宇宙に関わる基礎的な知識

Pocket

宇宙とは

 宇宙について概論を語るには私は知識及び理解力の面で無理があります。何故なら凡そ100年前にアインシュタインが発表した「一般相対性理論」を理解できなければ本当の意味で宇宙を理解するのは不可能だからです因みに、アインシュタインがこの理論を発表した時、これを直ちに理解できる人は「当時天才と言われたフェルミなど数人しかいないだろう」と言っていた事を聞いたことがあります
その後、この理論で予言したことが実際の観測結果で証明されるようになるまでには相当の時間がかかりました。因みに、アインシュタインが予言した空間のゆがみが光の速さで宇宙空間に伝播するという「重力波」の存在を実際に直接検出することは、2015年9月14日まで待たなければなりませんでした(アメリカの重力波望遠鏡 LIGOとヨーロッパの重力波望遠鏡 Virgoの研究チームによる観測結果)


てな訳で、以下の説明や画像は大半書籍や新聞、ネット情報の受け売りという事になりますが、お許しいただければ幸いです

1.宇宙の成り立ち
どうしてそんな事になるか分かりませんが、およそ137億年前、何もないところに宇宙のタネが生まれ、すぐに急激に膨張し、引き続き大爆発しました。これを「ビッグバン」と言います

               ビッグバン後の宇宙の姿

今から46億年前(ビックバンから約90億年後)に宇宙の様々なガスが集合して太陽が誕生しました。太陽誕生をきっかけとして太陽系ができ、その後太陽を中心とする沢山の惑星が誕生しました。誕生の順序は以下の通りです;
① 水星、金星、地球、火星の誕生
② 木星、土星の誕生
③ 天王星、海王星の誕生

<参考1>
宇宙マイクロ波背景放射(CMB:Cosmic Microwave Background)とは;
天球上の全方向から観測されるマイクロ波であり、そのスペクトルは2.725K(ケルビンという温度単位;-270.425℃に相当)の物体の発するスペクトルに極めてよく一致しています。このCMBの放射は、ビッグバン理論について現在までに得られている最も確かな証拠と考えられています。CMBが1960年代中頃に発見されたことで、定常宇宙論はじめとするビッグバン理論と対立する説への興味は失われていきました
<参考2>
ブラックホール(Black Hole)とは;
 最も速い光(秒速約30万km)でさえも脱出できないほど重力が強いとされる天体を意味します。従って、光では観測することができず、宇宙に空いた黒い穴のように見えることから名づけられました。すべての質量が「特異点」と呼ばれるきわめて狭い領域に押し込められ、周囲の時空間が大きく歪んでいると考えられているブラックホールの場合、脱出速度が光速を上回ります。ブラックホールの外からやってきた光も強い重力で進む向きが曲げられてしまい、ある距離まで近づくとブラックホールから脱出することができなくなるとされています。

光さえも出ては来られないブラックホールそのものを直接見ることはできませんが間接的に観測することは可能です。ブラックホールの強い重力に引き寄せられたガスなどの物質は、吸い込まれつつもブラックホールの周囲を高速で周回する「降着円盤」を形成します。円盤とはいいますが、その中心にはブラックホールが存在するはずなので、実際には幅の広い輪のような構造をしていると考えられています(右上の写真は理論的に考えられた想像図)。この降着円盤は光(電磁波)を放つので、その様子を詳しく観測することで、ブラックホールの性質を調べることができるのです。また、物質の一部をブラックホールから「ジェット」として放出しています。ジェットも光(電磁波)を放つので、観測することが可能です

2019年4月、国際協力プロジェクト・Event Horizon Telescope(EHT)は、楕円銀河「M87」の中心にある超大質量ブラックホール周辺の撮影に成功したことを発表しました。EHTから公開された画像を見ると、オレンジ色で示されたリングのなかにぽっかりと黒い穴が空いているように見えます

ブラックホールが生まれる原因の一つに、巨大な質量の恒星(太陽の質量の8倍以上)が寿命の最後に超新星爆発を起こして外層が吹き飛ばされ、残された中心部分の質量が太陽の約3倍以上だった場合、自身の重力で収縮する重力崩壊が止まらなくなった結果、ブラックホールが誕生すると言われています

 

 

 

恒星の一生とブラックホール

Follow_Up:2023年4月日経「ガス噴出を伴うブラックホール 国際チームが撮影

2.宇宙の果ては?
宇宙はその誕生以降も膨張し続けていると言われていますが、宇宙は広大であり、現代人の科学技術をもってしても観測可能な宇宙は宇宙全体のほんの一部に過ぎません。宇宙の全体像が分からないということについては、科学者の間ではさまざまな意見があり議論が交わされているようですが、「宇宙が無限なのか有限なのかも分からない」ということにもなります
2016年3月、米国のハッブル望遠鏡による分光分析により「GN-z11」という銀河系宇宙(gakaxy)を発見しました;

ハッブル望遠鏡によって発見された一番遠い銀河系

この銀河系の見かけの距離は134億光年(注1)でしたが、膨張し続けている宇宙(地球から遠ざかっている)の正確な距離を計算するための「赤方偏移(注2)」で補正すると実際の距離は320億光年ということになります

(注1)光年とは
 秒速30万キロメートルの速さの光が1年間に到達する距離を言います(宇宙の距離はこの尺度で比較されることが多い;太陽から地球迄の距離は凡そ1億5千万km、従って太陽から発せられた光が地球に届くのは8.3秒後という事になります)。134億光年の距離ということは、ビッグバン直後に生まれた天体を今見ていることにもなります
参考:太陽系の中での距離の単位で天文単位( Astronomical Unit )というものがあります。これは太陽から地球迄の距離(凡そ1億5千万km)を一単位とするものです
(注2)赤方偏移(Red Shift)とは
主に天文学において、遠ざかりつつある遠方の天体から到来する光の波長が、ドップラー効果遠ざかるパトカーのサイレンが音が低く聞こえる現象と同じ)によって長くなる(つまり波長の長い赤色に偏移する)現象を言っています。 赤方偏移による波長のずれは、天体の光を分光し、フラウンホーファー線(下図の黒い縦線)を比較することによって調べることができます

太陽光のスペクトルのFraunhofer_lines

フラウンホーファー線:
太陽光等の連続した光のスペクトルにおいて、ところどころに生じている暗線のこと。光源から観測地点までの間に存在する様々な物質が、特定の波長の光を強く吸収するために生じると言われています。
観測した遠方の銀河系の光のスペクトルと太陽光のスペクトルのフラウンホーファー線を比べ波長が長い方にシフトしていることは、高速で遠ざかっていることを意味します

ところが、昨年(2022年4月)GN-z11よりもさらに遠い約135億光年(実際の距離は約334億光年)離れている可能性のある銀河候補の天体「 HD1 」が発見されました。また、この年の7月、ハッブル望遠鏡の後継となる巨大な宇宙望遠鏡「James Webb」が稼働を始めましたので、今後更に遠い宇宙が観測できるものと期待しています
参考:2022年7月・日経記事_「宇宙最初の星」に迫れ

宇宙の研究に功績のあった人々とその成果

宇宙」という言葉は一般にコスモス(cosmos/ギリシャ語)、ユニバース(universe/ラテン語)、スペース(space/英語)などに対する共通の日本語訳です。夜空に輝く星座や恒星、惑星にギリシャ神話に登場する神々の名前が付けられ、それが現在も尚継承されている事を考えると、現在の天文学の起源は、天空の精密な観測を基に科学的に解き明かそうとした(古代ギリシャでは天文学は数学の一分野として扱われていた)ギリシャの哲人(ピタゴラス、プラトン、他)であると考えてよさそうです
その後キリスト教がヨーロッパ全土に広がっていった結果、天文学は神学の世界に取り込まれ科学的な研究が行われなくなってしまいました。この状況が一変するのは14世紀から16世紀に亘るルネサンス時代でした。ルネサンス(Renaissance/「再生」「復活」などを意味するフランス語)とは、ギリシア・ローマ時代の文化を復興しようとする運動の事ですが、この時代に以下の様な天才が登場し、現代の天文学の基礎を確立しました

1.ニコラウス・コペルニクス(1473年~1543年;現在のポーランド出身)
① 1510年頃 「コメンタリオルス」という同人誌で太陽中心説(地動説)をはじめて公にしました
② 1542年、「天球の回転について」の草稿を書き上げ、その中で地動説を基にして実際に星の軌道計算も行いました
*その後脳卒中で倒れ、1543年に死去(70歳)しますが、「天球の回転について」の校正刷りは彼の死の当日に仕上がったと言われています
[豆知識] コペルニクス的転回という例えがよく使われますが、これは物事の見方が180度変わってしまう事を比喩した言葉です。 コペルニクスが天動説を捨てて地動説を唱えたことにたとえています。ドイツの哲学者カントがその著「純粋理性批判」の中で自らの認識論を特徴づけた言葉だそうです

2.ヨハネス・ケプラー(1571年~1630年;現在のドイツ出身)
*ケプラーの考えた数学的モデルは、ピタゴラス、プラトンが考えていたモデルに近いといわれています
ケプラーの法則
第一法則:惑星は太陽を1つの焦点とする楕円軌道を描く
第二法則:惑星と太陽とを結ぶ線分が単位時間に描く面積は一定である
第3法則:惑星の公転周期 T の2乗は、楕円軌道の半長軸 a の3乗に比例する

3.ガリレオ・ガリレイ(1564年~1642年;現在のイタリア出身)
① 1597年 ケプラー宛の手紙で、地動説を信じていると伝えました
② 1604年頃、落体の運動法則(軽いものでも重いものでも真空中であれば同じ速度で落ちること)を発表

③ 1609年オランダの望遠鏡の噂を聞き、自分で製作(ガリレオ式望遠鏡;屈折式望遠鏡)、これを使って月を観測し月が天体であることを理解すると共に、月面のクレーター、太陽の黒点などを発見
④ 1610年、天体観測により木星の4個の衛星を発見
⑤ 1613年、太陽の観測を基に「太陽黒点論」を発刊

*1515年頃から天動説を主張する教会との間で争いが起きる

4.アイザック・ニュートン(1642年~1727年;現在のイギリス出身)
*ニュートンは力学(下記A、B)、数学(微分・積分法)、光学(光の粒子論)の3つの分野で偉大な業績を残した天才科学者です
A.質点に関する運動の法則;
第一法則(慣性の法則:すべての物体は、外部から力を加えられない限り、静止している物体は静止状態を続け、運動している物体は等速直線運動を続ける
②  第二法則(ニュートンの運動方程式:物体の運動状態の時間変化と物体に作用する力の関係を示す法則
⇒ 質点の加速度を(速度の変化率)は、その時の質点(物体)の質量を、これに作用する力 Fとすれば、これら間の関係は以下の数式の様になります
F = ma 微分方程式で表すと  (注)m・vは運動量
第三法則(作用・反作用の法則:二つの質点(物体)1、2の間に相互に力が働くとき、質点2から質点1に作用する力と、質点 1から質点2に作用する力は、大きさが等しく、逆向きである(押すと押し返され、引っ張ると引っ張り返されること;この原理から運動量保存の法則が導き出されたり、力の定義を行ったりする重要なものです)

B.万有引力の法則;
 地球上において質点(物体)が地球に引き寄せられるだけではなく、この宇宙においてはどこでも全ての質点(物体)は、互いに 引き寄せる作用(引力、重力)を及ぼしあっています。この引力は両質点の質量の積に比例し、両質点の距離に反比例します。式に表すと以下の通り;

m1、m2 :質量(kg)、
r:距離(m)、F引力(ニュートン)とすると
万有引力係数:G=6.67×10-11実測値

Episode 1
 私が航空学科の大学院に進学し、「飛行力学」の勉強を始めた時、担当教授に最初に言われた事は「飛行力学を研究する上で相対性理論や量子力学は不要、必要なのはニュートン力学と熱力学の完全な理解である」でした。後で理解したのですが、確かに相対性理論は、物体の速さが光速よりも十分遅く、重力が十分に小さい(地球レベル)条件下ではニュートン力学で十分近似されます。また、量子力学の結果は、対象物体の質量を大きくした極限では、ニュートン力学の運動方程式の解と一致します。従って、人工衛星や惑星探査までを含む宇宙航行の運動の予測を行う際には、ニュートン力学を用いて十分な精度で計算できる場合が多いと思われます

ニュートン力学で説明できる事あれこれ

ニュートン力学を理解していれば、以下の様な様々な事がうまく説明できます

1.人工衛星は何故落下しないか?
実は、人工衛星は落下し続けているんです! 人工衛星を打ち上げる時は、大気圏外まで打ち上げ、その後重力の方向に対して直角に秒速7.9km以上(第一宇宙速度:下記参照)まで加速すると、その速度は大氣の抵抗が無いので「慣性の法則」で減速すること無く飛び続けます。しかし進む方向は重力によって下向きに変えられますが、地球は丸いので落下せずに元の位置に戻り、回り続けることが出来る訳です

同じ理屈は、「ISS(国際宇宙ステーション)に乗っている宇宙飛行士が何故地上に落下しないで宇宙遊泳が出来るか」という説明にも使えます。宇宙飛行士はISSから出た段階では「慣性の法則」によりISSと同じ速度と方向で運動を続けますのでISSと宇宙飛行士の相対位置は維持されます。ただ船外作業中に宇宙飛行士がISSに何らかの力(作用)を加えると「作用・反作用の法則」で宇宙飛行士はISSから遠ざかっていき、ISSに戻れなくなる可能性がありますので、命綱などが必要になります(ref:ISSの船外活動

尚、上記の人工衛星にする為に必要な速度(第一宇宙速度)の他に、地球の引力圏を脱出して太陽の周りを廻る惑星にする為の速度(第二宇宙速度)、太陽系から脱出して宇宙の彼方まで飛行する為の速度(第三宇宙速度)があります。夫々の速度は範囲は以下の通りです;
第一宇宙速度約 7.9 km/s (= 28,400 km/h)以上第二宇宙速度未満
第二宇宙速度約 11.2 km/s(40,300 km/h)以上第三宇宙速度未満
第三宇宙速度約16.7 km/s (60,100 km/h) 以上

2.ゴルフ(野球)でボールを遠くに飛ばすには遠心力使う事が必要?
こんな事を言うコーチや解説者がいますが、これは全くの間違いです。遠心力の「心」は回転の中心、「遠」は遠ざかるを意味します。つまり中心から遠ざかろうとする「力」を意味します。つまりこの遠心力は、仮にゴルフのヘッド(野球のバット)に人が乗っているとしたら(おかしな設定ですね!)その人が回転の中心から遠ざかろうとする様に感じる「架空の力」なのです
この架空の力はゴルフのヘッド(野球のバット)が回転することによって回転の接線方向に進もうとする運動(この運動方向に当ったボールが飛ぶ)を、無理やり回転の内側に引張っている(シャフトを通じて人の力で引っ張っている⇔「求心力」といいます)ことの反作用なのです

Episode 2
 私の経験ですが、台湾駐在のときに買ったゴルフ道具がいい加減で、練習場に行ってドライバーを渾身の力?で打っていたら、ヘッドがすっぽ抜け、ボールと同じ方向(回転円弧の接線方向)に飛んで行ってしまいました。もし、遠心力が架空の力でなく本当にヘッドに働いていればヘッドは回転の外側に飛んでいくはずですね
野球でも同じことが確認できます。打者がバットを強く振りボテボテの内野ゴロを打った時、偶にバットが手から離れることがありますが、この時バットも内野ゴロ?で投手を襲う光景が見られます!

3.月や惑星への飛行は極めて長距離なのに、宇宙船には多くの燃料が積まれていないよう思われるが、大丈夫なのか?
前述の通り、人口衛星を打ち上げた時と同様、真空中を飛行している時は地上の様に空気抵抗は無いので「慣性の法則」により飛び続けることが出来ます(⇒燃料は不要)。ただ、何もしなければ他の天体に引き寄せられて激突する可能性があります

一方、意図的に他の天体に近づき、その公転速度を利用して加速する技!があります。これをSwingby(立ち寄るという意味)といいます。但し、正確に他の天体に近づく必要がありますので、その軌道に入るまでの進路の調整に多少の燃料が必要になります。最近の事例では、日本が誇る?「はやぶさ2は目標の小惑星・リュウグウ(火星と木星の間にある)に接近する時にこのSwingbyの技術を使っています
月の公転速度を利用したSwing By;

 

 

 

 

火星飛行の際の月と地球の引力を利用したSwing By;

 

 

 

 

 

 

Episode 3 漫画「機動戦士ガンダム」にも登場するラグランジュ・ポイント
以下は、ラグランジュ・ポイントについて図を使って分かり易い説明を行っている「ホーキング織野のサラリーマン宇宙を語る」から抜粋しました

 ホーキングという名称は、恐らく2018年に筋萎縮性側索硬化症(ALS)で亡くなった天才物理学者のスティーブン・ホーキング博士のことを指しており、内容も彼の著作(左の写真)から借りた?ものと想像しています

 主星の周囲を伴星が公転している場合、伴星の軌道付近に特殊な場所が5つあります。もし、小天体がその場所に入ると、主星と伴星との位置関係を保ちながら安定して公転できますこの場所をラグランジュ・ポイントと呼んでいます
 18世紀半ば、スイスの数学者・天体物理学者オイラー(1707年~1783年が、主星と伴星を結ぶ直線上に、物体が安定して存在できる三点を計算によって導きました(オイラーの直線解)。その後、フランスの数学者ラグランジュ( 1736年~1813年)が、主星と伴星を一辺とする正三角形の頂点も安定していることを発見し、5つの特異な点が存在することが分かりました。この天才の名前を取ってこの5つの特異点をグランジュ・ポイントと呼ぶようになりました
主星が太陽で伴星が地球の場合;

 L1は、地球から太陽に向かって150万キロメートルの空間にあります。
月の軌道半径は38万キロメートルなので、L1は、月よりも約4倍遠い位置になります。常に太陽の手前にあるので、L1は太陽観測衛星の設置に適しており、観測衛星SOHO、ACE、WINDが置かれています
L2は、地球から太陽の反対方向へ150万キロメートルの空間にあります。
常に地球の影になるため、太陽光はあたりません。太陽光の影響を避けたい観測衛星に適します。ここには観測衛星WMAP、及びジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡もここに置かれています
 L3は、地球から見て太陽の裏側にあります。。このため、L3を地球から直接見ることはできません。昔から、このL3に未知の惑星が存在するという主張がありましたが、探査機による調査の結果、L3に惑星サイズの天体は存在しないことが判明しています
 L4、L5は、地球軌道上の60度前方がL4、後方がL5です。ここでは、惑星間塵が集まった雲状の天体が確認されています

主星が地球で伴星が月の場合;

 以前、L4 、L5に雲状天体が確認されコーディレフスキー雲と命名されましたが、現在では、コーディレフスキー雲の存在は疑問視されています
 また、L1、L2には、地球と月との位置関係を保ちながら安定して公転できるので惑星旅行の際に携行すべき資材の仮置き場所としての利用も考えられます(知人からの情報)。因みに日本も参加しているアルテミス計画(月基地建設)の最初のミッション(目的:月周回軌道への到達・6日間の月周回・地球帰還の間の安全性の検証;2022年11月16日打ち上げ、12月1日地球帰還)では日本の超小型宇宙船2個が搭載され、所定の軌道に打ち出されました。内 OMOTENASHIについては打ち出された直後から地上と通信できず、11月22日に月着陸を断念しました。一方、EQUULEUSについては今の所順調にL2のラグランジュポイントに向かっています

以上