はじめに
見出しの写真は、手前が長野県の漬物用冬野菜で有名な「野沢菜」、左上が福岡県の漬物用冬野菜で有名な「高菜」の成長途中の状況です。昨シーズンから栽培を始めてその漬物を食べたら余りに美味しいので、今年はこの二種の野菜の栽培数を増やしました
*最近、同居している息子が発酵博士?となり色々と協力してくれます。右の写真は、夏に収穫したナスと紫蘇を使って彼が漬け込んだ「柴漬け」で、正にプロの味です。また下の写真は彼の現在の蔵書です!
上記以外に、数年前から始めている生食可能な野菜とハーブの「簡易ビニールハウス」による栽培の規模をやや大きくしたこと、近年栽培株数を増やしている「白菜」、「キャベツ」、「長ネギ」、「タマネギ」、などについて以下にやや詳しく報告します
秋・冬野菜の「簡易温室」による栽培
1.簡易発芽器(室内)
以前、何度かご紹介していますが、大きめのプラスティック容器に水を満たし、この水を熱帯魚用の電熱器(中国製であれば千円内外で購入可能)で温め、これに100円ショップで購入したトレーを浮かべ、このトレーに発芽・育苗用のポリポッドを並べます。昼は蓋を開け、夜は温度が下がらないように蓋をしめます(←発芽には継続的に高い温度必要)。発芽後は、昼間に光が良く当たるように簡易反射板を設置しました。発芽後、暫らくしたら茎が徒長しないように以下の簡易育苗器(屋上)に移します
2.簡易育苗器(屋上)
昨年から始めたものですが、基本的構造は室内用と同じですが、プラスティック容器の周りを断熱の為に発泡スチロールで覆い、熱帯魚用の電熱器の温度設定を室内より高めにセッします。この育苗器は、昼夜を問わず蓋は開けておいて、透明ビニールで覆うようにします(←発芽後の苗はできるだけ日光に晒すことが必要)
3.簡易ビニールハウスによる栽培
ある程度苗が育ってきたら、標準のコンテナに移植し下の写真の様な簡易ビニールハウスに移し毎日一回水遣りをしながら、大きく成長した野菜から順次収穫していきます。収穫は、葉物野菜であれば必要量だけ葉のみを収穫すれば、長期間収穫可能です(栽培している野菜、ハーブ類の詳細は省略)
<参考> 簡易ビニールハウスの安価な制作方法(下記の材料は何年も繰り返し使用できます)
*材料:透明なゴミ袋(70リットル/厚さ0.04ミリ、368円/10枚)、洗濯ばさみ(110円/40ヶ、数年は使い回せます!)、支柱(夏野菜の栽培で使う各種の長さの支柱を使います)
*支柱類・コンテナの縁とゴミ袋との接合は洗濯ばさみで十分な強度が得られます。昨年の経験でかなりの空っ風に耐えることが分かっています
尚、簡易ビニールハウスには暖房の装置は無く、また写真をご覧になると分かると思いますが、周辺には小さな隙間が一杯あり早朝には結構温度が下がり(霜が降りる程ではない)ます。しかし、このビニールハウスの狙いは、周辺の畑で冬場の野菜栽培で使われているビニール・トンネルと同じ様に、晴天が多い関東地方で日中の温度を上げて成長を早めることが目的です
<温度測定結果>
12月23日は、今年これまで一番の寒さでしたが、この時の温度測定の結果は以下の通り;
① 朝7時・新座市の予報気温:-1℃ ⇒
② 朝8時(晴天)・新座市の予報気温:1℃/自宅屋上の日陰地面温度:3℃/ビニールハウス内の温度:10℃(前日が青天だった影響か?)⇒
③ 昼12時(晴天)新座市の予報気温:8℃/自宅屋上での日陰地面温度:9℃ /ビニールハウス内での温度:32℃
白菜とキャベツの栽培
我家の冬の主要野菜である白菜、キャベツは、それぞれ12株、10株栽培しています。これらの苗は勿論種から育成します(9月初旬に育苗用のポリポッドに種蒔きを行い、11月下旬に大型コンテナに植え替えます)。現在の成育状況は以下の写真の通り順調です;
白菜については、昨年実験して成功した「余った苗を密植し、ミニ白菜として楽しむ」ことを狙い下記写真の様に4株育てています;
ネギ類の栽培
1.長ネギ
長ネギは春に種を蒔いたネギと、8月末に種を蒔いたネギを大量に育成しています。残念ながら春に蒔いたネギは今年7月~9月の酷暑の影響で一時は枯れそうになりましたが、何とか生き延びたネギを植え替えて育成していますが、収穫できるかどうか、、、
8月末に種を蒔いたネギについては、以下の写真の様に順調に成長していますが、収穫は来春以降となることは確実です。下の写真左の大きなコンテナは5ヶ、右の小さなコンテナは4ヶ栽培しています。長ネギに関しては今冬は供給責任?が果たせなかった事になります
2.小ネギ
右の写真にある小ネギは、4~5年まえに植えたものですが、刈り取っても肥料を補ってやれば、後から出てきますので便利な野菜です。鍋物には使えませんが、薬味として使う分には申し分の無い便利な野菜と言えます
3.タマネギ
毎年栽培しているタマネギ二種(保存用と生食用)は、今年も8月末に種蒔きをしましたが、右の写真の様に11月中旬の植え付け時には十分すぎるほどの苗が収穫できました。これらの内、大玉に育てる苗は、5ッの大型コンテナに108本、小玉のままで収穫(ペコロス)する苗は、10ヶの小コンテナに150本程になりました
ペコロスは来年4月初めから順次必要分を収穫し、大玉タマネギは恐らくゴールデンウィーク前後に一気に収穫します
その他の野菜の栽培状況
1.ニラ
右の写真の通り、小さなコンテナ4ヶで一年中栽培し、必要な折に順次コンテナ単位で収穫しておりますが、収穫後に適当に根切を行い、化成肥料を一握り程蒔いた後、堆肥を蒔いておけば再生しますので手間いらずの野菜です
2.日野菜カブ
右上の写真は、現在の日野菜カブの成育状況(15株あります)です。もう少し成長させて一月に入ってから収穫し漬物にすることになると思います
右下の写真は今月初めに食べた最後の日野菜カブ古漬け(今年初めに収穫し漬物にしたものを冷凍保存したもの)の写真です。酸味はやや強かったものの大変美味でした
3.高菜
今年は昨年の倍以上栽培していますので大いに楽しめそうです。収穫は恐らく一月末ごろになるのではないかと予想しています:
4.レタス
昨シーズンはかなり大量に育てることができましたが、今シーズンは苗の育成に失敗し、写真の株と、自家製ビニールハウス内での栽培分を含め10株にしかならず、長ネギ同様今冬は供給責任?を完全には果たせませんでした
野沢菜の漬物への道
野沢菜収穫後に漬物にするには量が多いこともあり大変な作業になります;
①の工程までは筆者の仕事です。②・③/洗浄工程(信州・野沢温泉地域では温泉水を使うそうですが拙宅では無理! そこで、60度位のお湯を使い、葉に付着しているゴミ、虫、雑菌を洗い流しています)。その後一時的に3%の塩水に漬け一日経ってから(最初はこの漬物ダルに野沢菜があふれる状態でした)、野沢菜を取り出し水洗いを行ったあと、④我が家の漬物博士?の助言を得て3%の塩と昆布、トウガラシを加えて本漬を行い、屋外で保存して発酵を待ちます。これらの作業は全てワイフの仕事です。
また、根の部分(カブ)の大半は粕漬にする予定です(現在は冷蔵庫で保存中)
失敗した夏野菜のリベンジの結果と来夏の対策
今年8月7日に発行した私のブログ「酷暑の中の屋上野菜栽培」の中で、酷暑で枯死してしまったキュウリとトマトについては、全ての野菜は種から育てるというこれまでの原則を捨てて8月中に苗を買ってもう一度育て始めた事を報告しましたが、その結果は惨憺たるものでした。以下の一年間の費用に関わるレビューをご覧になると分かりますが、5千円以上のお金をかけ各種資材と共にキュウリの苗9株、トマトの苗10株を植え付けましたがキューリの収穫はたった1本のみで全て枯死、トマトは何とか5株だけ生き残ったのみでした。
この健気な?トマトは12月に至っても未だわずかではありますが、細々と実をつけ続けており、朝の生野菜サラダに入れて楽しんでいます
ただ冷凍庫にこれまでの消費できなかったトマトを冷凍保存したもの(右の写真)がありますので、来年2月頃までは朝食のサラダに供給できそうです
<来夏の対策>
① 右のグラフを見ると温暖化が着々と進行していることは確かなので、来年から夏野菜の植え付け時期を、3月頃に早めることとします。この為には、春先の一時的な寒波に備えて、この春使って効果があった透明なプラクティックカバー、及び自家製ビニールハウスの技術を積極的に応用すると共に、この夏二度目の栽培の為に購入した「敷き藁」、「遮光ネット」を暑くなる前から使用したいと思っています
② キューリについては、根が浅く張る事は知っていたものの、肥料用の袋を使った「袋栽培」であった事も枯死の原因になっていたと考えられますので、上記①の対策に加え栽培に広口(深さはそれ程でもない)の大型コンテナを使用することにしたいと思っています
さて、来年も間違いなく酷暑になると思われますが上手くいくかどうか、、、
屋上栽培一年間のレビュー(経済面)
以下の表をご覧になれば分かる様に、今年もゴルフ2~3回分の費用しかかけていないので、年金生活者の趣味としては妥当かと! また、2020年以降、今年まで4年間殺虫剤等の農薬は全く使っていません(かわりに大量の虫を殺害したので私自身の成仏は叶いません!)ので、有毒物質に敏感な?老人の健康面でも良かったかと! 尚、下表の赤い矢印の部分、赤字の部分は本ブログの中の記事に関連する支出項目です;
おわりに
言い訳が多いレポートになりましたが、来年に向けての改善点が多く見つかったことは、素人野菜栽培の技術向上の為には良かったのかもしれません
また、我が家の発酵博士?のお陰で、夏野菜の貯蔵によって美味しい漬物を楽しむことができました。本投稿の「はじめに」で触れた自家製「柴漬け」の他に、前回投降した「酷暑の中の屋上野菜栽培」でご紹介したコールラビの塩漬けと三尺インゲンの5%の塩水漬け(酸豆角)を使って大変美味しい中華料理の定番「炒酸豆角(鶏と三尺インゲンの炒めもの/下の写真)」を楽しむことができました。野菜栽培は、苦労や、失敗は多いものの、本当に楽しいことが一杯詰まった趣味であることを実感できた一年でした;
以上