します。このパターンが 5 分間繰り返されます。屋内に入り、スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio のチャンネル P4 を聴いてください。緊急警報は、国全体が最高の警戒状態にあることを意味します。軍隊のメンバーまたは民間防衛に従事している場合は、指定された戦時配置に直ちに進んでください。戦時配置が現在の職場である場合は、雇用主の指示に従ってください

空襲警報;
このサイレンは短いバーストで構成され、1 分間鳴ります
すぐに避難してください。たとえば、民間防衛シェルター、地下室、またはその他の防護構造物に避難してください。屋外よりも屋内の方が安全で、できれば窓のない部屋の方が安全です

警報解除;
30 秒間続く、長く途切れないサイレン

7.空襲時に避難する
空襲があった場合は、すぐに避難所または他の保護場所に避難する必要があります。最寄りの避難所を選択してください。また、軍事攻撃の可能性がある場合は、その地域から避難する必要があるかもしれません
警報は、空襲警報やスウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio のチャンネル P4 など、さまざまなチャンネルを通じて放送されます

民間防衛シェルターは、衝撃波や爆弾の破片から身を守ります。また、核兵器の爆風や熱波からも身を守ります。シェルターは、放射性降下物化学兵器のガス生物兵器に関しては、他の場所よりも優れた保護を提供します。

避難するその他の場所;
地下室、ガレージ、地下の地下鉄駅も、空襲中に身を隠します。トンネルや壁も、ある程度の保護を提供します
屋外よりも屋内、できれば窓のない部屋にいたほうがよいでしょう。屋外にいて身を隠す時間がない場合、地面に横たわらなければなりません。できれば小さな穴や溝に
「安全」のサイレンが聞こえたら、シェルターから出ることができます
負傷者や閉じ込められた人を助けてください。

核兵器;
世界的な脅威レベルが上昇しているため、核兵器が使用されるリスクが高まっています。核兵器、化学兵器、生物兵器が使用される攻撃の際には、空襲のときと同じように身を隠してください。民間防衛シェルターは最高の保護を提供します。放射線レベルは数日後には大幅に低下します

基本的な防護;
屋外の穴や溝トンネル内または壁の横屋内の窓のない部屋民間防衛シェルター地下室ガレージ地下の地下鉄駅(最も効果的な保護が可能)

8.家庭での備え
少なくとも 1 週間は自力で対処できれば、集団での備えに貢献できます

チェックリストのアドバイスを、自分のニーズや状況に合わせて調整してください。隣人など、他の人といくつかのものを共有できるかもしれません。危機や戦争の際には、誰もが互いに助け合わなければなりません
事前に準備しておけば、深刻な事態が発生したときに慌てずに済みます

水;
主に飲料水と調理用に、1 日に少なくとも 3 リットルの水が必要です。飲料水が不足した場合は、自治体が公共の給水タンクを用意できます。ただし、緊急時に備えて自宅にいくらかの水を備蓄しておく必要があります
水を貯めるための貯水容器または蓋付きバケツを用意してください
ボトル入りの水を購入するか、貯水容器に水を満たしてください
水は暗くて涼しい場所に保管してください。年に 1 ~ 2 回、水の味や匂いが異常かどうかを確認してください。必要に応じて水を交換してください。水が飲んでも安全かどうかわからない場合は、沸騰するまで沸騰させてください

ペットボトルに水を入れて冷凍庫に入れます。停電の際にはボトルを保冷剤代わりに使用できます。氷が溶けたら、水を飲めます。ボトルをいっぱいに満たさないでください。凍ると割れる場合があります

暖房;
冬に停電すると、家の室内温度は急速に下がります。1 つの部屋に集まり、窓に毛布をかけ、床にラグを敷いてください
家に常備しておくとよいもの;
暖かい全天候型のアウトドア ウェア、ウール製の服、厚手の靴下、ビーニー、手袋、スカーフ、毛布、スリーピング マット、寝袋、
電気を必要としない代替熱源– たとえば、ガスまたはパラフィン ヒーター、キャンドル、ティー ライト、熱源用の燃料、マッチ、着火剤、消火器

代替熱源を使用する場合は、必要な予防措置を講じてください。窓を開けて呼吸できる空気を入れ、就寝前に熱源のスイッチを必ず切ってください。

コミュニケーション
政府当局からのニュースや重要な情報を受け取れるようにする必要があります
また、家族や友人と連絡を取り合うことも必要です。家に置いておくと便利なもの;電池、ソーラーパネル、または巻き上げ機構で動くラジオ、予備の電池、携帯電話と充電済みのパワーバンク、車用の電話充電器
重要な電話番号を紙に書き留めておく

スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio のチャンネル P4 は、緊急情報の公式チャンネルです。危機や戦争の場合でも放送が継続されます。お住まいの地域の P4 チャンネルの周波数は、krisinformation.se でご確認ください。

食品;
満腹感があり、エネルギーに富み、室温で安全に保存できる食品が必要です。すぐに調理でき、水をほとんど必要とせず、すぐに食べられる食品を入手してください。通常の買い物のときに、1 つまたは 2 つの追加アイテムを購入するだけで、緊急時の備蓄を増強できます

自宅に常備しておくとよいもの;
保存可能な食品: 穀物、シリアル、パスタ、米、クスクス、インスタント マッシュポテト、粉ミルク、トルティーヤ、クリスプブレッド、クラッカー、塩、スパイス缶詰食品:トマト、野菜、果物、すぐに食べられる食品
高タンパク質:乾燥または缶詰の肉や魚、ひよこ豆、豆、レンズ豆、チューブ入りチーズ
高脂肪: 調理油、ペスト、油漬け天日干しトマト、タプナード、ピーナッツバター、ナッツ、種子
エネルギー補給: フルーツカスタード、ジャム、チョコレート、蜂蜜、プロテインバー、ドライフルーツ
飲み物:コーヒー、紅茶、ホットチョコレートミックス、ブルーベリーとローズヒップのスープ、ジュース、または牛乳
子供用の食べ物: 粥、乳児用粉ミルク、オートミール、ベビーフード
手に入るフルーツやベリーを活用しましょう
庭、バルコニー、窓辺で食べられるものを育てましょう

通貨;
さまざまな方法で支払いができると、緊急時の備えが強化されます。時々現金を使う必要があります
あるとよいもの;
少なくとも 1 週間分の現金、できれば異なる額面の現金
その他の支払いオプション – たとえば、デビットカードやクレジットカード、デジタルサービ

トイレ;
停電などで水が出ない場合は、トイレを流すことができません。他の方法で廃棄物を処分し、衛生状態を良好に保つ準備をしてください
トイレを流せない場合でも、トイレで排尿することができます。トイレットペーパーはゴミ箱または蓋付きのバケツに捨ててください

排泄物を処分するには、ビニール袋またはゴミ袋を便器に入れるか、ポータブルトイレまたは蓋付きのバケツを使用してください。排泄物を堆肥化ごみまたはおがくずで覆います。廃棄物を処分する場所については、自治体から情報が得られます
自宅に常備しておくとよいもの:トイレットペーパー、ウェットティッシュ、手指消毒剤、おむつ、生理用ナプキン、ビニール袋またはゴミ袋、堆肥化ごみまたはおがくず、蓋付きのバケツ
臭いの蓄積を減らすために、尿と排泄物を混ぜないでください

その他;
自宅に常備しておくとよいもの:キャンプ用ストーブ、ガスバーナー、燃料、家庭用薬局、救急箱、マッチ、火起こし、懐中電灯、ヘッドランプ、缶切り、車の燃料タンクまたは充電済みのバッテリー
処方薬や使い捨て製品が必要な場合 (たとえば糖尿病の場合)、自宅に 1 か月分の備蓄を必ず保管してください

9.避難
軍事攻撃、自然災害、または有害物質の放出が差し迫っている場合、地域から迅速に避難しなければならない場合があります
避難指示は、公共広告 (PSA) システムを含むさまざまなチャネルを通じて発表されます。スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio のチャンネル P4 をオンにし、政府当局の指示に従ってください
自力で避難できない場合は、安全な場所に到着すると、支援が提供され、緊急用住居と食料も提供されます。

持ち物;
すぐに避難する必要があり、しばらく自宅に戻れない場合に備えて、必需品のリストを作成してください。持ち物に関するヒントをいくつか紹介します;
数日分の食料と水写真付き身分証明書、デビット カードまたはクレジットカード現金医薬品と補助具 (補聴器など)電池ソーラー パネルまたは巻き上げ機構で動作するラジオ暖かい服防水アウターウェア予備の衣類トイレタリーおよび衛生用品携帯電話と充電器地図コンパス電話番号や保険情報など、紙に書かれた重要な情報

10.民間防衛シェルター

特定の民間防衛シェルターが指定されているわけではありません。最寄りのシェルターに避難してください。msb.se(日本語でも見られます)では、スウェーデンのすべてのシェルターの位置を示す地図を見つけることができます
シェルターには水と基本的なトイレ設備が必要です。時間があれば、食べ物、暖かい服、トイレタリーを持ってきてください。シェルターに数日間滞在する準備をしてください

平時であれば、シェルターは他の活動に使用できます
ただし、必要に応じて 48 時間以内に再設定して利用できるようにする必要があります。警戒レベルが高まっている間は、所有者はシェルターが適切に準備されていることを確認する義務があります
シェルターには、オレンジ色の長方形の中に青い三角形のマークが(右の画像)が付いています。このシンボルは、建物が戦争法の下で保護されていることを意味します

最寄りの民間防衛シェルター
警戒レベルが高まった場合に避難が必要な場合は、現在地から最も近いシェルターに入る権利があります。 自宅、学校、職場の近くにあるシェルターやその他の保護施設を探してください
11.心理的防衛
外国勢力やスウェーデン以外の人々は、偽情報、誤情報、プロパガンダを使って私たちに影響を与えています
私たちに影響を与えようとする試みは、主にオンライン プラットフォームやソーシャル メディアを通じて毎日行われています。これらの行為の目的は、不信感を植え付け、自衛の意志を弱めることです

私たちに影響を与えようとする人々は、次のような方法でそうする可能性があります;
*嘘、偽の物語、または部分的に真実だが文脈から外れた話を広める
*偽の画像、動画、または音声録音を作成する
*特定の問題や出来事に関連する強い感情を引き起こし、お互いに対する不安や疑念を高めようとする。

私たちの集団的回復力に貢献する方法;
*強い反応を引き起こすコンテンツに注意してください
*信頼できる情報源からの情報のみを共有してください
*複数の異なる情報源からの情報を検証するようにしてください
*重大な事態が発生した場合は、公式の政府機関から確認を得てください

12.デジタルセキュリティ
デジタル化により、重要な IT システムをダウンさせるサイバー攻撃に対して脆弱になる可能性があります
自宅でも職場でも、情報を安全かつ確実に扱うことで、スウェーデンのレジリエンス強化に貢献できます。
始めるためのヒント:
*文字、数字、記号を組み合わせた強力なパスワードを作成します
*不明な送信者からのメール内のリンクをクリックしたり、添付ファイルを開いたりしないでください
セキュリティ アップデートをすぐにインストールします
重要な情報を外付けハード ドライブ、USB ドライブ、またはクラウド サービスに定期的にバックアップします

13.テロ攻撃
テロ攻撃や武力攻撃は、人や交通システム、電力網などの重要なインフラに向けられることがあります。被害に遭ったら、すぐに行動してください
逃げる:現場から遠く離れてください
隠れる:逃げられない場合は、部屋に閉じこもるか隠れてください。携帯電話をサイレント モードにしてください
伝える:112 に電話して、何が起こったかを報告してください。

考慮すべき事項
*ネットワークに過負荷をかけないように、助けを求める必要がある場合にのみ電話してください
*警察、救助隊、政府機関の指示に従ってください
*何が起こっているかについての噂や未確認の情報を広めないでください
*危険にさらされている可能性のある人には電話しないでください。隠れ場所が明らかになる可能性があります

14.出血を止める方法
負傷者を助ける前に、自分と負傷者の安全を確認してください。重度の出血を止める方法は次のとおりです;
112 番の緊急サービスに電話するか、他の人に電話してもらいます
できれば、丸めた T シャツ、スカーフなどを使用して、腕を伸ばした状態で傷口に直接しっかりと圧力をかけます
疲れたり、助けが必要になったりした場合は、誰かに手の上に圧力をかけてもらうように頼みます
救急車が到着し、救急隊員が圧力を解放してよいと言うまで、圧力を維持します

15.異常気象
大雨、洪水、熱波などの異常気象はますます頻繁に発生しています。土砂崩れや森林火災などの自然災害のリスクも高まっています。政府当局の支援を受けて、備えを強化するために、以下の手順を実行してください;
*市町村のウェブサイトまたは msb.se で、お住まいの地域での土砂崩れ、浸食、洪水のリスクと備えに関する情報を入手してください
*異常気象に備える方法についてのアドバイスを得るには、msb.se または krisinformation.se にアクセスしてください
*火やグリルに火をつける前に、お住まいの地域で火気禁止令が出ていないか確認してください。情報は krisinformation.se や、その他のウェブサイトで入手できます
*天気予報に注意し、気象警報を提供するアプリをダウンロードしてください。たとえば、krisinformation.se、スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio、SMHI Väder などです
*発せられた警告はすべて真剣に受け止めてください

異常気象や自然災害が発生した場合は、スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio のチャンネル P4 をオンにして、情報や詳しい指示を入手してください。たとえば、水道水を沸騰させる必要がある場合や、地域から避難する必要がある場合などです

16.病原体
感染症は急速に広がり、大規模な流行を引き起こす可能性があります。感染症が広がり始めた場合、政府機関は自分自身や他の人を守る方法についての推奨事項を提供します;
*市町村、地域の感染症専門家、政府機関からの最新情報を入手してください
*政府機関からの推奨事項に従って、病気の蔓延を減らすのに協力してください

17.特別な支援が必要な場合
現在、自治体から特別な支援を受けている人は、危機や戦争が発生した場合でも引き続き支援を受けることができます。ただし、特定のニーズに応じて、緊急事態への備えを遵守する必要があります
*家族、友人、隣人、介助者、または介護管理者に、必要な支援について相談してください
*処方薬やその他の医療補助具などの重要な情報も含めた、危機時の緊急時対応計画を立ててください
*避難所やその他の保護地域への移動に備えてください
*携帯電話のアクセシビリティ機能を使用して、最も重要な情報を入手してください
*聴覚障害がある場合は、krisinformation.se のアプリを使用し、通知をオンにして公共広告 (PSA) を受信して​​ください
*視覚障害がある場合は、テキスト読み上げツールまたはスクリーン リーダーを使用して、政府当局からの情報を入手してください
*盲導犬または介助犬は、民間防衛シェルターで許可されています。 !
詳細については、msb.se または krisinformation.se をご覧ください

18.ペットを飼っている場合
危機や戦争の際には、ペットの世話と健康は飼い主の責任です。少なくとも 1 週間は持ちこたえられるだけの食料を自宅に用意しておいてください
空襲があった場合は、地下室、ガレージ、地下鉄駅などの防護施設にペットを連れて行くことができます。ペットを自宅に残さなければならない場合 (ペットが自由に食べ物を摂取できる場合)、追加の食べ物と水を残しておいてください
自宅に置いておくとよいもの;
*保存容器に入れたドライフードと水
*動物用の薬
*動物を運ぶためのケージまたはその他の方法
*獣医への手書きの電話番号、保険情報、ID 番号
* 馬や家畜を飼っている場合は、緊急事態への備えに関する詳細情報を jordbruksverket.se で入手できます


19.心配な場合

不確実な時期は、人々に不安や心配を感じさせます。不安に対処するためのヒントをいくつかご紹介します;
*家族、友人、近所の人、またはメンタルヘルス組織に自分の気持ちを話しましょう。孤独感を和らげるのに役立ちます*参加しましょう。たとえば、他の人の緊急事態への備えを改善するのを手伝うなどです。そうすることで目的意識が持てます*自分の健康に気を配りましょう。良い食事、睡眠、運動はストレスを軽減し、健康状態を改善します
*ニュースの摂取を制限しましょう。自分に合ったレベルを見つけ、気分が良くなることにもっと時間を費やしましょう
*深刻な不安がある場合は専門家の助けを求めましょう。

20.危機や戦争について子供に話す
さまざまな年齢の子供は、さまざまな方法で不安を表現します。ストレスや心配の兆候に気を配りましょう;
*子供に状況を説明します
*耳を傾け、会話に誘います
*確認された情報のみを話します*不必要な詳細は避けます。 • すべての答えがわからない場合は、正直に認めましょう
*子どもと一緒にアクティビティを計画し、子どもの焦点を切り替えられるようにします

21.重要な電話番号
112 緊急の場合 – 救急車、救助隊、警察。 114 14 警察との非緊急連絡。 重大な事故や危機に関する情報の受信または提供。 1177 怪我や病気の場合の医療支援。 詳細情報 MSB.se 危機や戦争が発生した場合の緊急事態への備えに関する詳細情報。スウェーデン民間緊急事態庁が提供するビデオ、演習、コースなど。 Forsvarsmakten.se スウェーデンとその同盟国の軍事防衛について。 Krisinformation.se スウェーデン政府当局からの緊急情報。 Lilla.krisinformation.se 子供や若者に適した危機や戦争に関する情報

公共広告 (PSA);
サイレンが 7 秒間鳴り、その後 14 秒間沈黙します。このパターンは 2 分間繰り返されます。屋内に入り、すべての窓とドアを閉め、可能であれば換気装置をオフにしてください。スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio、チャンネル P4 を聞いてください

緊急警報;
サイレンが 30 秒間鳴り、その後 15 秒間沈黙します。このパターンは 5 分間繰り返されます
*スウェーデンの公共放送局 Sveriges Radio、チャンネル P4 を聞いてください
*軍人または公務員の場合は、指定された場所に直ちに進んでください。

空襲警報;
*サイレンは短いバーストで構成され、1 分間鳴ります。直ちに民間防衛シェルターまたはその他の保護場所を探してください。最寄りの場所を選択してください。

警報解除:
30秒間、途切れることなく長く鳴るサイレン

おわりに

ブログを書き始めるに当たってロシアの近代史をざっと調べたところ、改めてロシアという国は、為政者だけでなくその国民も他国を侵略することに道徳的な心に痛みを感じない国だなと思いました。私の過去のブログで、謂わば植民地支配をしていた満州に住んでいた両親や親戚も、一緒に住んでいた中国人や朝鮮人に対しては幾らかの心の痛みを感じていたいたと思われますが、ロシア人に対しては「ろ助」と呼んで憎んでいたと書いた事を思い出します
日露不可侵条約を結んでいたソ連が終戦直前に、一方的に条約を破棄して満州に怒涛の様に侵入してきたこと、また北満に入植していた沢山の一般日本人を集団自殺に追い込み、多くの投降した日本の軍人・軍属をシベリアに送り、極寒の中で強制労働をさせて、多くの死者を出したこと(国際法違反)は許し難いことであり、ヨーロッパの人々が歴史上被ったロシアの戦争犯罪による苦難に対し多くの日本人がシンパシイを感じてしまうことは不思議ではないと思います

日本は島国である為、歴史的に他国の侵略を受けたことは少ないものの、蒙古襲来(1274年,1281年)の時は、鎌倉武士の奮闘と暴風のお陰で退けることが出来ましたが、その進入路にあたる隠岐・対馬では島民の多くが殺害されています。また、太平洋戦争の末期の沖縄の戦闘では、住民を巻き込んだ激しい地上戦で20万人を超える人が亡くなり、県民の4人に1人が命を落としました

習近平主席が数年内の台湾併合を公言している現在、台湾関係法により「台湾の将来を非平和的手段により決定しようとする試みは西太平洋地域に対する脅威とみなす」としている米国が、これを黙っているはずはなく、台湾危機は数年内に訪れる蓋然性は低くないと思われます。危機の際、日本は日米安保条約の定めにより米軍の支援を行う必要があり(詳しくは私のブログ「ウクライナ戦争が変えた日本の防衛政策」をご覧ください)、日本の米軍基地周辺や、支援を行う自衛隊艦船への攻撃を受ける事態を想定しなければならないと思われます
既に、沖縄県の島嶼地域の防衛に関しては以下の様な対応が始まっています;
*2023年10月:沖縄から九州へ県外避難、有事備え「受け入れ計画を」
*2024年4月:自民党、沖縄離島から円滑避難で提言へ 台湾有事想定
*2024年10月:日米、南西諸島から初の退避訓練 4万人超の規模で演習
*2025年1月:自衛隊、南西防衛強化で海上輸送の新部隊 3月末発足

尚、島嶼防衛を考えるに当たっては、太平洋戦争末期の1944年、沖縄から疎開する学童らを乗せて九州に向かっていた「対馬丸」が、アメリカ軍の潜水艦の攻撃を受けて沈没、 800人近い子どもを含む多くの犠牲者を出した悲劇を忘れてはならないと思います

スウェーデンの「危機または戦争が起きた場合の国民の対処法のパンフレットは大変良くできていると思います。やはり、ロシアからの度重なる攻撃を受けてきた体験からの知恵が詰まっていると思います。日本もこれに倣って有事に備えて国民がどう対処すべきかのマニュアルを準備すべき時期に来ているのではないかと私は思います。ただ、スウェーデンと違って徴兵制が無く、専守防衛が原則の場合どう対応すればいいか、中々難しい問題だとは思います
尚、核兵器が使用された時の避難の仕方が書かれていますが、何故こういう避難をするのか?これで大丈夫か?、と思われるかもしれませんがその疑問に答えるには以下の私のブログ「災害のリスクについて考えてみました」の「3.核兵器の攻撃を受けた時に生き延びるには」を見て頂ければ納得されると思います

以上